運営からの挑戦状?
「泡沫バッグはダメで布巻きはオッケーって考えると何でも仕舞えるバッグはダメだけど、専門的な物を纏めてキットとして判断される様な物ならオッケー判定なのかな」
持ってないから分からないけど、つるはしとライト付きヘルメットで採掘セット、釣り竿と餌と魚の入れる籠とかで釣りセットみたいな物だったら持ち込めるのかもしれない。分野で分けて、物を持ち込むのであればセーフだったら結構縛りとしては緩いかもしれない。これが上手く行けば大量のアイテムを持ち込む事も不可能じゃ無いかもしれない
「料理セットと水分が用意出来ただけでもう結構充分なレベルな気がするけど……どうせならもっと色々用意したいな」
無人島をただ生き延びるだけじゃなく、可能な限り豊かというか、快適に暮らせる様にしたい。その為には今の準備をしっかりしないと
「そうだな……他に何か用意する物があるのなら……探検セットみたいな物があれば良いのかな?」
探検セットとは言ったものの、ザっと思いつくのはロープとランタンとナイフとスコップとかかなぁ?
「でも、他の人の事を考えなければロープは【魔糸生成】で事足りるし、明かりに関しては【ゲッコー】に内蔵された【夜目】でほぼ必要無い。ナイフに関してはオーブ・ナイフにミスリルの包丁、斬撃付与の深淵とかで変わりに使えそうだし、スコップに関しても深淵触手の刺突を何とか変形させれば出来そうかな……」
意外とその気になれば深淵触手が代わりに使える事が多いんだよな……
「いや、自分の能力だとしてもここは自分で何か作るのが面白いかな」
どうせ作るなら軍用スコップみたいな多機能なスコップとか作ってみるかな……スコップに使うのってどういう鉱石が良いんだろう?ミスリルが良いのか、ダイコーンさんと一緒に取ったトラフォタイトとかも良いのかもしれない。一度会話をしに行ってみるか
『ダイコーンさん。今って時間ありますか?』
とりあえず今回は僕の方から出向こう
『ヒャッハー!今回はなんだぁ?』
『前に集めたトラフォタイトってあったじゃないですか。それが僕でも扱える物か知りたいなと思ったので』
『ん?ピュアミスリルじゃ物足りねぇのか?』
『物足りないというか、試したいって所ですね』
ミスリルと合わせる事で合金とかも出来るのかな?と思うし、剛性とかもどのくらいあるのか、重さはどうなるのか。色々と気になる
『なるほどなァ!それで、何処に行けば良い?』
『今回は僕が向かいますよ。今ダイコーンさん何処に居ます?』
たまには僕の方から向かいたい。空島に来てくれるのはありがたいけど、たまにはこっちから出向いた方が何かしら発見があるかもしれない
『そうか。なら、フィフティシアに来てくれ』
『分かりました。それじゃあ向かいます』
フィフティシアか。よし、向かおう
「さて、スコップに使えそうな金属の情報が掴めるかなぁ」
ダイコーンさんの所に向かって色々情報が掴めると……あ、フィフティシアか。それなら……
「さてと、ダイコーンさんは何処に……」
「「「「ヒャッハー!」」」」
うわぁ、一瞬で分かった
「おっ、来たなハチ!」
「どうも……そちらの人達は?」
「あぁ、俺が性根を叩き直してやった奴等だ。今となっちゃあ……」
「ヒャッハー!ゴミが落ちてるぜぇ?」
「ヒャッハー!綺麗にしてやるぜぇ?」
「ヒャッハー!これでまた一つ街を綺麗にしちまったなぁ!」
ダイコニズムというか、世紀末スタイルというか……なんとも言えないけど、街の為に良い事をしてるなら邪魔しない方が良いかな
「で、トラフォタイトが必要なのか?」
「必要かもしれないって所ですね。ちょっと道具を作るのにミスリルが良いのか、トラフォタイトが良いのか、その合金が良かったりするのか、全く別の鉱石が良いのかを調べる為に、まずは実際に使ってる人に聞くのが良いかなって」
どうするにしても実際使用してる人に聞くのが一番だろう。なんなら変形して武器にもなるバイクという凄い武器として使ってるダイコーンさんに使用感じゃないけど、話を聞いておきたい
「なるほどな。で、何を作るつもりなんだ?」
「作れるかは分かりませんが、イベントに向けて軍用スコップ的な物でも作ろうかなって思ってまして」
「なるほどな。あぁそうか……確かにハチにとって荷物の小型化は一番大事だな。それに軽量化、強靭さもある程度必要になるか。それでトラフォタイトがそれに向いてるか調べたいって事だな?」
「はい」
ダイコーンさんに話してみたけど、そういえばダイコーンさんってどのくらいのバッグサイズなんだろう?
「あの、ダイコーンさん。ダイコーンさんってイベント出ます?もし、出るならバッグサイズがどのくらいなのか見せてもらう事って出来ます?」
「俺はこのくらいだな」
「えぇ……」
普通に登山リュックより少し大きい位ない?何か僕ぐらいなら入れそうな気がするんだけど……
「僕、このくらいのサイズです」
「お、おいおい……大分小さくねぇか?他の奴のも少し見たが……ハチのはそいつらのよりも小せぇ気がするぞ?」
「ほほぅ?なるほどぉ?」
何となく空を見上げるけど、別に誰も居ない。要するに僕はバッグサイズが他の人より小さくされていると。これはある意味運営からの挑戦状みたいな物だったか。それなら俄然やる気が出てきたぞ!
 




