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【クリスマス特別掌編】サンタさんとトナカイさん

作者: 森田金太郎
掲載日:2025/12/24

昔、あるところに、とても仲のいいサンタのホワホワさんとトナカイのケンケンさんがいた。その仲は、世界に数多あるサンタさんとトナカイさんのコンビの中で、随一と言われる程だった。


 ある年のクリスマス。毎年のようにホワホワさんと、ケンケンさんは、世界中の子供達の為に大空を飛んでいた。ケンケンさんは言った。


「ホワホワさん!今年も頑張ろう!!」

「そうだねぇ!ケンケンさん、今から子供達の笑顔が楽しみだよ!!」


 ケンケンさんに引かれ、チャリンチャリンと空を走るソリの上で、ホワホワさんは満面の笑顔。しかし、次の瞬間、空で大爆発が起こった。悪魔の仕業だった。悪魔はケタケタ笑いながらこう言って消えて行った。


「子供達を笑顔にするだって?認めんわ!サンタもトナカイもいなくなっちまえ!!」


 ホワホワさんとケンケンさんは、爆風で離れ離れに。プレゼントは奇跡的に子供達の上に降っていってくれたが、ホワホワさんは北極に、ケンケンさんは南極に飛ばされていってしまった。


 北極。ホワホワさんは言った。


「ケンケンさん!どこだい?」


 ケンケンさんも、南極で言った。


「ホワホワさーん!返事してー!!」


 それから、ホワホワさんとケンケンさんはお互いを探して世界中を歩き尽くした。しかし、すれ違うホワホワさんとケンケンさん。なぜなら、お互いがいるという噂を追いかけてどちらも移動してしまったから。そんな生活をおおよそ20年続けてしまった。


 その間、ホワホワさんもケンケンさんも子供達の為を思い、別の相棒とプレゼントを運んだが、ウマが合わなかった。そして、ホワホワさんもケンケンさんもプレゼント運びを辞めた。


 ホワホワさんは言った。


「ケンケンさん、噂では生きてるのに、なんで会えないんだろうね」


 ケンケンさんも言った。


「ホワホワさん!会いたいよ!!ホワホワさんを乗せてプレゼントを運びたいよぅ!!」


 それから、5年ほど経った。ホワホワさんはケンケンさんを懐かしむ為、ケンケンさんはホワホワさんを懐かしむ為、出会いの場にふらふら行った。大きな雪山のふもとに辿り着くと、ホワホワさんはケンケンさんの、ケンケンさんはホワホワさんの姿を見た。


「ケンケンさん!!」

「ホワホワさん!!」


 驚きの再会であった。それからこれまでのおおよそ25年間自分達にあった事をいつまでも話し続けた。その後、ホワホワさんは言った。


「ねぇ、ケンケンさん、一緒にまたプレゼントを子供達に運ばないかい?」

「うん!ホワホワさんとまたプレゼント運びたい!!」


 しかし、その時子供達にプレゼントを運ぶサンタさんとトナカイさんの人手は十分足りていた。他のサンタさんとトナカイさんのコンビから、「仕事を奪うな」とまで言われてしまった。ケンケンさんはうなだれ言った。


「うー、プレゼント運びたいよぅ」


 ホワホワさんは考え込んだ後、言った。


「子供達に運べないなら、大人達にプレゼントを運んでみよう!!」


 ケンケンさんの顔がぱっと明るくなった。


「それ!いい!!やろ!ホワホワさん!!」

「よーし、ケンケンさん!頑張ろう!!」


 しかし、ブランクがあった為、運ぶスピードがガタ落ち。限られた大人にプレゼントを運ぶ事になったホワホワさんとケンケンさん。ホワホワさんは言った。


「ああ、疲れちゃうね」

「うん、でも、大人達も笑顔!楽しもうよ!!」

「そうだね!ケンケンさん!それでこそケンケンさんだ!!」

「よーし!行くよー!!」


 ホワホワさんとケンケンさんはゆっくり空を飛んで行った。


 大人達に、プレゼントを運ぶ為に。

(完)


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