表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

知らないほうがよかった話

睦と会えなくなって二ヶ月になろうとしていた。もう睦といっぱい愛したあの感触も忘れかけてきている。完全に忘れてしまうまでに会えるだろうか。

ただ、常に年下でいたいから仕事にも渋谷で買った制服みたいなブラウスに膝上15センチのチェックのスカート、紺のハイソックスで来ている。いつ睦と会ってもいいようにメイクも髪も常にぬかりはない。


一人の休日は渋谷をふらつくようになった。欲しい服があったら買うし、いろいろ見ているだけでも楽しくなる。まさか私がこんなにおしゃれに興味があるなんて思わなかった。睦と出会ったから私は変われたんだ。

街を歩いていて声をかけられることも増えた。ナンパも初めてされた。高校生?って聞かれたのが嬉しかった。そんなことをして一人の休みが過ぎていく。

楽しいのかな。寂しい。できることなら睦に会いたい。それだけで私はこの先ずっと希望を持って生きていけるのに。


「大野さんにちょっと相談があるんだけど」

主任が私のところへ来た。

「北海道に行ってみたくない?」

「え?」

「いや、こっちから北海道支店に一人くれって言われててさ。でも遠いから誰かいい人いないかと思ってね」

もちろん大野さんでもいいんだけど、いろいろ大変みたいだし。と主任は付け加えた。

「それは私に行ってほしいってことですか?」

「いやいや、むしろ大野さんが行きたいって言っても俺が止めるよ。」

「はぁ・・・」

「大野さんが抜けたらここが大変なことになるからね」

「そうですか」


いっそのこと北海道に行ってやろうか。睦からは相変わらず連絡がない。私は従順に待っているだけ。

それなら私も連絡しないで北海道に行ってしまいたい・・・

そんなことを考えながら休憩室のドアを開けようとした時だった。

米山さんたちが話している声が聞こえた。


「えっ!?それどこ情報?」

「営業の松谷さんって知ってる?栗原さんと仲いいらしくて聞いたんだって。もう半同棲状態らしいよ」


もしかして私のことがばれた・・・?だから最近ずっと睦は避けているのだろうか。


「昨日も行ったみたい。家に」

「すごい!まさかこんな近場で彼女なんて」


昨日・・・?私のところには来ていない。いったい誰のこと・・・?


「新井さんって全然目立たないタイプなのに意外とやることやってんだね」


新井さん・・・。

なんで私と一緒の班の人と半同棲してるの?

なんで私じゃないの・・・?

ずっと待っていたのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ