第二話 異世界
「……ここは……?」
転移された陸虚は、目を覚ました。視界いっぱいに広がるのは、果てしない草原だった。
「空気の流れが違う……霊力は濃いけど、流れが混乱してる。ここ、本当に秦国なのか……? って、あれ? 荷物は……?」
気づくと、自分の体には着ていた服だけが残されていた。
「まさか、転移中に空間の法則に潰された? 丹薬も、符簶も、何もない……あの鼎は? あれは師匠の若い頃の秘宝……いや、あれならこの程度の空間乱流で壊れるはずない。……となると、原因はこの“大乾坤転移符”か」
深くため息を吐きながら、陸虚は空を見上げた。
「……師匠よ。まさか仙界に行ってまで、僕にイタズラを仕掛けるとは……」
とはいえ、今さら文句を言っても仕方ない。陸虚は思考を切り替えた。
「ここが試練の地ってことかな。力は残ってるし、ひとまず町を探そう。……しかしこの霊力の違和感、本当にすごいな。濃すぎるっていうか、圧がある。この環境で修行すれば、金丹の純化も三倍速で進むはず……。いや、いやいや! 今は“感情”を鍛える旅だって決めたばかりだろ、研究室モードはやめろ」
そう自分に言い聞かせながら、遠くから聞こえてきた騒がしい音に耳を澄ませた。
「この音は……馬車? しかも一台じゃない、十台以上。ってことは、いわゆる“商会”ってやつか。ちょうどいい、様子を見てみよう」
陸虚は右手を前に突き出し、印を結ぶ。
「『遁甲術』」
その瞬間、気配がふわりと薄れ、姿も背景に溶け込んでいく。五分ほど走った後、ついに目標を発見した。
草原の向こうに、馬車が十台、護衛付きで移動している。商人らしき者が十名ほど、残りは武者と魔術師らしき存在が付き添っていた。
「服装……顔立ち……秦国の人じゃない。金髪に碧眼? 異民族? でも方士もいるっぽい? 翻訳間違えたら命取りになるような術式を、他の文化圏の人が使ってる……? いやいや、何を考えてるんだ僕は……」
一瞬思考の渦に巻き込まれた陸虚だったが、すぐに我に返った。
「ま、話しかけてみようか」
そう思い、「遁甲術」の術式を解こうとしたそのとき――
「アオォォ――!」
草原の向こうから、狼の群れが襲来してきた。
「魔獣の襲撃だ!」
商会の者たちは即座に陣を組み、防御態勢をとる。
「戦士は前へ! 弓使い、攻撃準備! 魔術師は範囲魔法の詠唱に入れ!」
緊迫する空気の中、狼たちは容赦なく迫ってくる。戦士たちが前衛で立ち塞がり、弓兵が矢を放つ。
「魔法攻撃はまだか!?」
「来たぞ――『火流星術』!」
空に赤い光が集まり、無数の火球が降り注いだ。狼たちの群れに大打撃を与える――が、残りはまだ多い。
「もう一発頼む!」
「ムリだ! 中級魔法は詠唱が必要だし、連発できる状況じゃない。あとは低級魔法の瞬発くらいしか……!」
「くそっ……もうダメか……」
そのとき。
「『引雷』」
低く、だが鋭く響く声が草原に走った。
次の瞬間――
天空から雷鳴が轟き、巨大な雷が狼たちに落ちた。一撃で戦場が沈黙する。
「な、なに……今の……」
「ば、化け物だ……あの威力、あれは……大魔法使い(ランク4)級だぞ……」
「若すぎる……あんな若いのに、まさか本当に……」
呆然とする商人たちの前に、陸虚が姿を現す。
「大魔法使いって……なんだ?」
先ほどから状況にツッコミたいことが山ほどあった陸虚は、ようやく誰かに質問できる状況になった。
「ルルファ、失礼だぞ! この方は我らの命の恩人だ!」
商隊の中から、一人の壮年の男が前に出てきた。
「私は森林商会の会長、ドック。失礼な口をきいたのはうちの魔法使いルルファだ。口は軽いが、悪いやつではない。改めて、ありがとう、」
「陸虚です。こちらこそ、助かりました」
礼を言い合いながら、ドックは陸虚を馬車の脇に案内し、腰を下ろす。
そして、陸虚はついに気づく。
――ここは、秦国ではない。
――否、この世界そのものが、自分の知っている世界とは違う。
空気中にあるのは“霊力”ではなく、“魔力”。
人々はそれを使い、「魔法使い」と呼ばれる存在になる。
魔法使いの階位は、1級(魔法の初心者)から7級(大魔導師)まで。
魔力の修行は、霊力とは異なる法則で進む。
霊力:法則の感知→全身の霊力を金丹へ→霊力を極限まで純化→天劫へ
魔力:吸収→習得魔法の体系形成→三系統魔法を極める→奥義と法則理解→昇華
魔法の修行システムと霊力の修行はシステムは全然遣う、霊力の修行は最初かを規則を感じ、その規則を身につける後そのルールに従って全身の霊力を金丹になる、最後は金丹の霊力を充実と純化し、完璧の時に天からの試練を受けて仙になる。
魔力の修行は最初から最後まで魔力を吸収し、魔力はそろそろ円満の時から規則を理解している、その魔力核心を修行中にを形成する、低級魔法3つ、中級魔法3つ、高級魔法3つ、その対応されてのレベルは3級の魔法使い、4級の大魔法使い、5級の魔導士その後魔法奥義を習う6級の魔導師、最後の大魔導師はルールを身について同じような試練を受けてもっと高い次元に行く、普通に魔法を使う時吟唱は必要であり、その核心魔法は吟唱必要ない、どんな風に魔法使いになると核心魔法を選びは大事である。
両方の修行システムはいい点と悪い点もある、陸虚の陰陽金丹はまだ初期であり、こちらのレベルに換算すると5級の魔導士相当だが方術の威力は中級魔法レベルより高い、高級魔法のレベルに弱い。
金丹中期になると三核魔導士相当、金丹後期は6級魔導師レベルで、金丹円満は7級の大魔導師、いい点は方術は吟唱必要ない、結印だけそれはほぼ瞬発魔法と一緒、結論的に言えば高い次元に行くまで霊力質が良い量は足りない、魔力は量が多いが質は普通。
この大陸は人族、エルフ、海族、魔物など様々な種族が存在している。人族の国「帝国」は大陸の中心のところであり、その真ん中は王都、周り四つの大都会、更に外は数百の町である。陸虚今は東の大都会ライフタリンの周辺にいる。
陸虚の旅はまだ始まったばかり。
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