ポスト
「さぁ、コーグン達。一緒に頑張ってポストを作ろう!」
「「「「「おー!」」」」」
一応木製のポストでも良いだろう。鉄製のしっかりしたポストを作るとかかなり大変だし、それならトーマ君に協力を得た方が良いだろう。でも、これはトーマ君に関係無いだろうから僕が作れる木製のポストにしよう。呪いのアイテム情報だし、黒いポストで良いかな?
「普通なら難しいだろうけど、DEXのお陰で難しい木組みみたいなのも作れちゃうな」
どうせなら家のポストというよりは、普通の郵便ポストみたいな感じにしよう。完璧では無いかもしれないけど、組み継ぎでポストの箱部分を組み立てていく。投函部分は単なる穴にして、中身の確認部分は引き出しみたいな形状にしておけば釘無しで全部組めるかな
「よし、この部分はこんな感じで……下の棒との繋ぎはくさびを使って何とかなるかな?まぁ壊れる事は無いと思うけど」
ポストに体重を掛けるとかしなければまず壊れないだろう。まぁ壊れても直せば良い
「出来た!」
「あの……これは?」
ポストを完成させたらその辺に居た人が聞いてきた
「あぁ、ポストですよ。呪いのアイテムの情報について探してまして、ここに情報を投函して、良い情報を頂けたらお食事でもご馳走しようかと……」
「それマジですか!?」
「え、えぇ……作れる物でしたらリクエストに応じようかなぁみたいな?」
情報提供してくれて、尚且つそれが有用な情報であれば出来るだけ要望に応じるべきだろう
「情報拡散してもよろしいですか!」
「まぁ良いですけど……情報がいっぱいあればその分僕にとって必要な情報が入手しやすくなるので」
「了解しました!」
情報を拡散をした結果がすぐに出たと言うべきか、周りに居た人達が急にこっちを見て来た
「有用な情報には指揮官の料理!?」
「あの飯がまた食べられるのか!?」
「呪いのアイテム情報……探さなきゃ!」
バタバタと周りの人達が走り回って泉からワープしていく。情報を求めて行ったんだろうか
「私も探してきます!」
「い、いってらっしゃーい……」
「はぁ!指揮官からのいってらっしゃーい……もうご褒美!」
それで良いの?
「我々も行ってきます!」
「俺らも!」
「いってらっしゃーい」
「「「「ふほぉぉ!」」」」
なんでそんなに喜んでるんだろう?まぁ、これでやる気出してくれるなら安い物か
「とりあえずこれで……」
「ハチさーん!」
「うわ、なんか来た」
土煙を上げる勢いで走ってきたのはチェルシーさん。なんだなんだ?
「ハチさん!呪いのアイテムの情報を集めたら好きなご飯を作ってくれて、毎日見送ってくれるってマジですか!?」
「何か致命的に間違ってますねぇ……僕にとって有用な呪いのアイテムの情報を頂けたらそのお礼として料理を振舞うっていう話で、毎日見送りの件は無いです。それはさっき行ってきますって言われたからお返しで言っただけですし」
情報屋が間違った情報を持つのはマズいから訂正しておく
「まぁ、流石にそうですよね。今のもちょっと盛りましたし」
「情報屋がそれで良いんですか……」
嘘情報というか、要求を増やしてきてるのは強かという事にしておくか
「まぁまぁ、ハチさん。こう見えても情報屋ですよ?呪いのアイテムの情報。一応はあります」
「ほほぅ?なるほど。それじゃあどうぞこちらのポストに」
「このポストが呪いのアイテムの情報のポストですか。良く出来たポストですね?」
「今完成した所です。なので、この場で聞くのではなく、せっかくならポストを使ってください。呪いのアイテムの情報が必要無くなったら色を変えて何か別の用途に使おうかと思ってるので」
今出来たばかりのポストが一度も使わずに必要無くなるのは悲しい。情報を持っているとしても、それならちゃんと使って欲しい
「これもお手製ですか。ハチさんホント多芸ですねぇ?」
「お金を取れる程情報屋として成功してるチェルシーさんもある意味多芸なんじゃないですかね?」
情報を得る方法は色々あるけど、クランとして情報屋になれるのは中々の手腕だろう。割とチェルシーさんの事を蔑ろにしてる気はするけど
「「ハハハハハ」」
何か探ろうとしてるのかな?まぁ聞かれたとしても何も言わないけど
「それで?呪いのアイテムを集めて何をしようとしてるんですか?」
「僕が言うと思います?」
「ちょーっとくらい、先っちょだけで良いから教えてくれれば色々お手伝いしますから。ね?」
「うーん……そうですねぇ?じゃあ情報の対価には情報って事で、チェルシーさんが僕に教えてくれるっていう呪いのアイテムの情報が他の人の物より良い物であれば……チェルシーさんにだけ教えても良いですよ?」
勿論、この約束は僕の匙加減次第でどうにでも出来るし、本当の事を教えなくても良いだろう。でも、たまにはチェルシーさんにも優しくしてあげても良いだろうな
「ほほぉ~、情報でやる気を引き出そうって事ですね!良いですよ!もう少し情報を集めてきます!」
「いってらっしゃーい」
「くぅ~!これでしたかぁ!行ってきます!」
とりあえずこれで情報のプロも手伝ってくれると言う事なら割と早く情報も集まってくれるんじゃないかなぁ?