スピーチ
この青い空も爽やかな秋の風も二人の門出を祝福しているようです。
とかなんとか言っている声が聞こえてきた。
ここか、睦の結婚式は。
「まこと、おめでとう!」
私はここぞとばかりに祝福した。本気の祝福だよ。しかも相手は新井さん。私から睦を奪っていった女。
薬が効いて気持ちがいい。跳ねるように司会のもとまで歩いてマイクを取り上げた。
「みなさん聞いてください。私は睦にあんなことやこんなことをされました。大事なところも舐められ舐め回した仲です。そして私から睦を奪ったのがこの女です。こんな二人・・・」
私がせっかくのスピーチを終える前に黒服の男が何人もやってきて私は腕をつかまえられた。
なんで!?私は何も悪いことはしてないのに!本当のことを言ってお祝いしようと思っただけなのに!
必死に抵抗したけどさすがにかなわず、どんどんと外に連れ出される。
その瞬間、驚いたように私を見ている主任の姿が目に入った。
なんなの、人生って絶対不公平。
なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの。
私から睦を、私のすべてを奪っていったあの女がなんで幸せをつかんでるの。
なんでみんな私をそんな目で見るの。何も悪いことしてないのになんで・・・
警察を呼ばれ、薬が見つかり現行犯逮捕。
なんでこんなことになったんだろう。




