思いつき
「さて、無人島についたみたいだし、まずは周りの確認だな」
どうやら砂浜にたどり着いたみたいだ。周囲を見渡しても人の姿は見当たらない。目の前はジャングルっぽい自然があるし、山も見える。割と広大なマップかもしれない
「どうするかな……他に居るだろうプレイヤーと協力して生活基盤を一気に構築してしまうのも手だけど……」
海で囲まれた島だろうから、この砂浜に残ったとしても特に意味はない。それよりもさっさと森の中に入って、食材や素材の場所を確認して、自分の周囲だけでも地図を作っておこう。あの山に登れば島の全域は見る事が出来そうだから拠点決めと食料収集が軽く出来たら登って確認してみようか
「ここの葉っぱは大きいから簡易シェルター作りにはかなり使えそうだな」
大きい葉っぱだし、使おうと思えばお皿代わりにも出来そうだ
「とりあえず人を集めて、マンパワーで……いや、待てよ?」
多分、今すぐ火を起こして、煙でも立てれば、島のどこかに居る人達が見つけてくれて合流するのは簡単だと思う。でも、集合した後で僕が主体となって、色々やった場合。多分、皆はお手伝いくらいしかしなかったとなってしまってはあまりイベントを楽しめない可能性がある。そうなるのは避けたい。そうだな……となると、複数人が最初から雨風を凌げる簡易のログハウスを組んでしまうのが一番か。シェルターは僕が使う事を考えたら学んだ事は無駄じゃないし、集まれなかった人がシェルターを使って生き延びてくれれば良いな
「これは……逆に集合させるだけさせて、あとは皆に頑張って貰う為の下地を作って、それを見守るくらいの距離感の方が面白いのでは?」
一応木の上とかで睡眠とかも出来るし、他の人がどうするのか見るって結構面白いんじゃないだろうか?
「困った時に手を貸すくらいの気持ちで他の人に存在がバレずにイベントを攻略出来るかやってみるか!そうと決まれば、まずは色々散策しないとな」
一応、森羅の巫覡装の迷彩服モードで【生存戦略】の能力を少し上げているお陰で周りに人が居ない場合、感知能力上昇のお陰で、人が近寄ってきたら分かるし、潜伏する事も可能だろう。だから用意だけしておこう
「ふむふむ、この辺は結構フルーツとかもあるな。見たところ食べられる種類っぽいから後で食べる分を少しだけ取っておこう」
必要以上に取ったとしても今はバッグに空きが無いから場所だけ覚えておこう。それに拠点だけど、サイバさんが建てていた建物とかも考えると、一応、雨や風の影響を考えて、森の中の方で建てた方が良さそうな気がする。防風林的な役割を周りの木にしてもらおう。これで雷とか、倒木とかを考えだしたらもっと大変になるけど、そんな事まで考えて5日間のサバイバルで作れる拠点とかあるのかという話になるし、フィフスターで木を切り倒して、それで簡易なログハウスを組んでいこう
「ふむふむ、ここなら少し歩けば水場もあるな。よし」
木、食料、水場が大体ある結構良さげな場所を見つけたので、ここに拠点となるログハウスを建てるとしよう
「白武、黒武、こっちに来る事は出来そうかな?」
『おまたせしました』
パンドーラで2人を呼び出せるか試してみると、MPを持っていかれて、首からホワイトボードを下げた2人がその場に現れた
「ありがとう。よく来てくれたね。それで、これから僕が木を切るから、それを運んで欲しいんだ。大体こんな感じなんだけど……」
『おまかせください』
2人ともホワイトボードに書いた後、敬礼する。うん、凄く頼りになるな。3等身だけど
「おぉ……やっぱり2人共パワフルだねぇ」
フィフスターで切り倒し、枝も切り落とした丸太を前後で別れて肩に担いで運ぶ2人。可愛らしいなぁ。おっと、僕もサボらない様にしなきゃ。急がないと人が来るかもしれないし、ログハウスを完成させなくては
「よし!あともう少しだ!」
窓とかも無い本当に簡単な物だけど、ログハウスを建てた
「ふぅ、これで大丈夫だろう。2人共ありがとう。果物があったしちょっと食べに行こうか」
やっぱり作業をしたからなのか、かなりお腹が空いている。動けば動く程消費量が多くなるのかな?
「はい、2人ともお疲れ様。これでも食べて」
『いただきます』
頑張った2人に果物のご褒美だ。いつもの料理じゃないから少し手抜き感があるかもしれないけど、甘い物が好きな2人なら、一仕事終わった後に果物となれば喜んでくれるかな?
『おいしい!』
「良かった。それじゃあ他の人にバレる前に火とメモを残しておきますか」
ログハウスから少し離れた位置で焚火を起こし、ログハウスの入口に大きな葉っぱを切り抜いて『自由に使ってください』とか書いておけば良いでしょ
「よし、それじゃあその辺の切り払った生の葉っぱを燃やせば煙が出るでしょ」
周りの木々はもうログハウスにしちゃったし、焚火をする場所は燃えない様に土を掘り起こしておいたから特に辺りに燃え広がる事も無いだろう
「さぁ、煙よ上がれ上がれー!」
煙を空に上げたらこの場から離れようか




