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シャドウプランナー

「あー、マジどうしよ。果物とか無いし、魚も釣れないし、魔物も居ないし……」

「テントあるけど、食料無いし……マジつら」

 確かにこっちに来る時には果物の類は見つけなかった。代わりに良い木材になりそうなまっすぐな木が多い。間伐する感じで木材を調達出来ればログハウスをもう一軒と言わずに二軒くらい建てられそうだ。でもその前に


「仕方ない。でも、これは公平性の為だから」

 茹で蟹の反対側の小さい足を1つ食べる。これで左右均等になったからあの2人にあげても喧嘩しなくて済むだろう


「葉っぱ、葉っぱ……これなら蟹が乗るな。よし」

 手頃なサイズの葉っぱを探し、蟹を葉っぱの上に載せて、海を向いている2人に気が付かれない様にコッソリ近寄り、近くに置いていく。これであとは離れて様子を見るとしよう


「あー、お腹空い……」

「ん-、どうし……」

 2人が蟹を見つけ、動きが固まった。別にその蟹はゴルゴンでも何でもないぞ


「「か、蟹ー!」」

 2人で蟹を持ち上げて顔にパーっと生気が戻る


「半分こしよ!」

「おっけおっけ!こんな美味しそうな蟹!食べないと失礼だよね!」

 毒が盛られてるとかそういうのよりもまずお腹が減ってるのが優先されてるみたいだ。もちろん毒なんか盛ってない。味見も済んでいるから安心して食べてくれ


「「いただきます!」」

 こんな時でもいただきますは言えるのは良い。なんとなく2人ともギャルっぽいけど、しっかりしてるみたいだ


「うっまっ!」

「この蟹マジ!?今まで食べたどの蟹より美味いんだけど!」

 とりあえずこれで今日2人が餓死するという事は無いだろう。正直僕ももう少し食べたかったなぁ……


「一応この2人にもログハウスの事を教える為にも何かに書いておくか」

 フィフスターを使って木の幹に『この先まっすぐ、建物アリ』と書いておけばこの2人なら来るかな?


「この蟹どこから来たんだろ?」

「誰か来てたんじゃない?」

「しかもこれ、生じゃなくて茹でられてるし」

「ねー、めっちゃ美味しい!」

 なんとなく危機感が少ない2人だなぁ……まぁそのくらい気楽の方が生き延び……いや、ついさっきまで空腹で死にかけてたな


「一応これであの2人が脱落しないで済むな。またどこかで食料を調達してから島の調査に戻ろう」

 もうここまで来たら今夜中にマップを完成させてしまって、他に人が居ないかも探し出してしまおう




「ほうほう、この辺は岩場で採掘とかも出来るんだ。岩塩とか鉄鉱石とか獲れる物はかなりバラバラだけど、海水から塩を作るより手軽に塩を入手出来るのは良いな」

 島を夜のうちに歩き回り、どこでどんな物が取れるのかの採取マップ的な物が完成した。これを何かに書き記すのが良いかな


「とりあえずこれでチェック完了っと、紙か革……糸に書くのもありか?」

 棄てられた神殿の掃除の時に使った様な幅広の糸はある意味紙みたいな状態になると言えばなるかな?


「書くものは焚火で炭を作れば鉛筆代わりになるから何とでもなるな」

 島の探索と人の捜索を同時に行ったけど、資源は豊富だけど、人はこれ以上見つからなかった。という訳でこの島は10人で全員という訳だ。地図も1枚あれば何とかなるだろう。実データは僕のメモにあるけど、コピーとして紙に書いた物をあの人達に渡せば有効活用してくれるかな



「まぁ、紙をイメージして糸を作ってみるか」

 とりあえず手頃な物が無かったから自分で作るしかない


「んー、なんというか、不織布みたいな感じだな。とりあえずこれで行けるか」

 地図は書こうと思っていたので、炭はさっき蟹を茹でた時に数個確保してある。そのまま持つと流石に熱かったからその辺の葉っぱをぐるぐる巻きつけてあるけど、葉っぱに水分が豊富なお陰か燃え上がる事は無い。これなら書けそうだ


「メモを透かして……」

 メモに書いた地図をトレースしながらマップを書いていく。そうだな……あえて食べ物とかの情報は書かないで、あのライオンみたいな奴の所に×印とかを書いた宝の地図っぽい物として置いておくのが良いかも


「問題はこれをどこに置くかだよなぁ……」

 この地図をどこに置くかは結構重要な気がする。どこに置くかなぁ


「あの水場なら多分明日朝になった時に、誰か飲み水とかを確保しに来るかな?」

 ログハウスを建てた近くの水場。そこに木を輪切りにして中をくり抜いた木の宝箱的な物を置けば、良い感じに発見してもらえるかな


「やっぱり寝る時間が他の人に比べたら圧倒的に短いのが大分利いてるなぁ。夜は僕の時間だ!」

 僕の時間だ!とか言ってやる事は木を彫る事なんだけどさ……


「とりあえずこのくらいで良いかな」

 大分シンプルだけど、木の宝箱が出来た。これを水場の近くに設置しておいて、中に島の地図を仕込んでおけば、あのライオンみたいな奴の所に行ってみようとなるだろう。ある程度の流れを仕込めれば、皆楽しみながらも僕も動きやすくなる。可能な限り裏方で遊ぶとなると、台本じゃないけど道筋があればコントロールもしやすいな



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― 新着の感想 ―
[一言] 1111話おめでとうございます
[一言] この島だけ難易度が低い不具合報告が終了後に出されそうw
[一言] 一般プレイヤー:無人島で無事に生き残ろう 逸般プレイヤー:他プレイヤーを生き残らせ、イベントに誘導しフラグを踏ませ楽しませる。そしてその様を観察する 運営だなぁ
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