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1040/2014

補給

「はっ。了解しました。では帰還します。どうやら進言するまでも無かった様だ。上が何とか取り引きで戦争になるのを回避した。迷惑を掛けたな」

 片耳を押さえて何か通信している様に見せかける。これ以上ここに軍人スタイルで居るとボロを出しちゃうかもしれないから撤退する事にしよう


「いや、どこも何事もねぇのが一番さ」

「話し合いで戦争を回避出来るならそいつが一番だな」

「俺らもこの街のいざという時の戦力だが、そんな力は振るわれないのが一番だぜ」

 一番が3つもあるのに突っ込むなんて野暮な事はしない


「邪魔したな。さらばだ」

 隠してる武器に手を掛けたまま話をされたけど、最後はちゃんと手を降ろして話を聞いてたみたいだし、これで何とかバレずにここから撤退出来るな


「いやぁ、ごめんねポン君。呼び出したのに大した事無くて」

「きにしなーい」

 とりあえず最後の話からするに、この区画に戦力が集められてるって事か。やっぱり区画分けをしてるって事は商業区画とかに分けてるのかも。形は違うけど、空島と似てるとも言えるか


「一度帰るか」

 やっぱりそうそう情報が入手出来る物では無いよなぁ……今回はハズレだったか


「ただ、この街は絶対何かあると思うんだよなぁ……今はまだタイミングじゃないのかも」

 何も起こっていない。もしくは表に出て来ていないのであれば、僕も探せない。空の生け簀に釣り糸を垂らしても何もヒットしない様に、イベントという魚がまだ生け簀に居なければ何も起こらない。だとすると、シクサームはプレイヤーが少ないからイベントトリガー自体が少ないのか。もしくはプレイヤーが入ってこないとイベントやクエスト自体がロックされているのか……街の外だと、そういうロックみたいなのが無くて、イベントが起こるのか。システム的な事で色々あるかもしれないな?




「さて、クッキーとかキャンディとか作るか」

 どうせ作り出したら例のあの人がやって来るだろうけど、クッキーとかキャンディを作っておけば、いざという時にすぐ渡せるだろう


「さぁいでよ。モルガ師匠」

「来た来た!やっと来たぁ!」

 悪魔の召喚とほとんど変わらないって言ったら怒るかな?


「ねぇねぇ、今日はなんだい?」

「今日はクッキーとかキャンディの作り置きしようと思いまして、色んな形のクッキーと、フルーツ味のキャンディとかを作る予定です」

 普通に水飴に果汁を混ぜるとかでも良いと思うけど、いちご飴とかリンゴ飴みたいなタイプもあると良いかな


「まじまじ!?楽しみ!」

 色々あるけど、そろそろパッと渡せるお菓子の類が減って来てるし、ここで大量に作っておこう


「あ、モルガ師匠?魔法で抜き型的な事出来ます?折角ならモルガ師匠にも手伝ってほしいなと」

 モルガ師匠に丸とか星型とかハート型とか適当に作ってもらえれば僕がその時間でキャンディの方に専念出来る


「いーよいーよ!師匠としてお手伝いしようじゃないの!」

 よし、これでクッキー生地を作って師匠に任せる事が出来るな


「ゲヘちゃん」

「オヨビデスカ?」

「ゲヘちゃんも手伝ってくれるかな。一気に大量に焼きたいからゲヘちゃんにも手伝ってもらいたいんだ」

「ワカリマシタ。ヤクナラ、マカセテクダサイ」

 床からゲヘちゃんの右手らしき物が現れて任せてと言ってきた。多分モルガ師匠がクッキーを抜いたら、そのまま焼いてくれるんだろう。時短が出来て良いね


「じゃあ生地を作ったら後はそっちに任せますね。それならキャンディ作りに集中出来るんで」

 いやぁ、食べてばかりの師匠に手伝ってもらえるなら大分楽になるな!


「さて、じゃあ生地を捏ねますか」

「ハチ君ハチ君。その見た目は何とかならないのかい?」

「師匠は沢山クッキーとか食べたいかなぁと思って一気に大量に作れるように手を増やしたんですけど……」

 生地を捏ねるのにも練習を兼ねての深淵触手でクッキー生地を作っていたら何か言われてしまった。これが効率的で良いのになぁ?


「そっかそっか。ならその方が良いね。さぁ!早く生地をカモンカモン!」

「流石にまだ時間が掛かるんで、お茶でも飲んで待っててください」

 紅茶を用意しておけば多分黙って見ててくれるだろう


「うんうん、そうさせてもらうよ。それにしてもハチ君は良くそれ制御出来るねぇ?」

「ある意味師匠との特訓もキチンと僕の力になったからより繊細な制御が出来るのかなぁとはちょっと思ってますよ」

【決闘領域】を覚える為に色々やった時の事も一応役に立ったと言えば役に立った様な気もする。とりあえずこうやってヨイショしておけばモルガ師匠も……


「いやいや、それ程でもあるかなぁ?ほらハチ君!その生地はどうするんだい?」

「30分くらい寝かせようかと」

「うんうん、そのくらいならパパっとやってあげよう!」

 料理を作る時に役に立ってくれる。どうせ料理する時にモルガ師匠が来るなら適度におだてて料理に協力してもらえば、その内自分で何か作ってみようとかになるんじゃないかな?


「今度からはこうするか……」

「なになに?何か言った?」

「いえ、別に。はい、次の生地もお願いします」

「はいはい!任されたー!」

 これは使えるな!よし、今度からは積極的に手伝ってもらうか!



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― 新着の感想 ―
[一言] 貪食の悪魔モルガをうまく利用できるようにできたのうまうま✨️
[良い点] 「調理道具におやつ師匠が追加されました」
[一言] なんとかと師匠は使いようか…… どうせおやつアラームでやってくるんだから、人手にカウントしちゃえば、ハチ君は楽ができるし、モルガ師匠は手伝ったご褒美におやつがもらえる。 ウィンウィンだな?
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