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1058/2016

揺るがす物質

「これに何が書かれているのか……いざ!」

 2つ折りにされた紙を取り出せたので、開いてみる。これにどんな情報が書かれているのか……


『不本意だが、これは情報として残さなければならない。純粋な金属とは違うが、どんな金属同士でも結びつかせ、合金に出来る素材がある。コイツを集めれば自分の手で疑似的に伝説の金属にも匹敵するような金属を作る事も出来る。入手するには……』

 これは下手に情報を広めちゃいけないアイテムの情報を握ってしまった気がする。まだ先を見てないから引き返すなら今だろうけど……


「こんなチャンスをミスミス逃すのは僕らしくないな!」

 面白そうな情報を見逃すのなんて勿体無い。進むしかないよなぁ!


『金属の合金を大量に熔かした時に極少量入手出来る。だが、ただ熔かすだけでは入手出来ない。金属を完全に熔かし、蒸発させる程加熱した時にのみ入手出来る』


「金属が蒸発する程?ふーむ、かなりの高温だな……」

 でも、何か金属を蒸発させるみたいなのは聞いた事が有る気がする。後で、ちょっと調べてみるか


「この書き方……金属本来の性質を捻じ曲げるみたいな事が出来るからあんまり好きじゃないのかもしれないな……」

 金属を抱いて寝て興奮してるみたいな事が書いてあるし、その金属を滅茶苦茶に合わせる事が出来るって考えるとこの人的には良くないのかもしれない。でも、性能としては未知の金属を作り出す事が出来るって考えると説明しない訳にはいかないって感じかなぁ……それでここに書いて隠したと


「何か見つかりましたか?」

「あぁ、えっーと……」

 どうする……眼鏡先生にこのメモの事を伝えるべきか、それとも黙っておくべきか……


「そうですね。見つけたと言えば見つけましたが、この事を知ってしまうとあまり良くないというか、秘密に出来ないとマズい事になりますが、それでも見ますか?」

 鍛冶を根本から覆す様な事となれば流石に首を突っ込んでくる事は無いかな?


「そんなにマズい物を入手してしまったのかい?その話を聞いたら逆に私も確認しておいた方が良いような気がしてきたよ。君だけにその情報の重さを負担させる訳にはいかない。こう見えても一応、私は先生で、君は生徒ですから」

 おっ、まさかの返答だ。そう言われると僕も拒否出来ない。まぁ……情報は見つけた人がどう扱うか決めるような物だと思うし、見せても良いか


「はい、こんな事が書いてあります」

「これは……確かにマズいね。見付けない方が良かったかもしれないね。ハチ君。そのメモはどうするつもりだい?」

「そうですね。この本に戻すか、あるいは燃やしてしまった方が良いのかもしれません」

 この情報は拡散しない方が良いとは思う。そうなると戻すか、燃やすかになるけど……


『もし、このメモを見つけた物へ。このメモをどうするかは見つけた者に任せる』

 メモの最後にこんな一文が書かれているからどうしようか非常に迷う。情報を広めたら多分、これを使った金属がこれからの主流になると思う。でも、そうなってしまうと、鉄とか、銀とかそう言った物が本当の意味で単なる素材になってしまう。それをこの本を書いた人は望んでいるんだろうか?


「ハチ君。そのメモは燃やすのではなく、君が持っていたら良いんじゃないかな?君がその情報を公開しても良いと思った時に情報は公開したら良いと思う。その情報は私も知っているから。心の負担は少しは少ないんじゃないかな」

 インベントリの中に入れておけば盗まれる事は無いだろうし、それがもしかしたら一番セキュリティ的にも良いのかも?燃やしてしまえばもしかしたらこのメモに隠されていたメッセージとかがあった場合は完全に追えなくなるし、僕が持っていて良いと言うのなら持っておこう


「それなら、このメモは僕が預かります」

 後で1人になった時にしっかりメモを見た方が良いかなぁ


「とりあえず糊でココを直しましょう。一応何か代わりの紙を入れておいた方が良いかな……」

 ルクレシアさんはココに置いてある本全てを覚えているだろうから、この本の膨らみ具合が違うとかでバレる可能性もある。ここはダミーの紙でも仕込んでおいた方が良いかもしれない


「それならハチ君が何か書いて入れておきなよ」

「それじゃあ、『鍛冶に近道無し。鍛錬を怠るな』で良いかな」

 何となく、それっぽい言葉を書いたメモを2つ折りにして、本に戻して、糊で閉じる


「これで大丈夫だろう。それじゃあ僕は帰ります。後は任せました」

「少しくらい授業を受けてみないかい?」

「そうですね。今はちょっと時間が取れないのでまた今度!」

 別に不良という訳では無いけど、今はイベント前でちょっと気になる情報を得た所だし、時間が惜しい。授業を受けるのはまた今度だ


「常識の授業でも開こうかと思ってたんですが……」

「じゃあ、僕からは神様の授業でも開きましょうか?」

「遠慮しておくよ」

「そういう事です」

 脅しでは無いけど、授業はあまり受けたくないというのは伝わったかな?


「空島に戻ってもう一度メモを確認してみるかな」

 何があるか分からないし、しっかりメモを確認してみよう



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― 新着の感想 ―
[一言] 炙り出ししたらさらなる情報が出てきたりして
[良い点] (1番知らせてはならない人物に知られたのでは… 多分神様たちは爆笑してそう。
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