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1110/2015

念のために

「とりあえず飯にしよう!」

「そうしよう!」

「何か持ってるか?」

「一応食料は持ってきたけど……」

「意外とかさばるから1日分だけだなぁ」

「小さくて乾燥してる食料が中々売ってなくて、5食分だけ……」

「私も5食分ねぇ……」

 今から食事をするみたいだけど、持ち込める食料の関係であまり持ち込めなかったみたいだな。まぁ、乾燥していて持ち込める小さめの食料とかあんまりないだろうし、流石にバッグに干し肉とか突っ込んでる人も居ないんじゃないかなぁ……


「残り2食……」

「何とかしないと……」

 出来れば今は持ち込んだ食料は食べない方が良いと思うけど、まぁそれは個人の判断次第だろう。僕だったら果物とか、魚、肉なんかが取れなかった時に食べる保険的な役割を持ち込み食料に与えたい所だ。もちろん持ち込んだ物を食べきってから食材調達に移行するでも良いけどね?


「とりあえずここは一旦大丈夫そうだな。念の為もう少し辺りを調べようか」

 一応は人が集まっては居るから魔物とかが来ても問題は無いだろう。でも、まだここに集合していない人が居るかもしれないからもう少し島を見て回る方が良いかもしれない。ポン君の知覚ブーストを掛けて島を練り歩いて人を探すべきかな……多分、動くなら今しかない


「よし、探すか」

 ログハウスを作ったり、山を登ったりと時間は結構使ったおかげで7人は所在を確認出来た。他に人が居るとするならこれから夜になれば動きを止めて、寝る為に焚火で暖を取ったり、寝る場所を確保したりするだろう。そうなれば相手がその場から動かないから発見はしやすくなる。だから探すなら夜だ。正直、10人は居ると思うから残り2人くらい居そうな気はするんだよな……


「そうだ。さっきの竹林ならタケノコとかもあるかも。でも、他の所も見たいし、あそこは明日見てみるか」

 マップもまだまだ不完全だし、情報を纏める為にも島は全域を確認するべきだろう。それに食材にも遭遇するかもしれない


「一旦、魚とか取っておこうかな……」

 単純に僕のお腹の足しにもなるし、誰かが困っていた時に渡せる食料にもなる。今なら竹で作った背負子に入れておく事も出来るから食料調達を始めても問題ないだろう。流石にお肉とかはもう少し待ちたい所だ




「穏やかな海だなぁ。よーし!行くぞー!」

 砂浜に出て、焚火を起こしてから背負子や、服を脱いでフィフスター銛モードを手に海に入る。一応イベントエリアだし、水に濡れた服がすぐに乾かないとかあるかもしれないから、脱いでおいたけど、問題なかったら今後は服を着たまま入ろう


「わぁ、綺麗な海」

 青い海の中に入ってみると、カラフルな小魚が泳いでいた。綺麗だけど、あれは食料にはならなさそうだな……


「んー、どこかに良い獲物は……おっ!」

 海に入り、見渡していたら海の底をゆっくり歩いている奴が居た


「カニだ!」

 サイズ的にはタラバガニクラスの蟹だ。あれは獲りたい


「これは行かせてもらう!」

 蟹に狙いをつけて真上から潜り、甲羅をキャッチする。ハサミが危険だけど、僕が持っている所までは手が届かないみたいで、簡単にカニを捕まえられた。これは早速茹でなきゃ!


「獲ったどー!」

 やっぱり海で獲物を獲ったら言いたくなっちゃう。このまま陸まで戻って焚火で調理だ


「なべなべ……海水でそのまま茹でるぞ!」

 まさに海の味!自然の塩味で料理人の布巻きに入っている鍋を取り出して蟹を茹でる


「無人島初日で蟹とは豪勢だなぁ……」

 何とか蟹を鍋の中に入れて焚火でじっくりと火にかけて、完成を待つ。やっぱり持ち込んだ携帯食料なんかよりずっとこっちの蟹の方が美味いと思う


「そろそろどうかな?おぉ!これは美味そう!」

 鍋の蓋を開けると、そこには真っ赤に茹で上がった蟹がある。後で食べるべきなんだろうけど、これはちょっと足1本頂きます!


「おほ~、これはしっかり身が詰まってる!頂きまーす!」

 一番端の小さい足だけど、しっかりぎっしり蟹の身が詰まっている


「はぁ……うまぁ~」

 蟹の身を一口食べると口の中に広がる蟹の甘味とうま味と香り。身はぎっしりなのにふわふわで自制を忘れたらこの蟹1匹ならすぐ食べてしまいそうだ


「これは美味い!無人島飯サイコー!」

 これは陸上での生き物の味も気になって来たな。どうせなら牛とか豚みたいな魔物とか出てこないかな……


「よし!改めて人探しを再開しないとな!」

 人探しの前に腹ごしらえ的なノリで食べたけど、これはずっと食べたくなっちゃう。急いで気持ちを切り替えて、再出発の為に服や背負子をつけなおす


「まぁ、今日中に人が見つからなかったらもったいないから食べるしかないよね?」

 人が見つからない。見つけても大丈夫そうだったら僕が蟹を食べると決めてから人探しを再開する。出来れば大丈夫そうであってくれ……




「ん、あれは……」

 辺りが暗いお陰で焚火に火らしき明かりを見つけた。これは……見つけたか?


「お腹空いたぁ……」

「どーしよ。食料とか簡単に見つかるでしょとか思って持ってこなかったの失敗したぁ……」

 2人見つけちゃいましたねぇ……



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― 新着の感想 ―
[一言] NPCとして振る舞って、正体を隠しながら、食糧援助?
[一言] ピクニック感覚で無人島に…ハチくん様も同じだったはず? 心構えと周到な準備による楽勝具合の差がここまで違うとは! カニ美味そうw
[一言] ハチ君もはや野良運営的立場あじゃん?
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