意見を求める
「こんな感じでどうでしょう?」
現実で見た事がある色々使える軍用スコップを元に、普通なら壊れやすそうな機構かもしれないけど、さっきのメモで何らかの特殊合金を作れたと仮定して、纏められそうな物を含めて、設計図を描き上げた
「な、なんだこれ……凄いノネー!」
「こりゃあ凄い。若いモンの面白い発想だ」
「武器……と言えなくもないが……様々な機能を詰め込んだ便利道具か」
「これが……スコップだと!?」
「なるほど……普通に作ろうとすると中々難しいかもしれないけど、さっきの情報を合わせて考えればこれも作れない事はないと。思っている訳だね」
「はい、これを形にするには、ただ硬いだけでは無く、色んな金属の性質が必要になるんじゃないかと思って、ここの炉で合金を作る為の物が必要になるかなと……」
自分以外にも貸して使わせる事を考えると、僕自身が使えるからと機能を色々省いたりするのは勿体無いだろう
「どうだろう。ハチ君。そのスコップを作るのを私に手伝わせてくれないかな?」
「おぉ!その話ワタシも乗るノネー!」
「俺も乗ろう!若い奴が考えた面白れぇ物を俺も作りてぇ!」
「武器とは違うかもしれんが、ワシも手伝おう!」
「お、おい……」
なんだか4人は既に乗り気みたいだ。手伝ってもらえるのはとてもありがたいが……せっかくなら全員に手伝って欲しいな?
「不躾なお願いですが、良かったらあなたも手伝っていただけませんか?先程の剣。私は本当に一瞬しか持てませんでしたが、貴方の打った物は信念みたいな物を感じました。武器でなければ僕も持つ事が出来るのですが、ダメでしょうか……」
皆で協力して1つの事をやるって凄く楽しいと思うんだけど……どうかな
「断るとは言ってねぇよ……手伝ってやるから」
「ありがとうございます!」
5人協力してくれるというのはとてもありがたい
「どうですかね。とりあえずの設計図としてコレを提示しましたが、何処か直した方が良い場所とか何かありますかね?」
まずは情報を共有。そして、改善案を募る
「それなら、刃先だけとかスコップの面部分で材質を変えたら良いんじゃないか?」
「これは全て、同一の金属で作ってしまうと、道具としてはかなり重い物になってしまいそうだし、全て同一の合金で作ろうとしたら、かなりの量の金属を消耗してしまうから、持ち手部分も金属は替えた方が良いんじゃないか?」
「どんな金属でも合金に出来るとしても、下準備に大量の金属が必要そうナノネー。だから、全部を合金にするよりも、既にある金属を使うのが良い気がスルネー」
「スコップの基本素材はここにある物を使えば良いと思うが、わざわざ合金化させる為の物なら現世で集めてきた方が良いだろ」
「まぁ、まずはその合金生成の物質がどんな物かまず見てみるべきだろ」
確かに、まずはどういう物かを確認するべきだろう
「じゃあ、一度現世に戻って、金属を取ってきます。ここで一旦合金にしてから、その合金を蒸発させて、どのくらい得られるかを確認するという事でよろしいですか?」
「「「「「あぁ」」」」」
よし、じゃあ金属を集めますかぁ!
「まずは空島の鉱山で集められるだけ集めるか」
鶴嘴は一応あるからそれを使って掘って、金属を集めるとして……他の鉱山というか坑道の情報とかを探さないと……
「呪いポストは……まだ特に無しか。やっぱり呪いのアイテム自体そうそう数がある物じゃないのかな」
坑道に行く前に一度呪い情報ポストを見てみたけど、何も入っていなかった。イベントも始まるって時だし、呪い情報もそこまで集まらなくても仕方がないか
『チェルシーさん。現状分かってる鉱山、坑道って何処にあります?公開情報で良いんで、教えてくれますか?』
こういう時には情報屋のチェルシーさんだ
『一応、各街の周辺には鉱山や坑道の類はありますよ!ただ、セカンドラが一番近くて、それ以外はちょっと離れてますが……ところでハチさん!この前の情報はどうだったんでしょうか!』
なるほどね。一応どの街でも掘れる場所はあるのか。おっと、そういえばお知らせしてなかった
『チェルシーさんから頂いた情報ですが、残念ながらハズレでした。なので、残念賞のキャラメルかフルーツ飴ですね』
とりあえずこれで良いかな
『ぐぬぬ……ハズレでしたか。分かりました。今度フルーツ飴を頂きに行きます!』
『またの情報をお待ちしております~』
よし、じゃあまずは場所が分かっているセカンドラの鉱山に行くか
「さて、集めるぞー!」
鶴嘴で鉱石を集める。【付呪】で魔改造された紙のメダルのお陰で地面に座れば消費した耐久値も回復出来るからドンドン掘れるぞー!この耐久値回復効果も、【付呪】で移さなければ森賢人のスカートを履かなきゃいけなかったから、1面ボスのオランウータンのスカートを履くという、中々絵面的にキツイ物になりそうだったのが、紙のメダルに変わってるだけでかなり精神的に楽だ。ジャンジャン鉱石を集めて冥界送りだ!




