禁断症状
最近、なんだか睦が家に来る回数が減っている。
手帳に睦が来た日をつけているけれど、先月は30日中16日来てくれたのに今月は14日。
たかが2日くらい、って自分でも思う。それくらい余裕で許せるくらいの度量がないといけない。
でも会いたい。
私はただそれだけ。
睦と会えたら、そんなこと何の関係もなくなる。
会える日が少なくなった、それは落ち着いてきた証拠。
だって今日もベッドの中で私の体は睦の手に委ねられている。
睦の手が私に触れるだけで私は熱くなってとろけてしまう。
この体は睦がいないとだめになってしまった。
会えない日でも体は睦を求める。
睦の顔、声、手、キス。
目を閉じて思い出してみる。
気付くと下着を脱いで、初めて自分の手で、一人で喘いで到達してしまった。
依存症。
でも私は気にしていない。
禁断症状が出る前に睦は会いにきてくれるから。
「大野さん、最近雰囲気変わったね」
「そうですか?」
仕事中はつとめて冷静を保とうとしている。それなのにこんな鈍感そうな主任にすら
気付かれてしまうくらいなのだから、よほど私からは恋愛のオーラが出ているのだろう。
「なんか疲れてない?」
「は?そんなことないですけど」
疲れているわけなんてない。ただ、2日に1回会えるという間隔が空いてきたことと
体が常に睦を欲しているために一人で性欲を満たすことが多くなってきたから必然的に疲れているように見えるのだろう。
とはいくらなんでも言わない。
でもやっぱり不安になってくる。睦は相変わらず私に微笑んでくれる。話を聞いてくれる。
私の体の隅々まで撫でてキスをして愛してくれる。
それなのになんだろう、ただ会う回数が少し減っているだけなのに。
それだけのことに私はこんなにも振り回される。
「睦が付き合ってきた子ってどんな感じの子だったの?」
「え、どうして」
「ううん、別に深い意味はないんだけど、どういう子だったのかなって」
「うーん・・・普通だよ」
「普通・・・年下?」
「そうだね」
そんな会話をしていたことを思い出した。
私が不安な原因ってきっとこれだ。
私は29歳。睦は22歳。私は7歳も年上。
22歳の人から見たら私はやっぱり年なんだ。
でも睦が今まで年下と付き合っていたってことは年下が好きってことなんだと思う。
私が睦より年下だったら、と本気で悔やんだ。
なんとなく最近会う回数が少ないのもきっとそのせいだ。
私が年下じゃないから。
どうすれば睦より年下になれるか、それからずっと考えていた。
タイムマシンがあったら迷わず8年後に行くのに。
そうすれば睦が30歳、私は29歳。年下になれる。
こんな現実的じゃないことを考えても仕方がない。
まずは現実にできることから始めよう。




