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1102/2019

お昼休憩

「とりあえず僕の番だけど……」

 着替えの場所に入ってみると、結構な数の服がずらりと並んでいる。この服の中から色々着るんだ


「あらぁ、これまた良い素材してるわぁ」

 この人がスタイリストさんか。僕どうしたら良いんだろう?


「えっと、着替えろって言われたんですけど……」

「そうねぇ。あなたなら……これとこれなんかどうかしら?」

「分かりました」

 時間は掛けない様に、スタイリストさんが選んだ物に着替える。山とかでも使えそうなパーカー?ジャケット?みたいな物と足のラインが結構しっかり出るタイトなズボン。まぁ、早朝のちょっと冷えてそうな時ならこのくらいが良いのかな?正直、服の事はそこまで詳しくないから今用意された服の名称とかも分からないから、とりあえず提示された物は着る方向で行こう


「着てみました」

「良いじゃない!あなた良いわねぇ。素材もしっかりしてるけど、ちゃんと服も活かせてるわ。服に着られてる感も無くて丁度良いわ!」

「ありがとうございます」

 服に着られてる感……確かに、モデルとかするならそれは良くないかもしれない。たまにファッションショーとか、もの凄い奇抜なデザインだとしても、モデルが服に着られてる感を出す事無く、歩いているのとか見ると、その服を自分も着てみたいって人の気持ちが分からないでもないし


「それじゃあ、行ってきます」

 着替えたけど、実際僕が撮られるとしても1~2枚程度だろう。あの2人に比べたら僕は霞むだろうし


「おぉ!良いねぇ!そそっ!その感じ!もう一枚!」

 既に着替えてポーズを取っている茨さんにカメラを向けてパシャパシャ何枚も撮っている。凄いなぁ?あれがプロか


「影人君のそういう服装を見たの初めてですが、似合ってますね」

「菖蒲さん程じゃないですよ?それに、本業の人に比べたら本当に一般人ですけどね」

 声を掛けられて振り向いたら、ジョギングスタイルな菖蒲さんが居た。やっぱり姉妹だからか菖蒲さんもモデルと言われても普通に信じられる雰囲気を感じる


「はい、姉妹で並んで走ってみて!」

「呼ばれたので行きます!」

「いってらっしゃい」

 菖蒲さんが行ったので、とりあえず待機用の折り畳みの椅子に座って、待っていよう


「んー!良いねぇ!姉妹揃ってると絵になるねぇ!」

 カメラマンの言う通り、なんというか2人で完成しちゃってる。僕も一応そういう服装を撮りたいっていうので呼んだのだろうけど、僕の出番は無いかもしれないな。せっかくの川の近くだし、ちょっと体を動かすという意味も込めて石切りでもするか


「よっと。うーむ、もうちょっと低い位置からじゃないとダメかな。もう少し丸みのある形で……」

 丁度良い石を探し、水面に可能な限り水平に近い形で投げ込む。野球選手のアンダースローをイメージして投げると良いかな。うん、しっかり体が動くって素晴らしいな!


「もう一回……あっ」

 中々良い記録が出たので、もう一回投げようと石を探していたら、撮影の人達が何かにやにやしながらこっちを見ていた。やっば、怒られる……


「勝手に抜け出してすみませんでした」

「いやいや、むしろ君の事を蔑ろにしていて済まなかったね。良かったら今のもう一度みせてくれないかい?」

「は、はい……っと!あ、失敗しちゃった」

 流石に罪悪感があって上手く行かなかった。うーむ、これでは良くないな


「いや、良いよ良いよ。そうだなぁ……君、一応撮影するって事で来てもらったから一応1枚撮らせてもらうよ」

「あ、はい」

 やっぱり、素人が付いてくるのは良くなかったかも……


「好きにポーズを取ってみて」

「えっと……こうで良いですかね?」

「うん、いーよいーよ!」

 分からないけど、多分ピースサインは良くないと思ったので、服を見せる様に両手を広げて撮影される。うん、かなり適当に撮られてる気がする


「オッケー!それじゃあ、君は好きにしていて良いよ」

「はい」

 実質的な終了宣言。素人が撮影に参加させてもらえただけ充分だ。こういう経験も出来た事に感謝しよう


「よし!それじゃあ2人の撮影再開するよ!」

「「はい」」

 それから、撮影は続いたが、場所を変えて、服装も変えるが、基本的に僕は自由にさせてもらい、暇になったら適当に服は汚さない様に遊ぶ様にしていた。2人とも真剣に撮影をしているから僕は邪魔しない様に少し離れた所に居るくらいが丁度良い




「よし、そろそろお昼にしようか。弁当は……」

「あ、僕は良いです」

「いや、君の分も用意してあるが……」

「自分で弁当作って来たんで」

 流石に今までの感じで僕もお弁当を頂くのはちょっと気が引けるし、せっかく作った僕のお弁当が無駄になるのも悲しいからここはロケ弁?は遠慮させてもらう


「待ってました!」

「来たっ!」

 2人ともお弁当そんなに楽しみにしてたのか


「ほいほいほいっと」

 3段重ねのお弁当を開くと、動物をイメージしたキャラ弁のお出ましだ。鳥そぼろライオンとか、パンダおにぎり、きゅうりの蛇とか、ソーセージ豚とか、動物園なお弁当だ


「「うわぁ……」」

「これマジ?」

「すっげ」

「ちょっと1枚撮らせて」

 周りに居たスタッフさん達もスマホを取り出してパシャパシャ撮っている。あ、この流れ絶対3人だけで食べるの無理だな



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― 新着の感想 ―
[一言] …ふむ、中性的ではあるけどぴっちりタイツはエロいw いけない扉を開く方々が続出するw と言うか、なにそのアニマル弁当!?そりゃ囲まれて撮影会ですわーw
[良い点] これは無自覚取高の予感
[一言] 望遠レンズで 「でゅふでゅふふふぅ〜♫いいねぇ、いいねぇ!」 「これだからカメラマンってやめられないんだ〜♪」 なんて言いながら隠し撮りしている姿。 しっかりと深淵さんにみられていますよ(笑…
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