レビューってそんなもん
小説家になろうには気に入った作品に"レビュー"を書くというシステムがある。
色々とレビュー書きに関して語ったエッセイもある。
けれど、そんなに難しく考えるほどのことでもないと思う。綺麗に書かなきゃとか、分かりやすくまとめなきゃとか、そんなことを考えてウンウン唸る必要はない。
レビューとは、自分のお気に入りを自慢するものだ。
言い方が賛否を分けると思うが、端的に言えばこういうことだろう。
「×××という作品が私のお気に入りです。これは本当に感動もの! こういう話なんだぞ、すごいだろう?」
……くらいのつもりで書くのだ。いや、さすがにこのままの文体はどうかと思うが。
言うなれば、レビューとは四百字詰め原稿用紙一枚にまとめた読書感想文だ。
簡単にあらすじを書き、自分の印象に残った表現を引用しつつ、その良さを伝える。あらすじは本当の読書感想文ほど詳しく書かなくていいし、四百字に収めるのだから良さなんて一ヵ所挙げれば充分。
ただの感想とは違うし、あらすじ書きでもない。それさえ理解していればレビューは書ける。
原稿用紙五枚の普通の感想文はきつくても一枚くらいならいけるんじゃないか?
どんなに稚拙と思える文章でも、書くことに意味がある。レビューを書けばユーザーページで、「レビューした作品一覧」に表記される。それは自分のお気に入り作品へ他者が触れる一歩になるのでは?
レビューを書く意義は? と思っている方も多いかもしれない。
それは簡単である。
お気に入りを自慢したいから。
おすすめを他の人にも読んでほしいから。
素晴らしい作品を書いて、公開してくれている作者への恩返し。
恩返し? となった方は多いと思う。けれど、これはレビューを書くことの中でも最重要と言える意義だ。
本を読めるのは何故だろうか?
自分が購入したから。本屋で売っているから。出版社が出しているから。
色々浮かぶはずだ。けれどそのどれもが、作者が書かなければ成立しない事象である。
私は、素晴らしい作品と出会えたとき、まずは作者に感謝する。物書きの端くれだから、自分も感謝されたいという下心もあるが、[この人が書いてくれなければこんな作品には出会えなかった]という変えようのない事実がある。
書き手があってこそ、物語は生まれる。
読み手は読む本を自分で選ぶが、選択肢があるのは、書き手がたくさんいるからだ。
書いていても、公開するのに勇気がいる。知り合いや家族にバレたくないからと隠しながら執筆する作者も多々いる。
それをネット上で、名前も知らない自分たちに見せてくれている。
それは作者の勇気があるからなのだ。
読み手は読んでいるんじゃない。読ませてもらっている。
故に、素晴らしい作品に出会ったときは"出会わせてくれてありがとう"と自分なりの言葉で作者に伝えた方がいい。
その手段の一つがレビューなのである。
拙くても、互いに得るものがあるはずだから──