待ちぼうけという名の日に
悪夢のような3年が過ぎた。
3年前、私は薬漬けになって逮捕された。
裁判では執行猶予付きの判決で、その後は精神病院に入院
退院後はダルクという更正施設に入所していた。
去年頃からようやく私は少しずつ正気を取り戻していた。
同時に言いようのない不安や空虚感にも襲われるようになり
何度もスリップしてしまいそうになった。
執行猶予期間が明けたところで、私はダルクを出ようと決めた。
ここにいる人はそのままスタッフとして働く人が多いけれど
私は出て行きたかった。
確かにここにいれば薬の誘惑からずっと離れて暮らせるだろう。
でも私は自分の力でなんとかやっていきたかった。
退所の日。
荷物は少なかった。
この施設にはよく寄付としていろんなものが送られてくるのだけど
そこで私がもらった服くらいしかかばんには入っていない。
家はもうないだろうな、これからどうしよう。
自分の力でやっていく、なんて言ったけどほんとにできるのだろうか。
今まで数年の間過ごしてきたダルクの門をくぐったその時、突然不安が込み上げてきた。
一人。こんなに孤独を感じたことはない。いや、感じたくなくて薬に手を出してしまったんだ。
やっぱり戻ろう。きっとスタッフの人たちは受け入れてくれる。
情けない。でもあの悲惨な日々はもう嫌だ。
踵を返して門へ向かう。
「大野さん」
その時、後ろから声がした。
聞き覚えのある、懐かしい声。
びくっとして振り返る。
「ずいぶん待ちぼうけをくってたよ。って、俺が勝手に待ってただけだけどね」
彼は笑って言った。
「なんで・・・」
「ほら、大野さんが辞める時に言ったでしょ。またいつでも働きに来てって。」
「でもこんなんじゃ私を雇ってくれるわけないです」
「・・・そしたら」
俺と一緒にいてください
あなたのことをずっと好きでした
そんなプロポーズに迷いもなく頷く私がそこにいた。
読んでくださりありがとうございます。
昔、途中まで書いた話を今回最後まで書いてみましたがつじつまの合わないところや
語彙のなさなどを痛感しています。




