表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1012/2038

幇助

(問題点はそのお姉さんがどの檻に入っているか分からないのと、どの鍵で開くのか分からない所ですね)

(見張りを寝かせれば鍵自体は入手出来るとしても30秒で檻を開けて、連れ出すまで30秒で済むかって話だね)

 相手が何か渋ったりした時が一番面倒で時間を取られる。ここで過去語りなんてされた日には……多分途中で黙らせる事になるな


(ちょっと時間が掛かるかもしれませんが、食事の時間を待って一緒に檻側に入るとかどうでしょう?)

(流石にそれだと私は入れないかな。私が隠れるには動かない必要があるからな)

(相手の視界外に居て、見つかりそうになった時に発動すれば良いのでは?)

(ハチ君ならその基準になるかぁ……じゃああの扉の外側で万が一に備えて待つ事にするよ)

 確かに退路の確保という面で、扉の外で待ってもらえた方が良いかもしれない


(それじゃあ扉越しに会話しましょう。まずはあの見張りの近くに行くなら……おっ!タイミングが良いな。

 見張りの左側に物を投げます。あ、こっちから見てですからね?見張りから見てじゃないですよ?)

(オッケー)

「うーっす、飯持ってきた」

「あいよー」

 丁度、食事を持ってきた人が来たし、これに合わせよう。注意を逸らすのに同じ方向に走ったら即バレてしまうのでそれは無いようにハスバさんと確認しておく。


(行きますよ)

(いつでも!)

「おっ?今金の音が……」

「落としたか?」

 配膳の人が扉の前まで来て、扉を開けたタイミングで縛占貨を山なりに投げる。チャリンと硬貨の音が鳴れば、その方向を見たくなるのが人だろう。ましてや今は2人居る状態。どちらかがお金を落としたと勘違いもしやすいだろう。2人が音に釣られた隙に逆サイドにハスバさんが壁に張り付いて影の様になり、僕は扉の中に侵入する


(うわ、マジか……)

 鉄の檻が並んでると思ったら、鉄の扉が並んでいて、通路から中を確認出来ない。配膳用の小さな窓みたいな物と中を確認する小窓程度しかない。オーラを見ようにも、全員寝ているのかほぼ動かないし、見分けがつかない。


「じゃ、また明日」

 扉を閉じる前に配膳係の声が聞こえたけど、扉を閉じた途端声が聞こえなくなった。防音性もあるみたいだ


「小窓……」

 小窓から中を確認してみる。多分だけど小窓に色が着いてるから、マジックミラーみたいになっていて、こっちは見えないのかもしれない。これなら確認作業も早く進められる


(動き出した)

 配膳されて少し経ってから皆動き出して食べている。これなら少しは確認出来るかもしれないので、急いで見て回る


(居た!)

 ぼそぼそのパンをちぎって食べている1人の女性が居る。檻の番号は……6番か。とりあえず扉越しでウィスパーでハスバさんに連絡だ


(ハスバさん。対象居ました。檻は6番ですが、鍵に番号とか書いてますか?)

(6番か。あるぞ!そしてどうやら最後に一度見回りしてから交代するみたいだ)

 見回りしてから交代……一度出るならそのタイミングか


(分かりました。ではこっちも準備します)

 時間が無いから急いで進めよう


「コンコン」

「ん……なんだ?」

 配膳用小窓からメモを見せる。「妹は無事。無実のあなたを救いに来た」と短文で要点だけ伝える


「なっ!」

 即座に「静かに」とメモに追加で書き込む。そして「脱出の為に見回りが終わった直後にもう一度来る」とも書き込む


「分かった」

 小声の返事が聞こえたのでここでウダウダしなくて済みそうだ


(こっち準備完了です)

(こっちもそろそろ最後の見回りに行くみたいだ。待機していてくれ)

 天井に張り付いて見回りのタイミングを待つ


「いやー、本当にこんなに来るとは……ビックリだなぁ」

 急にあれだけ国王暗殺云々を送ればそりゃあビックリもするだろう。見回りが奥まで行く間に一度脱出する事にする。交代する前に見回りして引き継ぎになるなら、人が交代した後がねらい目かな。


「じゃ、頼んだぞ」

「ふわぁー、任されましたぁ……」

 眠そうな奴がやってきた。じゃあ、眠っててもらおうかな


(鍵の場所は把握している。良いぞ)

「【レスト】」

「ふわぁ……」

 入口の鍵、そして6番の鍵を開ける


「さぁ!」

 手を掴んで外に出し、6番の部屋の毛布を机に掛けて立てかけ、部屋の鍵を閉める。そしてハスバさんの所まで戻ってハスバさんが入口の鍵を閉めて、鍵を元の位置に戻して走りだすが……そろそろ30秒だ


「ふわぁー!あれ、居眠りしちゃってたか。なんか寝てスッキリしたから頑張るぞ!」

 30秒は過ぎたけど、目覚めからのあくび、伸びのお陰で何とかこちらの姿は見られていないみたいだ。


「あの……」

 喋ろうとしていたお姉さんに「静かに」と書いたメモを見せる。ハスバさんも書く物を渡して3人で筆談に移行した


「貴方達は?」

「救援だ」「同じく」

「感謝する」

(ハスバさんこの人隠しながら2階まで行けます?)

(難しいがやってみよう)

 僕が先行してハスバさんがこの人を連れて行くのが良いだろう。いざという時の無力化性能であればハスバさんより僕の方が上だ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 恐ろしく速い脱獄…俺でも見逃しちゃうね? うん、まだ恐ろしくなんだ…恐ろしい脱獄がどうなるか楽しみだねえw
[一言] いざというときの無力化性能…… 究極系はアビス様の穴にポイッかなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ