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1008/2015

悪魔の先生

「あ、君、何か勉強したい事があったら呼んでくれれば教えるよ」

「ダンタリアンは学習、アンドロマリウスは探し物、ヴァサゴは秘密の悪魔って所だな」

 セーレさんは引っ越しの悪魔みたいな感じだったから3人もそういう感じの悪魔って事か。と、そういえば


「あの、ダンタリアンさん。学習の悪魔って事は勉強を教えて欲しいって言ったら教えてくれるっって事ですか」

「供物を貰えば教えるよ」

「おっ!じゃあ、この料理を供物として人に教えて欲しいって言ったら今から教えてくれますか?丁度今勉強してる人達が向こうに居るんですけど……」

「良いよ。歴史でも言語でも計算でも教えちゃう」

「それじゃあ4人で集まってる所悪いですけど、早速お願いしても良いですか?」

「良いよ」

 ルクレシアさんも凄いけど、これでちゃんとした教師を付けられるかな?


「じゃあ行きましょう」

「はーい」

 ダンタリアンさんを3人が勉強しているだろう部屋に連れて行く


「ここはー……あ、ハチさん。と、そちらの方は?」

「こちらはダンタリアンさん。勉強の悪魔だから、学びたい事は色々教えてくれるみたいだよ」

「よろしくー」

「「「「……」」」」

 パウンドケーキを咥えていたモルガ師匠も固まってる


「ちょちょ、ハチ君!なーにしてるの!?」

「あぁ、ちょっとお友達が増えて、勉強を見ても良いよって言うんで、渡りに船だなって」

「ハチ君ハチ君。悪魔をそんな気兼ねなく呼ぶのはどうかと思うよ……」

「あー、私は別に他のに比べたら普通に安くても供物を用意してくれたら勉強なら教えるよー。何かの答えを教えてーとかだともっと凄い供物が必要だけど……」

 そういう感じなんだ。という事は意外と呼びやすい悪魔なのかも……まぁ、他の2人も要求が過剰じゃ無ければ普通に応じてくれるって見て良いのかな。秘密と探し物だっけ?呼ぶ事あるか分からないけど、ご飯で呼べる悪魔が居ると言うのはありがたい


「悪魔って、そんな気軽に呼んで良いのでしょうか……」

「いや、そんな事は……」

「なんか皆、悪魔との契約を勘違いしてません?この仕事やって欲しいんだけど、この報酬で働いてくれる?って先に条件出して、納得したら受ける。納得出来なかったら拒否するって誰でも一緒じゃないですかね?」

 仕事に対しての給料が納得出来るかどうか……つまり悪魔はフリーランスみたいな物だろう。うーん、メジャーリーガーに草野球に出てもらう為にギャラを払うなんて言っても普通の人に払える訳が無いのと同じ感じ?


「おっ、ハチ君悪魔の事分かってる。悪魔にバカみたいな頼み事する段階で既に自分の手に負えないのに、自分1人で何とかしようとするから命で払うしかなくなる」

 自分が相手に支払える最大限の報酬が命という事で請け負うと悪魔との契約で魂取られるみたいな事になるんだろう。自分の要望とそれに適切な能力を持った悪魔との契約が出来れば普通に力を貸してくれるはずなんだ


「まぁ、悪魔を呼ぼうとする奴は追い込まれてる人が大半でしょうから……」

「つまり、軽い頼み事なら軽い供物でも悪魔と契約が出来ると言う事でしょうか」

「そうそう、私は、勉強教えるのは好きだし、ちょっとしたお礼でも受ける。悪魔にも種類はあるから一概には言えないけど、私に、世界を支配する力を寄越せとか求められても困るし、そんな力を渡せるのが居ても、ただの人間にその対価は払えないから過ぎたお願いはしない方が良い」

 お、ちょっと気になる言葉があったな


「ダンタリアンさんちょっと聞きたいんだけど、悪魔にも種類があるって今言ったけど、ダンタリアンさん達が特別な悪魔って捉え方で良い?」

「それで合ってると答える」

「ほうほう、じゃあそこまで特別じゃない悪魔って人に嫌がらせ的な行為とかしてる?」

「やってると答える」

 なるほどね。悪魔と言っても全部一緒じゃないと。悪魔の中でも階級の違いとかでやる事が違ったり、出会いやすさみたいなのが違うのだったら、悪魔という種族全体のイメージと実情が違うのも納得出来る。最初に会ったモニクとダンタリアンさんとかが悪魔として全然違うのも納得だ


「なるほどね。ありがとう。知りたい事が知れたよ」

「その瞬間こそ楽しい」

 ダンタリアンさんの仮面が笑顔の仮面に変わった。それで喜怒哀楽の表現するのかな?


「とりあえず僕は一旦戻るけど、皆はそのまま勉強頑張ってみて。多分学校の先生より頼りになると思うから」

「勉強なら私に任せなさい」

 ドヤ顔の仮面……そういうのもあるのか




「戻りましたー」

「おう、ハチ。これ美味かったからおかわり貰えるか?」

「あ、すぐ準備しますー」

「ハチ殿は働き者でありますねー」

「うわうわっ!」

 どうやらモルガ師匠が気になってこっちに来たみたいだ。見られてしまったなぁ?


「ちょ、ちょ……そこに居るのも悪魔?」

「あ、どうも……」

「お邪魔してまーす」

「お邪魔しているであります!」

「ホントにホントに、何してるんだいハチ君!?」

 何してるって言われても、ねぇ?


「食事会?お世話になったからお礼してたら知り合いを連れて来たいって言うんで、恩人の友人も参加した方が面白いかなって」

「ふーんふーん、そういう事ね」

 モルガ師匠にこうなった経緯を説明して単なる食事会だと伝えたらスッとそのまま席に着いた。恐ろしく早い着席。僕でなきゃ見逃しちゃうね



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― 新着の感想 ―
[一言] 貪食の悪魔はもう、どっかに点滴ぶっ刺して点滴から常に栄養補充すればいいのでは?(味で喜ぶ機会はなくなるが)
[一言] 美味しい食事のためなら悪魔とも相席する師匠、さすがですw そーいや、バイド係数が高そうな先生に師事しちゃってるけど…まあ、元ネタの方なら安心だな?
[良い点] 食欲が悪魔への畏怖を上回った瞬間でもありますねw
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