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雷のように春が

だから、「今度営業と合同で飲み会をやるんだけど」という話を主任から聞いた時はびっくりした。

だって7年働いてきて一度もそんなことがなかったんだからね。

でも考えてみると納得がいく。

きっと栗原さんが言ったこととか、社長命令とかまぁそんなところだろう。


「大野さんは今度の飲み会行くんですか?」

お昼休み、いつも仲間内できゃあきゃあ言っている米山さんが突然話を振ってきた。


まだわかりません、と私が答えると、そうなんですか、と興味のない返事をしたきり私に絡んでくることはなかった。

米山さんたちが本当のところ何を考えているのか私は知らないし別に知りたくもないけど

栗原さんとほんとに付き合えたりできると思っているのだろうか。

それともただミーハーなだけなのだろうか。


仕事が終わった土曜日の夕方、結局私は飲み会場所の居酒屋で周りの騒々しさに囲まれながら一人でサワーを飲んでいた。


昔からこういう誘いは断れない質だった。

別に大して行きたくなくても誘ってくれるとつい行ってしまう。

それで後悔したこともないけれど行ったところで何もないから特別楽しいと思ったこともない。

だから友達と呼べる人も少ないんだろう。


でも、栗原さんのことがまったく気にならなかったと言ったらうそになる。

彼が丸の内営業所に来てからというものお昼の話題をずっとさらっているくらいなのだ。

気にならないことはない。


私のイメージでは、もっと金に物を言わせたような人かと思っていたら意外にも普通だった。

いや、むしろ普通よりもかっこいいような気がする。

もちろん年相応に若い格好をしているけれどそういうもののすべてが嫌味にならないような人懐っこさみたいなものを持っているのだ。

確かに感じの良い人でなければ会社の、まさに顔として外部の人たちと渡り合えることなんてできないのかもしれない。

控えめに茶色い髪の毛。着慣れたTシャツにダメージジーンズ。

ごく普通の格好なのにどこか品の良さが漂っているのはきっとそういう環境で育ったからなんだろう。

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