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極限に備えて

「皆ハチさんに感謝してますよ!」

「それは良かったです。とりあえずのやり方としてこういうのがあるって知っているだけでも全然違いますから」

 使う使わないは別として、こういうやり方があると知っていれば、いざという時に使えるかもしれない


「多分ですけど、基本は何かしらの魔法とかでどうにか出来る気はします。ただ、こういう事も出来るって覚えておけば、それこそ魔法やスキルを封じられたなんてなった時に、焦らないで対処出来るかなって。焦りはパニックに繋がりますし、自分の知らない土地でパニックになったらそれこそ命に係わりますから……」

 パニックになって海の水を飲むとか、毒があるか分からない物を食べたりして体調を崩してそのまま死に繋がるとかもある。危機的状況だとしても、それに対処出来る方法を知っていればパニック一歩手前で立ち止まれる


「とりあえず、講習としてはこんな物かなって思いますけど……」

「ありがとうございました。凄く為になりました!」

「いえいえ、それじゃあ僕はこの辺で」

 アイリスへの講習も終わったし、そろそろアレにチャレンジしてみますか


「次は何をするんですか?」

「え、あぁ……ちょっとアイリスさんには刺激が強いかなって」

 流石に今からやるのをアイリスさんにもやらせるのはちょっとどうかと思うし、ここは素直に話して帰ってもらった方が良いか?


「刺激が強い?」

「無人島で何が食料になるか分かりませんし、体を慣らすみたいな感じで芋虫とか少し食べてみようかなって……」

「いもむっ!?」

 そりゃあそうだ。ちょっと芋虫食べてくるなんて普通は聞かない言葉だろうなぁ……


「流石にアイリスさんに僕が芋虫を食べてる所は見られたくないなって」

 羞恥心じゃないけど、わざわざ人に芋虫を食べている所を見られたいとは思わない。まずはお試しという事でやるだけだし、安全性も担保出来ない


「芋虫……」

「どんな所に飛ばされるか分からないんで、残りの日数で色んな野生の物を食べておこうかなって」

 もしかしたら砂漠みたいな所に飛ばされるかもしれないし、雪山みたいな所に飛ばされるかもしれない。無人島だからと山があって、森があってとは限らないからファステリアスからシクサームまで移動しながら色々野生の味を調査する位の気持ちで行こう


「という訳なので、アイリスさんとはここでお別れです。さようなら!」

 色々な物は見せたからもう大丈夫だろう。これでイベント当日にある程度の人はサバイバルの知識が少し入っている状態で挑めるな




「良い感じの木陰で地面を掘って……うひゃぁ、出てきた」

 アイリスさんを置いて、少し離れた所で地面を掘ったら、何となくチョココロネみたいな芋虫が掘れた


「これ食べるのは中々勇気が要るな……」

 とりあえず鍋で焼いて食べてみるか。生で食べるのは流石に……


「一旦、近くの水場で洗って、鍋で焼くか」

 芋虫を洗い、火を起こして鍋で炒る


『焼きイモムシ 焼いたイモムシ 空腹度3%回復』


「味の説明無し……いざ!いただきます!」

 焼いたイモムシを食べてみる。断面とか見たくないので1口で行く!


「ん?ピーナッツ……いや、味の薄い卵焼きっぽい?」

 初めて食べたイモムシだけど、意外と薄味でイケるかもしれない。見た目がマイナスなだけで、味は普通に美味しい。塩とかかければもっと美味しくなるかも


「侮りがたしイモムシ……ご馳走様でした」

 イモムシが食べられたから僕も「これは貴重なたんぱく質です」って言えるな!


「これは他の所でも色々食べてみないと分からないな。よし!最初に考えていたヤバさに比べたら全然だな!」

 想定していた物と比べたらイモムシはかなり美味しい部類に入ったかもしれない。もっと他の食材になりそうな物は片っ端から試してみよう!あ、ついでにホフマンさん用にもう少しだけイモムシ取っておこう


「よし、イモムシは美味しかったから次は何処に行こうかな」

 偏見は良くないな。アンコウみたいに見た目が良くないとしても、食べたら美味しいなんて結構あり得るからもうちょい攻めた物とかも食べてみるか


「魔蟲の森は……いや、あそこの森で虫を倒して食べるのは良くない気がするな。芽とか葉っぱとかも試してみるか」

 食べられる木の実では無く、木の芽。葉っぱなんかも食べられれば、木の実が無くて食料が見つからない……なんて状態でも、まだ何とか出来たりするだろう


「樹液とかもチャレンジしてみようかな……」

 そりゃあ白米とか食べたいけど、そういう上等な物はまず無いと想定して動かなきゃなぁ


「サボテンとかも確か食べられるだろうし、森、荒野、砂漠、雪山、火山と色々想定して食べ物を探してみようか。あ、あと海も」

 どんな無人島に送られるか分からない。あと、運営が僕に対して挑戦状みたいに小さいバッグにしてきたという事は、それこそ最悪、木も何も無い岩だけの無人島に送られる可能性だって考慮しないといけない。まだ時間がある今の内に色々試しておこう!


「それじゃあ食べられそうな物とか探していきますか!」

 味付けのしっかりした物も美味しいけど、極限状態で食べるご飯も美味しそうだな



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― 新着の感想 ―
[一言] ベア・ハチルスの発生である?
[一言] 野生児からイモムシを差し入れされるホフマンさんよ
[良い点] この大魔王様ならGのスタンピードを「たんぱく質詰め放題だー!!」くらいまで言いそうな信頼感がある
感想一覧
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