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ピンチ?

「んー、あの木の実取れないかなぁ……」

 兎との戦闘が終わった後、森を進むと木の実が付いている木を見つけた。赤い木の実で林檎みたいだったので食べられるかなぁと思いながら木登りを敢行する


「よいしょ、よいしょ……うおっと!危ない……」

 何とか木の凹凸を利用しながら登るが滑り落ちそうになる。けど何とかしがみ付いて滑り落ちた分をもう一度登る


「ふぅ、何とか登れた……おぉ、近くで見たらより林檎っぽい」

 やっと手の届く範囲に林檎っぽい木の実があるので1つ取ってみる


『アプリンの実 程よい甘みがあり、食べやすい木の実』


 説明を見る限り林檎みたいだし、一口食べてみる

「やっぱり林檎じゃないか……」


 食べた感触も味も林檎だった。これならいくつか取っても良いだろう。だけど現実の林檎の木と違って木は高いし、1つの木に沢山なっている訳では無く、木1つに最大でも5個くらいしか実が生っていない。ならば木の実を取る為には何度も木を登るしかない


『スキル 【木登り】を取得』


 何本か木を登っていたらスキルを入手出来た。木登りを入手してからは凄く木が登りやすくなり、とてもありがたいスキルを入手出来たかもしれない


「さて、アプリンの実は結構集まったし、そろそろもう少し先に行ってみるかなぁ……」

「「「「「ウゥゥゥ!ガウッ!」」」」」


 流石に林檎、林檎言ってもアプリンの実と名称があるのだからキチンとアプリンの実と言うべきだろうと思っていたらいろんな方向から犬っぽいような声が聞こえた


「これはちょっとマズいかも……?」

 明らかに1匹ではない。まだ対多数には自信が無いからやり過ごしたい所だ。あっ!やり過ごす方法あるじゃん!


「「「「「ガウガウッ!」」」」」

「うわぁ……取り囲まれちゃったなぁ……」

 現在アプリンの木の上から下に居るオオカミ達を見下ろしている状態だ。早速役に立ってくれた木登りのお陰でオオカミ達が手を出せない木の上に逃れる事が出来た。やっぱ良いスキルだ


「諦めるまで木の上で待ってるかぁ……アプリンの実でも食べてよう」

 オーブさんから貰ったナイフでアプリンの実の皮を剥いていく。皮ごと食べられるけどせっかくナイフがあるなら皮を剥くのも良いだろう。器用(DEX)が多分高いからなのか結構綺麗に皮が剥ける


「「「「「ガウッガウッ!」」」」」

「ふふふーんふーん♪」

 木の下でガウガウ言ってるオオカミ達は木を登れないので木の上で鼻歌を歌いながらアプリンの実を剥く


「んー美味い!」

 アルターでは空腹度がある為、食事をずっと取らないとその内移動速度ダウンやステータス低下、果ては餓死という悪影響が出る。だからアプリンの実を集めてお腹が減った時に食べようと思っていたのだがアプリンの実が中々美味しいからこれでは食べるのが止まらなくなるかもしれない


「美味しかったー。とりあえずここで一旦休憩しよっと」

 オオカミ達が下に居るので降りる事は出来ないけどアプリンの木の枝はそれなりに太くて腰かけてても全然折れる気配がしない。中々がっしりとした作りで丁度良い所を探すと寝っ転がれそうな配置の枝もあったのでそこに寝っ転がる


「オッケー良い感じだ。よし一旦ログアウトしよう」

 木の上でログアウトしようとするとセーフティエリアではない為ログアウトまで1分間お待ちくださいと表示が出た。後その下に警告としてセーフティエリア外の為、ログアウト中も体はその場に残ります。本当によろしいですか?と出ていたけどどこがセーフティエリアなのか分からないからどうしようもないじゃん……


 1分間待ってログアウトする


「とりあえず一旦家事をやってからもう一度ログインしようかな……」

 寝坊してごちゃっとしたままログインしたけどもう一度ログインするにしてもどうせオオカミがまだ待ってるだろうし、やり残した家事とかをやってしまおう




「よし!終わった」

 1時間ちょっとで家事が終わったのでもう一度ログインしよう。流石に1時間も……あぁそっか。アルターだとえーっと3倍かな?3時間も届かない獲物に固執するより地面に居る兎でも追っかけた方が絶対良いだろう




 ログインし直すと白い空間に繋がった

「ハチ様、初っ端から飛ばしますねぇ?」

「そうかな?」

「まぁあまり干渉するのも良くありませんし、今度からはここを通さず直接アルテアにお送りします。あ、それとハチ様に成長ポイントの説明を忘れていましたね」

 相変わらずお茶目に忘れるオーブさんだ。でも今度からここを通らないってもう来られなくなっちゃうのかな?


「成長ポイントもそうだけど、ここに来れなくなっちゃうの?」

「厳密には来られない訳では無いのです」

「ほうほう?」

「この空間を通るのが、その、とても不評でして……ゲームメニューに新たにプラクティスのメニューを追加しました。選択をする事でこの空間に来る事が可能になります」

「そっかぁ……不評だったんだ……でもこれから毎日でも……」

「ハチ様、来るにしても3日に1回程度にしてください。私にもゲームの進行を遅れさせてしまうという罪悪感があります。ハチ様の場合は特に意味も無く1~2時間はここに居てしまう可能性が多大にあります」

「そ、それは……あり得るなぁ……」

 確かにガイドのオーブさんがゲームの進行の邪魔をしたらそれはある意味矛盾した存在になっちゃうのかなぁ……


「分かったよ……3日に1回程度にする。それで成長ポイントって?」

「レベルアップ時に職業によって成長しやすい能力の他に自分で成長させたい能力に割り振るポイントが入手出来ます。そのポイントは振り直しにとても貴重なアイテムが必要になりますので良く考えて割り振って下さいね?とお知らせするのを忘れていました。まだレベルアップ前だったので間に合いましたよー。ふぅ」

 オーブさん。信頼してくれるから冗談とかポンポン入れてくるけどその情報何気に結構大きい情報だよ?



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― 新着の感想 ―
[一言] オーブの部屋、マイルームみたいな名前で簡単な改装ができればそこまで不評では無い……かったかもしれない?
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