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改名

「戻ってくるの超便利だなぁ!」

 魔硬貨を投げる、当てる、弱い奴ならこれで倒せるし、もし倒せなくても僕の手に戻って来てまた投げつけて攻撃が出来る……これで僕に対してのデメリットがお金を入手出来なくなるだけだ。街にほとんど行かないならお金を使わないとほぼ同義だ。正直僕にはデメリットが無いと言っても良いレベルだ


『【投銭術】 硬貨を投げつけてダメージを与える事が出来る。DEXの値が高ければ命中率と威力が上昇する。価値が高い硬貨を使用すると魔力ダメージが付与される』


 改めて【投銭術】の説明を見てみる。そういえば『価値が高い硬貨』って書かれているな……買い物とかで使うお金は値段が高ければ威力が上がるのは四剣の王戦で確認済だ。貧呪の魔硬貨の方は威力は多分変わっていないから投げつけて価値が変わるとかは無い……うーん、これ多分レアリティが価値として判断されてるのかな?


「威力的にも馬鹿みたいに高い訳じゃないから耐久値を参照にしてるとも言えないし、これはレアリティが一番怪しいよねぇ?レアリティがカースドっていう見た事無いものだし」

 流石にデカい敵相手だと一撃では倒せないけど何発か急所に当てれば倒す事が出来た。強化無しでの僕の掌打くらいの威力が出てる。これレア度が高いのか低いのか良く分からないな……


「よし、一旦戻ろう」

 色々倒してナイフを突き立ててみたけど1Gも落ちなかった。うん、別に使わないから良いかな




「戻りましたー」

「おう、ハチ。大丈夫だったか?」

 アトラさんが心配そうにやってくる


「いやぁ、最高ですよ!」

「は?」

「呪いのお陰で戻ってくるんですよ!これ!」

 若干興奮気味でアトラさんに貧呪の魔硬貨のレビューをする僕


「威力も中々あるし、手元に戻ってくるからいちいち投げた後探しに行く必要も無いんですよ!お金が貰えない程度のデメリットの代わりにステータスが10%アップしたりと、これ本当に凄いですよ!」

「お、おう……」

 さっき自分の腹から取り出したとは思えないレベルで愛着が湧いている。むしろ腹から取り出したからこその愛着?僕の子?……まぁ冗談はこれくらいにしておこう


「とりあえず、呪いを解くのは諦めます。というかこのままが良いです!」

「お、おう……ハチがそれで良いのならそれで良いが……呪いが嫌とは思わないのか?」

「これを解呪するなんて勿体ないですよ!もう僕専用と言っても過言じゃないです!これは良い物だ……」

 人によっては全くそうは思わない人も居るだろうけど僕にとってはお宝レベルの良い物だ


「呪いのアイテムを良い物だって言う奴はそうそう居ないと思うがな……」

「よーし!次は木のお皿とか作ってみようかな?」

 アトラさんが小さく何か言ったと思うけど多分大した事じゃないと思ったのでスルー。木のお皿を数枚作ってみようと考える。せっかくフライパンを貰ったんだし、それで作った料理を盛るお皿を持っていなかった事を思い出したので次はお皿を作る事を考える


「あぁ、ハチ。せっかくだからこれをやろう」


『特殊スキル 【魔糸生成】 を入手しました』


 アトラさんが僕にスキルを渡してきた

「これは?」

「魔力の籠った糸を出す事が出来るスキルだ。結構融通が利くから使い方次第で色々出来るぞ?」


 とりあえず確認してみよう


『【魔糸生成】アクティブスキル MPを消費する事で糸を出す事が出来る。MP量を増やす事で性質を付与する事が出来る』


 こういう説明が雑な奴は色々工夫が出来る事が多そうだ

「ありがとうございます。でもなんで急に?」

「ハチが村から出て行って帰って来るまでにヘックスがこの村に移住するだ、なんだ起きてな?アイツの性分から実質儂の下につくような事はしないと思っていたのだが、『ハチが帰って来た時にすぐに会えるからな!』と自分の家まで作ってしまったりと色々と……」

「アトラさーん?話逸れてますよー」

 前提が長くて本筋に行くまでめちゃめちゃ時間掛かる奴だと思ったので止めた


「おっと、済まない。まぁなんだ……ハチを見ていたら何をしでかすか分からないから危なっかしいがコイツに自分の持っているスキルを与えたら何をするんだ?と興味が湧くのもまた事実。そしてハチならば悪用はしないだろうという信頼だ」

「信頼……」

 アトラさんは僕を信頼してくれているからスキルを渡してくれたという事だ


「ところで、村を拡張するのにどうせなら村の名前もしっかりした名前にしようと思ったんだが、誰か良い奴は居ないかなぁ?」

 わざとらしく言い、チラチラこっちを見てくるアトラさん


「僕も一緒に考えようか?」

「おお!それは頼もしいな!」

 最初からそのつもりだったんでしょ?とは言わない。僕だって空気は読む


「皆で決めるの?」

「いや、既に皆の意見は決まっている。皆、ハチのネーミングセンスに任せるとな?」

「めっちゃ重要な事を僕に丸投げしてくれるねぇ……」

 村の名前を決めるってマジで会議して決めるべきだと思うけどそれを僕が一人で決めるって大変だよ?


「んー、この村の名前かぁ……」

 悩む。やっぱりハグレ者の村って結構しっくりきてたところも有るからそのままでも良いんじゃないかと思ってる。でも皆が僕に任せるって事は変えたいって事なんだろう


「ハチ、頼む。良い名前を出してくれ。ハチが希望の光なんだ」

「ハグレ者、光?アストレイ……ライト……アストライト?」

「ん?今なんと?」

「アストライト。アトラさんは僕を希望の光って言ったけど、僕にとっては皆の方が僕にとっての光なんだよ」

 このゲームで最初に出会ったアトラさん。その光に連れられて僕はこんなにも光っている皆が居るところに来ることが出来たんだ。その光を村の名前の中にこっそり紛れ込ませたりの意味も込めてのアストライトだ


「アストライト……良い響きだ。皆もそれで良いか?」

「「「「「「「「異議なし!」」」」」」」」


 いつの間にか周りには皆が居た。僕が気が付かなかったって事は隠れてたな?


「では、今日からこの村はアストライトと呼ぶ事にする!」


『称号 アストライトの名誉村民 を入手しました』



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[一言] 称号が入らなかったの 村の名前がないからか
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