準備したい物
「いやぁ、凄いなコレ!これ1本でマジで何でも出来そうな気がする!」
探せば探す程、色んな機能が出てくる。しかも、やろうと思えばフィフスターに追加で物を足す事で更に追加の効果も持たせる事が出来そうな気がする!
「ポールを外せばこれだけ小さくなる……パンドーラと、フィフスター、清魔過の雫石、料理人の布巻き、あと服をどれか一着持って行く……よし、入るな」
僕に用意された小さいリュックだとしてもこの5つに限ってしまえば持ち運べる。一応このサイズなら呪博徒の耳飾りも入れられそうだ
「マントは無理だけど、これだけ入っていればかなり無人島でも動けるかも」
正直服を入れる事を考えたら中々厳しいかもしれないけど、これだけ入れば充分だ
「あとは無人島に備えて体を慣らしておこうかな」
無人島に行くなら今から無人島メシという訳じゃないけど、欲張り調味料セットを入れようとしたら流石にバッグから溢れる。調味料とかをあまり使わない様にまた何処かの森に籠って少し節約の気持ちを取り戻しておこう。無人島って事なら、海から海水を取って来て、塩とかも作れるだろうし……服を抜けば欲張り調味料セットも入れる事は可能だろうけど、調理関係で半分以上バッグの容量を持って行かれるのはマズい。持ち込むにしても、塩と醤油を1ビン持ち込めるかどうかって所かな……
「5日間、しかも何人いるか分からないからそれなりの数を持って行くか、最初から持ち込まないかの2択なら持ち込まない方が平和そうだな」
食べ物だけで考えれば人数次第で不公平が起こる。それを考えたら調理キットは持ち込んでも良いが、直接口に入る物は持ち込まないのが安全だろう。そうだな。最後に飲み水にした物が飲めるように水筒だけ用意しておけば良いかな?袋タイプの水筒なら最初に水を入れなかったらペッタンコに潰して持ち込めるだろうから、一応入る。多分これでバッグに詰められる物が最後になるだろう。柔軟性を考えれば水を弾く風呂敷みたいなのが理想なんだけど……
「いや、水筒にならなくても、単純に水を運べるようにする畳めるコップみたいな物の方が良いか?」
10秒で食べられるゼリー飲料みたいな感じなら水筒的な役割も果たせそうな気がする……そういう事なら森に行く前にちょっと話を聞いてみるか
『ドクター。今お時間ありますか?』
『どうしました?何かありましたか?』
返答が来た。ドクターはどうなんだろう?今回のイベントに出るのかなぁ
『一度会えませんか?ちょっとイベント前にご相談したい事が有りまして』
『分かりました。それでしたら、どうでしょう?私の研究室に来ませんか?』
『おっ!面白そうですね!是非行かせてください!』
ドクターの研究室なんて行きたいに決まってる!どんな物があるのかなぁ
『分かりました。それでしたら、セカンドラに来てください』
『セカンドラですね。今から向かいます』
セカンドラの何処にドクターの研究室があるのか、楽しみだなぁ
「えーっと、ドクター、ドクター……居た」
「ハチさん。こっちです」
セカンドラに行くと、ドクターがちょっと影から手を振って待っていたので、ドクターの所に向かって行く
「こんな所でどうしたんですか?」
「実は、ここの研究室は少し特殊でして……入る所をあまり他の人に見られたくないんですよね」
「なるほど。では、コッソリと移動しましょう」
ドクターはどうやらかなり特殊な研究室を入手した見たいだな
「ここです」
「ん?特に何もありませんね」
見た所、セカンドラの武具や防具を売っている店とは少し離れた所の奥まった所に来たけど、研究室らしき所は見当たらない
「では、行きますよ」
ドクターが何か特殊な鍵を路地に面していた窓に対して使用したら、地面にあったマンホールの蓋らしき物が開いた
「こ、これが入口ですか!」
「はい。では、人が来ない内に……」
2人でマンホールの穴の中に降りると自動でマンホールの蓋が閉じる。中々に隠れ家チックだ
「実は、この先に研究室があるんですが、そこが所謂売地みたいな状態の所の1区画を購入したんです」
「売地……この秘密空間がですか!?」
「はい、何やら、特別なクエストをクリアした極一部の人が店等を購入したいとなった時にここが紹介されるみたいなのですが……あそこです」
確かに、地下の道を歩いて行くと目の前に薬品フラスコやら試験管らしき物が大量に並んだ棚や机が見えてきた。あそこがドクターが買った所なのか
「わぁ、地下で隠れて色々薬品実験をするとか滅茶苦茶ロマンありますね!」
マッドサイエンティスト味溢れているけど、地下で野晒しはちょっとなぁ……
「今、やっと纏まったお金が入って、ここの売られていた場所をこれから全て購入しようと思っていた所だったので、他の人にあまりここは見られたく無かったんですよ」
という事はここを買いたいと思った人に存在がバレたら他の区画を買われると思ったからあんな風にコッソリ移動しようって言ってた訳か
「一応、つけられてないかは確認してましたが、それは無かったですね」
【察気術】で周りを確認してたけど、それは無かった
「良かったです。ではせっかくなので見て行きませんか?」
「何をですか?」
「研究室が建つ所をです」




