呪いのアイテム
「よし、この村に住むんだし、これも恒例行事?なんだろう?」
「-----!」
ヘックスさんとピュアルから返してもらったアミュレットを見てみる
---------------
アストレイ・オブ・アミュレット
レアリティ ユニーク
STR +80
DEF +50
INT +90
MIND +60
AGI +130
DEX +150
耐久値 破壊不可
特殊能力 HP、MP自動回復(大) 身体系状態異常超耐性 採取の目(※1) 電磁防御(※2) 欺瞞(※3) ジャミング(※4)
(※1 採取をしなくてもアイテムの情報を確認出来る)(※2 遠距離からの攻撃に限り、30秒間自動で防ぐ事が出来るシールドが発動する。一度発動すると1時間再使用不可)(※3 戦闘状態に入っていない場合、ほとんどの敵に先制攻撃される事が無くなる)(※4 探知、察知、誘導系のスキルや魔法等で発見されなくなる)
ハグレ者達の想いが詰まった結晶体。思い出や信頼が形となったとても貴重なアミュレット
---------------
返ってきたアミュレットは若干の数値が向上して、新しい能力が追加されていた
「ヘックスさんもピュアルもありがとう!」
「なに、ピュアルの件での礼もあれだけでは足りないと思ってたからな。これくらいお安い御用さ」
「------!」
ありがたいけど今の主役はヘックスさん達だから申し訳なさが凄い
「さ、続きだ続きだ!」
僕のアミュレットの性能強化が終わって肉を食べに戻るヘックスさん達。戻らないとドナークさんが全て食べ尽してしまいそうな勢いだったからちょっと焦ってたな……
「アトラさん」
「ん?どうしたハチ?」
アトラさんに話しかける。そろそろ放置していたあの問題について解決しなければならないだろう
「この新築祝いが終わった後で良いので時間貰えます?」
「良いぞ、後で良いんだな?何処に行けば良い?」
「じゃあ僕がいつも泊まってた家ってまだ空いてます?」
「あそこはハチ専用みたいな場所だから空いているぞ?」
それは嬉しいな、僕が帰れる場所があるって事だ
「じゃああの家で後で会いましょう」
「分かった」
アトラさんと後で会う約束を取り付けたから、今はヘックスさんの新築祝いとしてしっかり料理を作ろう
盛り上がって皆がお酒を飲んだりしている最中に姫様が帰ってきた
「あー!私の分は!」
すっかり寂しくなってしまった鉄板の上だったが、ワリアさんが持ってきてくれた野菜とまさかの麺が登場したので僕が焼きそばを作った。簡単に塩焼きそばで少なくなっていたお肉も多少は嵩増し出来たと思う
「結構ドナークさんが食べちゃったけど……はい、これは姫様の分。出来たてだよー」
「おぉ!久々のハチのご飯だ!」
残っていたお肉をドナークさんの魔の手から死守し、若干お肉多めに盛った姫様用の塩焼きそばを渡す。この木の皿とかも中々オシャレだなぁ……自分で木の皿作りにも挑戦してみようかな?
「ずぞぞーっ!うん!美味い!」
思いっきり麺を啜って食べる姫様。はしたないとか言われそうだけど作った側からするとこうやって食べてくれた方がとても嬉しい。変に人の目を気にしてゆっくりちょびちょび食べて冷めちゃうのは作った側も食べる側も微妙な思いをしてしまうからね
「んー!美味かった!ほい、ハチ。修理してやったぞ!」
色味が戻ったお守りが姫様から手渡される。このお守りは出来る限り壊さないようにしたいな。お守りが壊れるのもそうだけど姫様に心配を掛けてしまうのもあまり良くないしね……
「ありがとう姫様。ほっぺに麺付いてるよ?」
「おっと……えへへ」
ほっぺについていた麺を取って食べて笑う姫様。姫様という肩書きとしてはどうかと思うけど、この村じゃ一住人に過ぎないから自由で良いのかもしれない
それから皆食べて飲んでと、これ新築祝いとか関係無く飲み食いしたかっただけだな?と気が付いたのは宴会が終わった後だった
「それじゃあ皆さんおたっしゃで~!」
「-----!」
酔っぱらったヘックスさんを肩に担ぎ、新しく出来た家に向かうピュアル。頼もしいなぁ?むしろピュアルが居るからヘックスさんはあれだけ酔うまで飲んだりしているんだろうか?
「おうハチ!いきなり手伝って貰って悪かったな?後片付けはこっちでやっておくから安心して休んでくれ!」
「ぽよぽよっ!」
「はーい、お疲れ様でしたー」
ワリアさんとちのりんがこの宴会の片付けをしてくれるらしい。じゃあ僕はアトラさんと会う前に例の物の確認だけしておこう
---------------
貧呪の魔硬貨
レアリティ カースド
全ステータス +10%
耐久値 破壊不可
特殊能力 一得一失の呪い この装備は外す事が出来ない。ステータスが上がる代わりにお金を入手出来なくなる
悪魔が人を惑わせ、狂わせ、苦しむ様を見て楽しむ為に作りだした悪趣味な呪われたアイテム。装備した者はお金に苦しむ事になるだろう
---------------
いきなり装備されたって出たから普通のアイテムじゃないと思っていたけどまさか呪われたアイテムだったとは……