呪い情報へのお礼
「縦読み……とか、では無いな。うぅむ……」
特に他に何か書かれているという訳では無さそうだけど……でも、何だろう?この合金を蒸発させる事で合成物質が少量手に入るっていうこのメモは何か違う気がするんだよな……
「こんな、合金の常識みたいな物を破壊するような物がこんな事で入手出来て良いのかな……」
あの本、というか、このメモの著者が神様なのかは分からないけど、そんな事で入手出来て良い物とは思えないし、このメモももしかすると僕みたいに中に書いてあった物を見て、適当な事を書いて戻した物なのかもしれない
「うん、他に書かれた様な様子も無いな。とりあえず情報は燃やして処理した方が良いのかもしれない」
そうだ。あのお礼やっておくか
『ピンポンパンポーン。ふぇり塩さん、玩具リオンさん。いらっしゃいましたら城の前に来てください』
何となく迷子放送みたいな感じで呼びかけてみる。これで来てくれるかな?
「師匠には何か言っておいた方が良いかな?」
料理を始めたらやって来るだろうモルガ師匠。今キッチンを使って呼び寄せてから来てくれるだろう2人の対処をした方が良いかも
「さぁさぁ!今日は何を……」
「あ、師匠。相談なんですけど、キッチン速報ってキッチンを使用したら、キッチンを使っているって報告が行くんですよね?」
「そうだよそうだよ!ハチ君がキッチンを使ったら使ってるって通知が来るよ!」
なるほどね。これなら……
「モルガ師匠。そのキッチン速報を強化して良いんで、今日は来て良いか悪いかこっちからお知らせ出来るようになりませんかね?僕個人のお客様を招待したくても、毎回モルガ師匠が来てしまうと困るんで。モルガ師匠も誰か偉い人と何か秘密の話をする事になったとしても、誰かが乱入して来るかもしれない状況でお話出来ますか?」
「それはそれは……確かに、無理かな」
「なので、キッチンを音声無しで、映像で確認出来るとかに出来ません?それなら今日は無理ですってなったら伝えられますし」
あえて、通知を強化する事でこっちから情報を伝えて拒否出来る様にしてみる提案を出してみる
「うーんうーん、確かに、ハチ君のプライベートを考えてあげるとそうなるかなぁ……」
「今からもお客さんを呼ぶ事になるので、モルガ師匠も、隠居してる事がバレたら困る人と鉢合わせになったりしたくないのでは?その気になれば、僕は神様でも悪魔でも、死んだ人でも食卓に連れてくる事だって出来るかもしれませんよ?もしかするとモルガ師匠が会いたくない人と友達になってその人を食卓に招待した時に鉢合わせするかもしれませんが……」
「あっあっ!すぐにやらせていただきます!」
よし、これならモルガ師匠の襲来をコントロール出来るな!
「よしよし、これで良し!いい仕事したぁ!」
キッチン通知が監視カメラみたいになったけど、これはある意味モルガ師匠に対して配信?している様な状況になっただけと考えればあまり深刻に考えなくても良いかな?
「これからお客さんが来るので、師匠にはアイスをお土産にあげますから今日の所はお帰り下さい」
「わーいわーい。帰りまーす」
師匠が扱いやすくて助かる
「よし、それじゃあちょっと確認しに行ってみますか」
放送を掛けたし、もう来てるかな?
「あ、何かソワソワしてる人が居る」
城の前に2人立っている。あの人達が例の呪いのアイテムの情報をくれた2人かな
「大丈夫かな……」
「何かマズい事しちゃったか……」
「ふぇり塩さんと玩具リオンさんですか?」
「「ファ!?」」
コッソリ背後から近寄ってビックリさせたら腰を抜かす程ビビっていた
「あぁ、すみません。で、合ってます?」
「は、はい……」
「あ、合ってます」
「良かった。お二人がくれた呪いのアイテムの情報は良い物でしたからお礼の食事をしたくてお呼びしました。どうぞ中へ」
2人を城の中に招き入れる。チェルシーさん?あっちはハズレだったから……
「ほ、本当に良いんですか!?」
「良いですよ何か食べたいリクエストとか有ったら教えてください。可能な限り作りますから」
「「しゃぁ!」」
とりあえずこれで情報をくれた2人にお礼出来る
「えっと……それじゃあシチューとか」
「それなら煮魚……」
「遠慮しなくて良いですよ?」
「いや、普通に魚が食べたくて……」
なるほど、魚料理なら色々あるけど、純粋に魚が食べたいってなると、確かに刺身とか、煮魚になるかな
「分かりました。シチューと煮魚ですね。用意するのでこちらにどうぞ」
「「ほわぁ……」」
煮魚は時間が掛かりそうだと思ったけど、今ならあの蓋があるから染み込ませるのも短く出来る。シチューは……シチューのルーが無かった時に牛乳と小麦粉で作った事あるからこっちも何とか出来そうだ
「それじゃあ、今ある物で作っても良いでしょうか?」
「「も、もちろん!」」
煮魚とかもこっちで勝手に選ばせてもらうけど、文句とかも無いみたいで助かる
「あ、どうぞ。自由にしてください。ゲヘちゃん。お茶をお願い出来るかな?」
「ワカリマシタ。オチャデス。ドウゾ」
「「ど、どうも……」」
ゲヘちゃんに頼んだら、小型ゲヘちゃんが出て来て僕の代わりにお茶を運んでくれた。本当にゲヘちゃん優秀だなぁ
「それじゃあ、作りますかぁ!」
この2人に向けて作ったという実績があればまた他の人が探してくれるかもしれないし、頑張ろう。でも、流石に10や20も情報が来ても対処しきれないかもしれないし、情報の上限数みたいなのを決めた方が良いかもしれないなぁ……
 




