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008 私の戦闘力は53万です!って誰かが言うてた…

「一体何が何があったんですか?」


そう訪ねたい気持ちを押し殺して僕は処置に当たっている。事態は思ったよりも悪いらしい。伊礼田さんの圧がソレを物語っている。


異世界の地に足を踏み入れて、

しんみりと感慨深い気持ちに浸る間も無く、

切羽詰まった助けを求める声に応じて、

今まさに…


爆発物処理班みたいな状況に陥ってるワケなんですけど…転生早々何かイロイロおかしくない?


“ステータスを調整って、やりますけど。それよりも、待って!つーか、暑っ!いや、熱いんですけど~”


発熱してるんですよ、この人。風邪とかそんな可愛いレベルじゃなくてお湯?しかもだんだんと温度が上がっていってらっしゃる。外気でこれだけ熱さを感じるなんて余程の…負荷が。


「ALTER:伊礼田さんの体温を36℃に改変」


“…駄目か”


僕の腕を掴む、苦しみ喘ぐ伊礼田さんの手から伝わる体温は、一度は低下が伺えたが十秒と持たず上昇してきた。


「ならば、ALTER:伊礼田さんの体温を36℃に定周期5秒で改変」


(よし!これで時間は稼げる。次の作業に…)


「悪い…」


(悪い…だなんて。いつもの軽い感じの勝ち気な感じで頼みますよ~。僕が上手くやってみせますから!)


「ALTER:伊礼田さんのステータスを…」


(伊礼田さんの状態を都度確認しつつ、作業に集中…ん~?)


【Lv】1のまま。

【HP】…は点滅!?変動?最大値と現在値がランダムに変化してる。挙動としては―――時折り回復してるようだがトータル的に下降。

【MP】も同様に点滅変動。コチラは目に見えて減少中。

【STR】点滅変動。

【VIT】点滅変動。

【AGI】点滅変動。

【DEX】…

【INT】…

【MND】…

【LUC】…ここまで同様のため省略。

【ATK】、【DEF】…この辺は変動ないし、装備で変わる項目か?だったら今回は除外。点滅、変動してるのが怪しいワケだよね。


てゆーか、むしろワザと?ご丁寧にヒント付きなワケ?逆に訝しむわ!しかもスゲー数値の跳ね上がったり下がったり…変動が著しい。


お前ら落ち着けよ。


(さ~て、どう弄ったモンですかね…異世界のフラグって信用してもいいのかなぁ?)


異世界のステータスの予備知識はゼロ。サンプル無し。ゲーム知識の認識で例を挙げるなら、100/255/999/9999付近の数値なのですけれども…


(さっきから数千万単位の数値がチラホラ散見されてるのは、気のせいですかねぇ?八桁!?)



「やってます」

(こっちの世界の常識が分からないけど…int 4byte 32bit を通常だと考えるとして…16進設定、表記10進?ん~億とか設定出来ちゃうしぃ~それでも伊礼田さん復調してないしぃ~)


慎重かつ小刻みな上げ幅での探りながらの設定だったため思った以上に時間が掛かっている。本来のんびりとゆるい感じで仕事をしたい性分なんですよ、自分。適度なプレッシャーは歓迎ですけど、過度なプレッシャーは勘弁願いたい。命が掛かってますからね!それなりに真面目にやってますが。



「了解」


(いや、マイナスは必要ないからintじゃなくunsigned。これで最大値FFFFFFFF設定でいいんじゃね?若干面倒になってきてるの秘密で…えっ?“4294967295”…ヒェッ、43億!?)


「ALTER:伊礼田さんのステータスを…改変」


数値を明言していいのかよく分からないて言葉を濁しちゃったよ。“だって何か怖いんだもん!”悪いことしたわけでもないのに、僕はやたら後ろめたい気持ちなのんですが…え~っと…コレもしかしてやらかした!?


(しっかし、フ○ーザ様もビックリなんじゃないですかね?万じゃなくて億。しかも素で、裸で43億!)


何かもう分からないです。異世界人の伊礼田さんが凄いのか、転生した此方側の世界の人達が凄いのか。気にしない気にしない!って考えないようにするんだけど、何故だか変な汁出てきて困りますわぁ…


(ついでにecoモード、通常モード、ん~MADモード?その辺をテキトーに作っておけば、もぉいいんじゃないかな。こんなんでどーよ、The投げ遣り!)


投げ遣りに僕なりにそれなりに!手応えはあった気がしたわけで…伊礼田さんの経過をそれとなく伺う。土気色だった顔色は徐々に生気を取り戻し、血色も良くなり呼吸も落ち着きつつある様に見えた。


もう大丈夫でしょ?僕も緊張を解いて大きく一息吐いた。


「ふぅ…何とかなりましたか?」


「あぁ、感謝してもしたりないよ。助かったよ。お疲れ様」


『ALTER:…体温調整解除』


身体を軽く動かしながら感触を確めていらっしゃるご様子…あれ?拳が見えなかった気がしたけど、見間違いだよね。ハハハ…


(一抹の不安は残るけど、選択の余地はなかった…ハズ。これでよし!と納得しよう。そして色々見なかったことにしよう♪)


それも含めて結果オーライってヤツで、僕はそっと記憶の奥に封印したった。コレが後に㌧でもない事態を引き起こす事態になる等とは欠片ほども思っていなかった…的なフラグも叩き折っておこうと思って黙秘を決め込んだ。


(要約:つまりバレた時に考える事にした)

Continued on the following page…

2018/12/29/Sat/12:00-


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