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1010/2011

絡み合うクエスト

「あっ!ハチさん!」

「えっ!もしかしてセッカさん?」

「いやー、モルガさんに「自分でもサウナに入ってみたら?」と言われて入ってみたら自分の体から毒気が抜ける様な感覚で気が付いたら……」

「えぇ……」

 それは溶けちゃったという事か?


「あ、あ、いやその、これは……」

 僕に追いついたモルガ師匠。これを隠そうとしてたのか?絶対無理があるでしょ……


「セッカさんは大丈夫なの?小さくなった以外に問題はない?」

「なんか、前より体が軽くなったというか、体に残ってたお酒が抜けた……みたいな?前より調子良いです!」

 普通に女性だと思ってたけど、まさかお酒の飲み過ぎで体が女性サイズまで大きくなってただけで、実際は少女サイズだったのかもしれない。雪女の生態とか分からないけど


「能力が落ちたとか、体力が落ちたとか、そういうのは無いですか?」

「むしろ前より体が軽いし、能力の純度は上がったかも?ほら」

 掌くらいのサイズの雪の結晶がサウナエリアにゆっくりと降って来る。確かに能力的には力が上昇していると捉えて良いのか?つまりはサウナでデトックス的な……


「それで、セッカさん。どうですか?空島には少し慣れました?」

「はい!モルガさんにも色々と教えていただいて、あっ、勝手にですが、クールダウンの時間を朝昼夜の3回に増やしました!もっとお仕事頑張ります!」

 なんか目がキラキラしてる。労働の喜びというか何というか、連れてきた時のダメ人間的な要素がかなり改善されてる?


「えっとえっと、自分で一回入ってみたらどのくらい冷やせば良いか分かるんじゃないかなぁって入れてみたら……その……」

「モルガ師匠」

「は、は、はい……」

「ありがとうございます。セッカさんがかなり前向きになったみたいで、モルガ師匠のお陰です。今度何かご馳走します」

「シャシャ!やった!」

 何よりもセッカさんが自分の仕事に責任を持ってくれてるみたいだし、あの時みたいに誰かに依存しようとするのではなく、自立してる気がする。その点はモルガ師匠より上かもしれない


「あれあれ、なんか今馬鹿にされたような……」

「あぁー……この息苦しさ。素晴らしい!」

 サウナの扉が開き、中からスク水頭巾の例の人が出てきた。話を逸らすのに丁度良い


「あっ、ハスバさん。サウナどうですか?」

「いやぁ、気持ちいいね!こんな施設を作るとは恐れ入ったよ」

「多分、儲けようと思う人だとここでかなり稼げるんでしょうけど……」

「まぁ、ハチ君にとってはね……そうだ。これからクエストに行こうと思ってたんだけど、どうだい?」

「お、何処です?」

「あぁ、それについては後で話すよ」(大きい声では言えないクエストなんだ)

 おっと、ウィスパーを飛ばしてきた。という事は隠しクエストか何かかな?


「分かりました。僕にお手伝い出来るならやりますよ」(他に参加者は?)

「それは助かるね」(他は今の所居ないね)

 表と裏で一応周りに居る他の人にバレない様に話を進める


「それじゃあ師匠。城の皆とかは頼みました。ちょっと行ってきます」

「分かった分かった。行ってらっしゃーい」

「お仕事終わったら是非またサウナにどうぞ!」

 もう眩しいくらいセッカさんが仕事熱心になってるなぁ


「で、どういうクエストですか」

「あぁ、実は脱獄を助けるクエストなんだ」

 脱獄とは穏やかじゃ無いな……


「それ、受けて大丈夫なんですかね……」

「いや、それがギルドが秘密裏に私に提示してきたクエストで、ギルド所属の隠密系のプレイヤーに対しての物らしくてね。どうやら訳アリの相手を脱獄させるクエストらしいんだ」

「怪しい……」

 聞けば聞く程怪しいクエストだ。脱獄って事は捕まった相手を正規の手段で脱出させる訳ではないのに、ギルドがそんなクエストを出してくるとは……変態行為とかしてるハスバさんを捕まえる為の口実なんじゃないかと疑ってしまう


「実はこれとは別のクエストで、貴族の娘さんが誘拐されて、無事に返して欲しければフィフティシアの国王を暗殺しろという任務を課されてその子の姉が暗殺に向かったらしいんだ。だが、暗殺任務は失敗。その娘さんがもうちょっとで殺されそうになった所をダイコーンとドクターが救出したんだ」

「……なるほど?」

 あれ?フィフティシアの国王?


「で、娘さんは無事救出されても姉の方が今度は国王暗殺未遂なんていうとんでもない状況で、一発処刑されてもおかしくない。姉を救出する為の手続きの時間も無いから脱獄させるしかない。という事になってね」

「それでギルドに話が回って来て隠密系の人に仕事が回って来るって……大分その貴族もヤバそうですね」

「何でも、裏取り引きとかで私腹を肥やしている貴族の暗殺を受け持つ貴族とからしくて、恩もあるから一応こっちのエリートを出すって事でね」

 そのエリートがハスバさんか。まぁ忍者は隠密キャラ筆頭と言えば筆頭だ


「分かりました。手伝います。今日……というか、時間が無いなら今から行きますか?」

「そうだね。その為に温泉で少しでもステータスを上げようとしてたから」

 なるほどね……にしても僕、とても心当たりがあって凄く申し訳ないんだけど……姉という事はつまり女性。そして暗殺らしいと言えばスナイパー……これはもう確定と言っても良いだろう



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― 新着の感想 ―
[一言] ハチ君の瞬間移動って深淵の中を移動するんですよね? ハスバさんは喜びそうだけどw 救出対象者は・・・逃げてー!(しかし、魔王からは逃げられなかった)
[気になる点] >あの時みたいに誰かに依存しようとするのではなく、自立してる気がする。 『 その点はモルガ師匠より上かもしれない  』 言われてらぁ。 おやつ師匠、新入りに負けてんじゃん。気づ…
[一言] あー、あの「綺麗な顔をぶっ飛ばしてやるぜ!」って言ってた人?(言ってない) と言うか、護衛ミッションの裏はそうなってたのかー、他の護衛は何をやってたんだろうなあ~w
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