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これが最後と

睦が来なくなったのは新井さんがいたからなんだ。どっちから誘ったのかはわからない。きっと新井さんだろう。彼女はそういうことをするような人には見えない。どちらかというと地味で目立たないほうだ。そのくせ仕事も正直大してできるわけじゃない。そんな人のことなんて睦が好きになるはずない。何かの気の迷いとか、よくわからないけどとにかく彼女はいなくなった。これで睦は私に会いに来てくれる。


何度もメールをした。電話もした。毎日待っていた。


それなのになんで来ないんだろう。なんで連絡がないんだろう。


睦と会えなくなってもう3ヶ月が過ぎた。このまま自然消滅するのだろうか、という不安が日に日に大きくなって気持ちが悪くなる。


だいたい、もう3ヶ月も会ってない人なのになんでこんなに好きなんだろう。でも不思議なことに会えない時間が増えるたびに私の中で睦の存在が大きくなっていく。もしかして前に会った時、私が睦の気に障るようなことをしてしまったのか。私は気付かなかったけれど睦にしてみたらとても嫌なことをしたから会えなくなったのだろうか。何をしたんだろう、私は。なんで気付けないんだろう。


そんなことを考えて毎日泣いている。


きっと私が悪いことをしたんだ。ごめんね、私がきっと睦の気に障ることをしてしまったんだよね、とメールしても返ってこない。それほど怒っているんだ。私は取り返しのつかないことをしてしまった。

睦に会いたい。会って謝りたい。私の何が嫌だったのか聞きたい。会いたい。


もう仕事なんて常に上の空だった。時々営業の人たちが事務所に入ってくる時だけは全身の感覚を研ぎすまして視覚に集中させる。睦がいないか探すためだ。


そんな時だった。

事務所のドアが開く音がして振り向くと睦が入ってきた。

その瞬間私は心臓がおかしくなるかと思った。

話をしたい。どうして会えないのかこの場で聞きたい。

思わず席を立ち、睦に駆け寄ろうとしたところで睦は事務所の外へ出てしまった。

私もすかさず外に出て追いかけたけれど走って行ったのか、見失ってしまった。


そんなに嫌なんだ。

私と話すのがそんなに・・・。


その夜、私は決めた。


「今までごめんね。睦と会って話がしたいよ。今日のうちに電話が欲しい。もし電話がなかったらもう睦のこと諦めるね。」


メールを送った。

これで今日中に電話が来なかったら終わり。そう決めた。

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