過去の偉人達
「あ、居た居た。死神さーん」
「おやおや。情報は聞いて居ましたが、実際に会うのは初めてですかね?」
沢山居る死神さんの内の1人。丁度冥界に入った時に見かけた鎌のバッヂを付けた紅茶とか似合いそうな死神さんに声を掛けてみた
「このメモに、この世ならざる所にある炉でなければ作る事が出来ない物があるみたいな事が書いてあったので、ここに来てみたんですけど……金属とかを熔かせる炉ってありますかね?」
「おやおや、そんな情報を何処で得たのやら……ありますねぇ」
やっぱりあるんだ。ただ少し思ったのは、炉が大事なのか、この世ならざる所が重要なのか……特別な炉だからその現象が起きるのであればここで、炉の素材を集めて特殊な炉を作るなんて事も考えられるけど……場所が重要だった場合はココに物を持ち込んで作業する必要が出てくる。そうなると他の人に怪しまれるかもしれないんだよなぁ……
「とりあえず炉って僕でも使って良いんでしょうか?」
「おやおや、それはどうでしょう?ここの炉は生前鍛冶をしていた人達が色々やっているので、順番が回って来るか分かりませんよ?」
なるほど、炉は順番制か。確かにそれは僕が使えるかも分からないな。一応見るだけ見させてもらえるかな……
「見学だけなら問題ないですかね?」
「それなら問題はないでしょうねぇ。見るだけならあの方達は何も言わないでしょう」
怖い人達なのかなぁ……一応どうなるか分からないけど何も持たずにまずは見学しに行ってみようか
「あなたであればあちらの方に向かえば、そのまま鍛冶をしている人達の所に向かう事が出来ますよ」
「分かりました。それじゃあ行ってみます」
すんなり通してくれるのは、死神さんのお手伝いをしているからかな?言われた方に向かってみよう
「あっちの方向……ファイトクラブとは全然違うな」
ここにくる人達は基本ファイトクラブに向かう事になるだろうから別方向っていうのはある意味安心かな
「さて、言われた方向的にこの扉の先かな。どんな人達が居るのか……」
緊張しながら大きな扉を開ける。これかなり重いぞ!?
「レジー、ちょっと手伝って貰えるかな」
「あぁん?開かなくてムカついてんのか?仕方ねぇな。手伝ってやるよ」
憤怒の狂枷であるレジーを人化させて、扉を一緒に開ける。普通に協力してくれるし、レジー優しいな
「中々重てぇ扉だな!」
「そう、だねっ!」
何とか2人で扉を引っ張って開ける
「よし、んじゃ戻るわ」
扉が開いたので、枷に戻るレジー。開いた扉の先に進んでみると、その扉の中には数人の幽霊らしき色んな種族の方が居た
「ハッハッハ!やはりワシが見つけたこのグランタイトこそ至高!」
「全く、最近の若い奴は……」
「あんな物で喜んでるとは、まだまだ若いな」
「何でもやり方次第ナノネー」
「私にはあの鉱石よりももっと良い物があると思うが……」
人間、虎?獣人、ドワーフ、鬼のどう見ても全員お爺ちゃんな感じなのに若いとか言われてる。1人その人達に比べたら若いエルフっぽい人が混じってるけど、髭とか生えてるし、実は一番古株な可能性も排除出来ないな……
「すみませーん……」
「「「「「ん?」」」」」
「あの、ここって……冥界の鍛冶場で間違いないでしょうか?」
「あぁ、そうだが。君は何者かな」
エルフっぽい人が対応してくれるみたいだな。とりあえず失礼の無いようにしなきゃ
「どうも。僕はハチと言います。縁あって死神さんのお仕事をたまに手伝ったりしている者で、色々調べていたら冥界の鍛冶場について少し気になる情報を入手したので、まずは見学させていただけないかと思って来ました」
「なるほど?」
まぁ、しっくりは来ないだろうな
「まぁ、見ているだけなら良いか。邪魔はせんでくれよ」
「はい」
人間っぽい人はまた金属を打ちに戻る。さっき言ってた金属を何に仕上げるんだろうか?
「まだ生きている客とは珍しいな。それに儂の孫より年下に見える」
「む?おい、ハチと言ったか?武器はどうした?持っていないのか?」
「わざわざこんな所まで見学に来たいとは誰かのファンって奴ナノネー?」
獣人、ドワーフ、鬼鍛冶師の3人がこっちに詰めてくる。久々のお客さんだからみたいな感じかな
「武器は無いですね。それと、非情で申し訳ありませんが、ここに居る方を僕は誰も知りません……ごめんなさい」
「何だとっ!?」
そう僕が言ったらさっき金属を叩こうとしていた人間の方が急にこっちに向き直った
「この場に居る五鍛冶を知らないだと!?」
「正確には死んでるから元五鍛冶だな」
五鍛冶かぁ……何とも凄そうな肩書だ
「すみません。街で買い物とかも特にしないので、どうしても名工の方とかの話には疎くて……あと、本当に最後に頼れるのは自分の体なので」
「「「「ぷははははっ!」」」」
「笑ってる場合じゃないだろう!この若い奴にしっかりと教えてやらんと!」
この人間の人の反応からみるに、五鍛冶というのがとても名誉な事なのは分かる。でも、関わりが無かったら、王様だとしても知らない物は知らないのだ。普通に生活していても、急にセネガルとかアゼルバイジャンの大統領は誰?と聞かれても答えられないみたいな……
「昔の事を言って聞かせるよりも見学したいと言っているのなら見せてやるのが一番ではないだろうか」
「そうだそうだ。鍛冶師なら口で語るより見せた方が良いだろう」
「どうせ減る物でもナイネー?」
「丁度良いじゃないか。この者の目にどう映るのか。面白そうだ」
「良いだろう。よく見ておけ!」
なんだろう。悪い人では無いのかもしれないけど、どうしても態度的な面でしょぼい人に感じちゃうなぁ




