強化の可能性
「あ~キノコの味ぃ~……いやこれ美味しいですね!キノコの旨味が出てる!シイタケっぽい気もするけど、エノキの様な味もする……こういう食材もあるんだなぁ……およ?なんかSTR上がった」
「これは確かに美味いですね。おや、こちらはINTが上昇しましたね」
「私はDEFが上がったね。クジとはこういう事か」
「作った俺も何が上がるか分からねぇ。そもそも入手性も低いから商品というよりは個人的に喰う物だな」
上がるステータスがランダムでレア物だから数を作れない。確かに個人的に楽しむ用の物っぽいな。それを食べられたのはラッキーだ
「「「「「……美味しい」」」」」
君ら、僕らの事毒見にしたねぇ?まぁ緑色のパスタとかそうそう手が伸びないか。母さんにボコボコと泡が出る黒いクリームパスタとか出された事が無ければこのくらい警戒してしまうか。見た目は確かに凄い色合いだけど、匂いから美味しそうだったし、料理人の試作料理だよ?食べられないレベルはまず出てこないでしょ……
「ご馳走様でした。いやー美味しかったです。前のカレー以来かなぁ?」
「そうだな。何か新しい食材とか情報はあるか?」
「今の所めぼしい物は……ちょっと探してみます」
そういえばそうだ。空島のキッチンでかなり快適な調理が出来る様になってしまったから、新しい調理法とか、レアな食材の事とか忘れていたかもしれない。久しぶりに食材を探すのもアリかも。今までスルーしてた所とかを見たら何か見つけられるかな?遊び半分で教会に突撃するのもアリかな……ちょっとやりたい事も色々出てきたかも
「とりあえず、また何か新しい食材があったら持ち込みますね」
「おう!いつでも待ってるぜ」
何処に行ってみるかなぁ?食材もそうだけど、僕が知ってる特殊な調理法と言えばスライムゼリーで乾燥させるくらいだろう、他の調理法とかも探したい。出来れば燻すとか蒸すとか時間が掛かりそうな物の時短調理法が見つかると嬉しいな
「今日はありがとうございました。今度は何処に行ってみようかなぁ?」
「ハチ君は次に何処に行くか決めてるのかい?」
「そうですね。まぁでも、一旦地獄に行こうかなと」
「おいおい、サラっとまたすげぇ事言ってんぜぇ?」
「へぇ?地獄ねぇ?」
「ハチ、連れてってー」
「流石に連れて行くのはちょっと無理かな……」
一応キャラとしては悪魔の2人だし、連れて行っても良いかもしれないけど、許可とか色々必要そうだし、断っておく。ここで連れて行くって一度言ってしまえばその後が辛くなる
「そう、まぁ今回は良いわ」
「ざーんねん」
「それじゃあ、皆さん今日はありがとうございました!」
ホフマンさんの店から出て、泉に向かう。地獄に行く前に一度寄る所があるけどね
「さて、それじゃあちょっと話を聞きに行きますか」
空島に戻って教会に行く。モニクに1つ聞いてみよう
「モニク居るー?」
「やや!師匠じゃないですか!」
あぁ、そういえば師匠だったなぁ……
「モニク。ちょっと呪いのアイテムに関して聞きたい事があるんだけど良いかな?」
「大丈夫ですよ。何でしょう」
「呪いのアイテムって強化出来る?」
呪いのアイテムを作るのは出来たけど、強化が出来るのか聞きたい。前に魔硬貨から縛占貨に進化させたのは漆黒龍のファーカインさんに貰った覚醒の種という特殊アイテムでの強化というか進化だ。これは多分特殊な進化だと思うから、正統な進化もある気がする
「また何かするつもりですか……んー、その質問に答えるのは難しいですね。場合によります」
場合によると来たかぁ
「作った時に込めた呪いの種類によって強化出来る物もあれば、強化出来ない物もあります。なので、その物次第ですね」
「なるほど。強化するのって何か条件があったりするのかな」
モノが選んだ狂怨のダイヤ。あれが何かしらの関連が有る気がしてならない
「まずは可能性のある呪いのアイテム本体。そして、強い怨念。そしてそれらの媒介になるアイテムが必要になります」
「媒介になるアイテム……」
これは……ヒットしたのでは?
「問題なのは、その強化に関しても本体がまず強化に対応しているかは分かりません。そして、そのアイテムと引き合う強い怨念を見つけられるか。適切な媒介となるアイテムが見つけられるか。様々な可能性を越えなければ強化する事は出来ません。ただ、まれに条件が合うと単なる強化では無く、特殊な凶化に繋がると言われてますね」
「特別な凶化……」
もしかして、単なる強化では無く、凶化と呼ばれる現象が進化の事なのか?
「じゃあ地獄でやると良いって事だね」
「そうなりますね」
よし、そうと決まれば行ってみるか
「オッケー!それじゃあ行ってくる!モニクも頑張ってねー」
「はーい」
もう普通に地獄に詳しいだけのシスターって感じだなぁ
「さて、それじゃあ怨念を探してみますか」
見つかるか分からないけど、地獄で何処かにあるだろう強い怨念を探してみよう
「こっち……」
と、思ったらモノが急に実体化して歩き始めた。これはついて行こう




