森羅の巫覡装
---------------
森羅の巫覡装
MP +200
DEX +50
AGI +80
MIND +150
レアリティ ユニーク
耐久度 破壊不可
特殊能力 森羅の神楽舞(この装備を着て踊る事で、周囲の物が成長したり、品質が向上する)生存戦略(逃走と隠密時にボーナスが発生。周囲にプレイヤーが居る場合はヘイト率低下、居ない場合は感知能力が上昇)
人と神を繋いだ者への自然の神からの贈り物。この衣を纏えば自然は全て貴方に味方するであろう
---------------
「わぁ……」
言葉を失うというか何というか……多分だけど、この森羅の巫覡装は【森羅の神楽舞】は巫女服状態が、【生存戦略】は迷彩服状態がより効果を発揮するとか有りそうだな……にしても生存戦略か。逃げる、群れる、隠れるだったかな?とにかく被捕食者が生き延びる為の事に対して効果が発揮される様な感じなのは、中々嬉しい
「気に入ってくれたか」
「はい!それはもう……というか良いんでしょうか?」
「なに、人との繋がりを持てた事への礼と先程の飴の礼だ。これで足りるであろう?」
そりゃあ、こんな物を貰って足りないなんて言う人はまず居ないと思うけど……
「せっかくだし、能力を使ってみたらどうだ?」
「能力……って言うと【森羅の神楽舞】の方?」
「せっかくならやってみてくれよ。神様から頂いた物がどんな能力があるのか気になる」
ウカタマとサイバさんに見せてくれと言われたけど、神楽舞なんてそもそも踊れる気がしな……あっ
「んー、とりあえずどうなるか分かりませんがやってみましょう。成長したりって言うなら、さっき植えたてん菜の所に行ってやってみましょうか」
これなら成長とかの判断がしやすいだろうし
「そういえばこんなスキルも取れてたな」
様々な踊りに関する事にボーナスを得る【舞術】このスキルはハスバさんと女性になってサーディライでのダンスパーティーに行く前の準備中に入手してた物だ。このスキルの効果で何となくの神楽舞でも、それっぽい形にはなってくれるんじゃないかな
「よし、それじゃあ早速やってみてくれ」
「はい……でも、神楽舞ってなんか扇子とか、大幣とか、鈴とか持ってるイメージだけど……」
とりあえず、巫女服状態にはしたけど……うーむ、何も持たない神楽舞とか有るのかな?何か代わりになる物でも持っていた方が良いか?
「よし、ここは!」
「「「は?」」」
フィフスターを取り出して、大幣の代わりみたいな感じで踊ってみよう!
「「「…………」」」
急にスコップを取り出したから皆ビックリしたけど、僕が踊り出したら皆黙った。天に願う様に、大地に感謝するように、頭の中での感謝や願いを思い浮かべて、体でそれを表現しようとすると、【舞術】のお陰か、流れる様に踊れる。多分同じ振り付けでまた踊れと言われても難しい気がする
「「ほう」」
「すげぇ……」
音楽も何も無いハズだけど、木々のざわめきや、鳥の声、せせらぎの音などが何か奏でてくれているような気もする。そして当たり一面から緑の粒子が……緑の粒子!?
「えっ?」
緑の粒子が植えているてん菜や、周りの木から出て、僕の周りを回っている。これって、【森羅の神楽舞】の効果が発動しているのか?
「凄いぞ!植物がみるみる育っていく!」
サイバさんが驚いているけど、流石にウカタマ程の速度では無い。でも、これだけ急速に成長するのは凄まじい生命力を感じる
「……」
神楽舞を終えると辺りに浮いていた緑の粒子が戻っていく。あの粒子が効果が発動しているかどうかのサインみたいな物か
「素晴らしい舞だ」
「良いねぇ。ハチこういうのも出来んのかぁ」
「分かんないです。正直、今初めて踊ったし、どういう振り付けだったかもあんまり覚えてないんで……」
「であれば、心からの舞だったという訳だ。形の決まっている物も良いが、そういう心からの舞というのも嬉しい物だ」
「喜んでいただけて何よりです」
神様からの感謝の言葉も嬉しい物だ
「最初にスコップを取り出した時は何をする気かと思ったけど、途中からは普通にスコップが何か神聖な錫杖みたいな物に見えてきたもんなぁ」
それは錫杖に対して失礼な気がするな……
「流石に錫杖では無いですけど、自然との繋がりを考えると、この道具が一番関わりがあって、良いかなって思いまして……」
周りの自然がどう捉えるかは分からないけど、この場で用意出来る精一杯の道具がスコップだったからなぁ……
「まぁ、どんな物であっても、しっかりとした舞になっていたのだから構わないだろう」
「最初はスコップ使って踊るとか吹き出しそうになったけど、こういうのもアリって思えるのがすげぇわ。やっぱハチはタダモンじゃないねぇ?」
うりうり~とウカタマが肉球で頭を撫でてくる
「多分これでてん菜もすぐに収穫出来ると思うので、飴作り頑張ってみてください」
「あぁ、これなら上手く使えば酒も……」
「ん?」
「あぁいや、これからも山の神様への奉納品が作れるぜ!ありがとうな!」
……追及はしないでおこう




