調理法情報
「すげぇ、あの人すげぇよ……ありがてぇ」
「やっぱあの人本物や……」
「こんな生産職にとってありがてぇ街が有るなんて!それにこんなパーティーに俺達を招待してくれるなんて」
うんうん、パーティーは人が多い方が楽しいもんね。飛び入り参加可能なパーティーで助かった
「ハチ様、楽しんでますか?」
「楽しんでますよ。それに子供達も楽しそうで良かったです」
大人が楽しむのも良いけど、子供も楽しめる方が良いだろう。笑顔はいくらあっても良いからね
「これ食べるー?」
「これあげるー!」
「ありがとー」
中々美味しい料理だ。子供達が色々料理を差し出してくる中に豚の角煮っぽい料理があったけど、ものすごく柔らかいし、美味い。これどうやって作ってるんだろう?
「ねぇねぇ、この料理って誰が作ってるか知ってる?」
「それならあそこに座ってる人達が作ったんだよ!」
「おぉ、それならちょっと話を聞きたいな」
「じゃあ呼んで来るよ!」
立ちあがって話を聞きに行こうと思ったら子供達がその人をグイグイ引っ張って連れてきた。なんか悪いな
「ど、どうも……」
「あ、すみません。ちょっとこの煮物についてのお話が伺いたくて……僕も料理が好きで、どうやったらこんなに美味しい料理が出来るのかと知りたくなったので、お話を聞かせてもらえないかと」
「そうだったんですか!分かりました。お教えしましょう!」
おぉ、このトロトロ角煮が作れるようになると嬉しいから話が聞けるのはデカい
「ここだけの話ですが。実は、このアグラウドには小さな雲が何処かに現れるんです」
「小さな雲ですか」
地底で雲とは不思議な話だけど、実際にあるから話してるんだろう
「はい、そしてその雲をビンに詰めて、特別な加工をした蓋と合わせる事でその雲が肉や野菜に出汁やスープをよく吸わせたり、柔らかくしてくれるんですよ」
「なるほど……」
ふむふむ、今の話と角煮の出来栄え……これって要するに圧力鍋みたいな物の事なのでは?
「あの、その蓋って見させてもらう事って……」
「良いですよ。こちらに」
パーティー会場からキッチンの方に移動する。なんかワクワクしてきたぞ!
「これです」
「この蓋が……」
錠剤ビンみたいな物がくっ付いた鍋の蓋。確かにビンの中が曇ってる。これが件の雲とビンか
「あの、この雲。僕も探して取ってみたいんですけど、このビンって余ってたりしませんか?」
あの蓋欲しい。目の前にある物はここで使ってる物だから無理だとしても、新しい蓋を作る事は可能なんだろうか?
「それでしたらこれを使ってください。1つの小さい雲からビン4つ程集める事が出来ます。出来れば我々の分も取っていただけるとありがたいのですが……」
おっ、良いぞ。ビンも貰ったし、これなら何とかなるかもしれない
「このビンって1つあればずっと使えるんですよね?それなら3つ差し上げますから、この鍋の蓋を作る事って可能でしょうか?」
そう言って、ワリアさんに貰った古のフライパンを見せる
「こ、こんな素晴らしいフライパン初めて見ました。大事に使われている……分かりました。取って来ていただけたらこのフライパンに合う蓋をご用意します。ずっと使用する事は一応可能です」
『特殊クエスト 一握りの雲 を開始しますか?』
「ありがとうございます。それなら探しに行きます!」
そんなの勿論受けるに決まってる
「い、今からですか!」
「善は急げです!」
パーティー中だけど、これは見逃せない。早速小さな雲を探すしかない
「ハチさん!小さな雲はアグラウドの外周に発生しやすいです」
「情報ありがとう!行ってくる!」
「凄いお方だ……」
コックの人に見送られてアグラウドの周囲を探しに行く。パーティーは残った皆でやっててくれ
「雲、雲、雲は何処だー?」
街の外周だから壁の方だろう。どういう発生方法かな?空中に急に現れるのか、地面から出てくるのか、壁から出てくるのか……まさか上もあり得るのか?
「ここの住人が取れるって事はそんな高い位置に出てくる事は無いと思うんだよな……外周付近で発見しやすいって事も壁から出てくる説が濃厚かなぁ」
たまにしか見つけられない、外周付近、小さい雲。色んな要素を考えると壁の何処かで雲が発生して、その雲が小さくなりながらアグラウドを漂っている……のかもしれない。発見が難しいのはその雲が小さくなるというか消えてしまうからなのかも……
「これは壁の何処から出てくるか分からないからランダム性があると踏んで良さそうだな……うーむ」
何処に出てくるかのヒントでもあれば良いけど……まぁたまにはヒント無しで走り回ってみるのもアリだな
「見つからないねぇ」
やっぱりそう簡単には行かないか。流石に雲はオーラ云々で場所が掴める物ではないみたいだし、探すのが難しい。発生源は壁じゃなくて空中だったかな……
「うむむ……絶対に何処かにあると思うんだよなぁ。でも、ここで諦めちゃダメだな。これはある意味僕が探してる新しい調理法の1つに繋がりそうだし」
ジャーキーを作る時にお世話になってるスライムゼリーでの乾燥技術に類する圧力に関係しそうな雲を用いた料理法。上手く使えればどこでも煮物が作れそうだし、諦める訳にはいかないな!




