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1045/2015

候補の楽器

「やぁ、急にごめんね。トーマ君」

「いえ、それは別に良いんですけど……電子工作って何をするんですか?」

 トーマ君の尻尾と耳がピコピコ動いている。気になってるみたいだなぁ……


「正直、上手く行くかは分からないけど、金属探知機を作ろうと思ってるんだ。それで、銅線を入手して、コイルを作れば、何とかなるかなぁと思って。トーマ君、こういうの興味あるかな?と思って声を掛けたんだけど……」

「得意では無いですけど、興味はあります!」

 そういうのはきっかけ次第で凄く伸びたりする物だと思う。これは僕も少し慎重にやった方が良いかな?


「それで、どういう風に作るつもりなんです?」

 そこが一番の問題点である。どういう風に作るか。一応考えている事はある


「多分、ここでは物を作る時に、最初から最後まで、しっかり作り込むプロとか職人的な人の作る作り方と、誰でも出来ると言うか、そういう取り組みへの切っ掛けみたいな感じで簡易的なやり方とか作り方がある気がするんだよね。そうだな……例えば、ロボットのプラモデルをただ説明書通りに組んだだけと、しっかり色を塗り分けたりした物。一応両方とも目的の同じ物を完成させる事は出来るじゃない?」

 完全に同じかと言えばそれは別物だけど、取り組み方さえ間違えなければ、ある程度の完成品は作れると思う


「なるほど、確かに。その説明なら完成度の違いはあれど同じ物を作る事にはなりますね」

「そうそう。だから、電圧の変換とか、電流の調整とか、その辺を全部抜いて、金属探知機として金属に反応する部分と、その反応を音か光で知らせる物とそれを動かす動力があれば劣化品でも金属探知機になるんじゃないかなって」

「それで、その反応する部分を僕の銅線でコイルにして使おうって事なんですね!」

「そうそう!それで、銅線の協力をしてくれるかなって」

「勿論協力させて下さい!まずは一度試してみましょう!」

 銅線をポケットから取り出すトーマ君。そう言えばなんで銅線なんて作ってたんだろう?


「トーマ君?ちょっと気になってたんだけど、なんで、銅線を既に作ってたの?」

「あぁ。これは、最近少しブームの職で、糸使いと言うのがありまして、その人が毛糸とかからの次に使う用のお手頃価格な糸として作ってました」

 あぁ、ひのきの棒から銅の剣に買い替えるとか武器更新のタイミング用の物として作ってたのか。それなら確かにやる人が居れば、いきなり最強装備を買う事が出来るお金持ちじゃない人とかならレベルが上がった時に自分に合ってる物に買い替えるとか有りそうだ。にしても……


「糸使いねぇ……」

 見た事無いな。まぁ僕もアトラ様のお陰で糸自体は使えるけども……


「糸で網を作って敵の妨害とか、糸を体に巻く事で防御力を上げたりだとか、そのお陰でシクサーム?の街に入れたパーティが居たとかで、今糸使いの需要が増してるんですよ」

「はぇ~そんな事が……」

 確かに開幕で投網的な感じで敵の動きを阻害出来たら剣を持ってないパーティとかなら相手を一方的に攻撃する事が可能かもしれない。あの時も実体化するまで少し時間があったし、そのタイミングで網を投げたら避けられなくて一方的になる事も全然あり得る。誰も剣を持ち込まないとか、糸使いの糸がかなり斬れにくい強靭な糸とかだったらあのボスも一方的に倒す事が可能なのかもしれない


「すみません。話が逸れてしまいましたね。この銅線を巻けば良いんでしょうか?」

「そうだね。とりあえず50周位巻けば良いかな?この辺はフィーリングで良いか」

 とりあえず特に決めずにトーマ君に任せてみよう。問題はそこでは無い


「今、物がここに存在しているコイルは多分どうとでもなるからそこまで心配しなくても良い。問題があるのは、音を鳴らす物の方なんだよね……」

 今、この場には存在していない物を用意しなければならない。そっちの方が大変だ。ただ、当てがない訳では無い


「そういえばそうです!自分もそんな物は流石に持ってません……」

「一応、音を鳴らす物自体はあるけど、コイルと繋がるのかが不明なんだよね」

「あるんですか!?」

「あると言うか……作れる?というか」

 とりあえずここは一度出す事にしよう


「これは……確かハチさんが色々楽器を使える様になったって言ってたシンフォニアでしたっけ?」

「そうそう。これで……」

 沢山の候補の中から1つの楽器を選択する


「これは……なんでしょう?ラジオ?これも楽器なんですか?」

「これはテルミンっていう楽器だよ。手を触れないで演奏する物なんだ」

 まさかのテルミンにもガイドがある。手をどの程度近付けるか、上下させるかが手の輪郭みたいな物で位置を指示してもらえるお陰でトーマ君に1曲聞かせる事が出来た


「こんな楽器があるんですね!凄い……ちょっとだけやってみても良いですか!」

「良いよ」

「うわぁ!凄い!本当に触ってないのに音が変わる!」

 なんとなく、テルミンの手を近付けると音が鳴るというのと、金属探知機の金属が近ければ音が鳴るって似てる気がしたので、テルミンと銅線コイルを合わせれば金属探知機モドキにはなりそうな気がしてきた



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― 新着の感想 ―
[一言] まさかのテルミンww 以前いじった時に不気味な暗黒太極拳とさんざん言われた私が通りますよ? と言うか、糸で編みで戦う!?スパイダーストリングス!スパイダーネット!マーベラーチェンジレオパルド…
[良い点] 極細の糸でガッチガチに拘束とかしたら喜びそうなハスバさんとかいそうw
[一言] 糸使いはレベルが上がると、鋼糸をつかって相手を切断!みたいなことができるようになるんですかねぇ
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