今大切にしたいこと
希実と仲良くなった一週間後の五月のある日
いつもの通学路で拓馬、紗奈、優吾、桃香、 牡丹、希実が話をしながら学校へ向かっていた
朝はこのメンバーで行くのが最近の日課になっている
優吾『今日から学校か早く休みにならないかな』
牡丹『ゆ、優吾くんそう言わないで勉強
頑張ろ』
拓馬『そうだぞたった5日頑張れば休み』
大体の高校生中学生は学校がめんどくさいと思っているものだ
特に週の初めの月曜日が1番の憂鬱なものだ
月曜日から元気っぱいな中学生や高校生は
滅多にいない
いるとすればそれはもう
物好きって言っていいだろう
優吾『そりゃぁそうだけどさやすみでもなんか楽しみがないと気合い入らないんだよな
どうせ夜は家の手伝いだし』
桃香『確かにそうよね遊ぶ約束していると
その分頑張れるわよね』
珍しくこの時は優吾の言い分に
みんな同情していた
優吾『そうだ!拓馬っち今週遊ばない?
この前俺風邪引いたから遊べなかったし』
拓馬『お!それいいなどうせなら
誘おうぜ』
優吾『おー!それいいな!』
男子二人が話してるのを横目に
女子四人も話をしていた
紗奈『私たちも遊ばない?』
桃香『私はいいわよ』
牡丹『私もいいよ』
希実『私は土曜日は弟の面倒見なくちゃ
いけないのよねだからもしかしたら無理かも』
紗奈『希実ちゃん弟いたんだ』
希実『そうなの小2の弟がいるの
まぁ宏明が年少の時に離婚したんだけどね』
紗奈『そうだったんだね』
そんなこんな話をしていると、
学校に着いた。
下駄箱で靴を履き替え教室に入ると清水が部活終わりで休んでいた。
昌也『みんなおはよう』
拓馬『おはよう昌也』
清水とは拓馬と優吾は名前で呼び合う仲になっていた
紗奈たち女子も君付けで呼ぶようになり
昌也もちゃん付けで呼ぶようになるまで
仲良くなっていた
各々カバンを片付けて教室の後ろで集まり
話し始めた
優吾『そうだ!昌也っち土曜日空いてる?』
昌也『うん空いてるよちょうど部活休みだよ』
優吾『3人で遊ばない?拓馬っちと俺と
3人で』
昌也『うんいいよどこであそぶ』
すると真っ先に拓馬は
拓馬『美味しそうなカフェあったから
そこ行かない?』
昌也『うんいいよ』
優吾『たく、本当に拓馬っちはスイーツ
好きだよな』
拓馬『優吾ひとつ忘れてるぞ』
優吾『ん?なんだ?』
拓馬『あのはアニメも好きなことをだよ』
優吾『わかってるよそんぐらい!』
っと、ドヤ顔でアニメも好きと言われた優吾は
思わずツッコミを入れた
そんな話をしていると佐原が教室に入ってきた
佐原『うぃーす』
佐原が入ってきたのをみんな席に着いた
その後は朝礼をし始めた
朝の挨拶や健康観察などをやったあと
佐原が話し始めた
佐原『このクラスはまだ学級長服学級長
書記が
決まっってない来週あたりに決めようと思う
各々誰がいいか考えてきてくれ
いなかったらいないでいいからな
あと部活の申請書今週中だ
入りたいやつは出しておくように以上だ』
そして朝礼が終わり
また7人が集まり話し始めた
優吾『学級長かおれは誰でもいいかな』
桃香『もうー優吾はまた投げやりにする
少しは考えたらどうなの?』
牡丹『まぁまぁ桃香ちゃんおちついて』
拓馬『でもそうだなしいていうなら
おれは昌也があってると思うけどな』
昌也『僕?』
希実『確かにそうよね今現在このクラス引っ張っているの昌也くんだものね』
昌也『確かに今引っ張っているのは僕かもしれないけど
それはあくまで一次的なものだから
1年間は無理だよ』
拓馬『そうか俺はあってると思うけどな』
そんな話をしていると
紗奈『ねぇみんな話変えてもいいかな?』
拓馬『ん?紗奈どうしたんだ?』
桃香『どうしたのよ改まって』
紗奈『桃香は本当に部活やらなくていいの?』
桃香『前にも言ったでしょ部活は入らないって』
優吾『そうだよ紗奈ちゃん、桃香ちゃん
は部活は入らないっていってたよ』
その話している光景を陰から見守る拓馬
この時拓馬はいまは紗奈が言いたいことを言わせた方がいいと思っていた
紗奈『違うの』
希実『何が違うの紗奈ちゃん』
紗奈『桃香、私に気を遣って部活入らないようにしてるんじゃない?』
桃香『紗奈何言ってるの私が紗奈に
気を使うわけないじゃん』
紗奈『うんうん?使ってるだって
中学生の頃あんなに夢中になってたバスケを
なんでそんな簡単に辞めちゃうの?』
その言葉に桃香のスイッチが入った
桃香『紗奈に何がわかるの!』
それに紗奈もスイッチが入った
紗奈『ほら怒った!ていうことはやめたくなかったんじゃないの!』
その声は大きくなっていき
その声にクラスメイトが何事かと紗奈たちに
目を向ける
桃香『違うわよ!私は辞めたくて辞めたの
バスケは3年間やれただけで満足だったの』
昌也『二人ともちょっと落ち着いて』
紗奈&桃香『昌也くんは黙ってて』
二人の仲裁に入った昌也に
二人は息があったかのように黙っててと言い
昌也も『ごめん』とあまりの迫力に引いてしまった
紗奈『だったらなんでさ今桃香は怒ってるの
辞めたくて辞めたんならさ
怒らなくていいじゃん』
桃香『それは!紗奈がわかってくれない
からでしょ!』
紗奈『私はわかってるよだから
今こうして気を遣わないで部活をやってって
言ってるんじゃん』
桃香『だから!わたしは気を使ってないって
言ってるでしょ!』
するとそばで聞いていた牡丹が
牡丹『二人とも喧嘩はやめてよ!
そんなの二人らしくないよ泣』
と泣きながら止めにはいった
それに続いて
希実『確かに二人は仲良くしてほしい』
と希実も止めに入った
その場はそこで一旦落ち着いた
泣いてしまった牡丹は希実が慰めて
しばらくして二人はバラバラに謝りに行った
その後二人は席に戻りその日から二人が話すことはなかった
いつもは一緒に帰る道も
この日は紗奈と希実と拓馬
そして牡丹と桃香と優吾で帰って行った
その後数日間一緒に登下校やご飯を食べる
が紗奈と桃香は話さず二人とも
拓馬たちと話ばっかりしていた
そして3日がたち木曜日の夜
拓馬は紗奈に電話かけ始めた
紗奈『もしもし拓馬どうしたの?』
拓馬『ごめんね夜遅くに』
紗奈『大丈夫どうしたの?』
拓馬『桃香ちゃんと仲直りするべきだと思う』
紗奈『うんわかってるけどなんか話しかけにくくて』
拓馬『じゃあ明日二人で話す時間作るから
その時仲直りして』
紗奈『わかったなんかごめんね私たちのせいで』
拓馬『大丈夫だよ紗奈と桃香にはいつまでも仲良しでいてほしいからさ』
紗奈『うんありがとうまた明日ね』
拓馬『うんおやすみ』
そして電話を切り拓馬は優吾にそのことを伝え
優吾から桃香には二人で話してって伝えた
そして次の日の帰り道二人で帰り始めた
その間それ以外の四人は少し離れたところから
見守ることにした
最初に声を発したのは紗奈だ。
紗奈『なんか話すの久しぶりだよね』
桃香『うんそうね』
そこからしばらく話さずにいた
それに見かねて
希実が『たくしょうがないわね』
と、二人のところに行こうとしたのをみて
優吾はとっさに手を掴んだ
希実『なによ、あのまんまだと仲直りできないじゃないそんなの私は嫌よ』
優吾『希実ちゃん気持ちはわかるけどさ
今は二人に任せた方がいいと思うんだ』
拓馬『優吾の言うとおりだこれは
あいつらの問題だ信じて待つしかない』
希実は優吾の手を振り解いた
希実『けど仲直りできなかったらどうするのよそれじゃあ意味がないじゃない』
そう言う希実の手をそっと握った牡丹は
希実の顔を見ながら言った
牡丹『多分大丈夫じゃないかな私小学校からさずっと見てきたけど喧嘩してもあの二人はすぐに仲直りしてたよだから今回の喧嘩は
あの二人がもっと仲良くなるために必要なことだと思うよだからさ信じよ』
その言葉に希実は観念したのか行くのを辞めた
希実『わかったわあの二人を信じることに
したてみるわ』
それから数分後
今度は桃香から紗奈に話しかけた
桃香『なんか初めてよねここまで
仲直りしなかったのは』
紗奈『うんそうだねいつもはその日のうちに
仲直りするもんね』
桃香『紗奈、私はね本当に無理して
なんかいないの』
紗奈『本当なの』
すると二人はその場に止まった
それを見て四人も止まった
桃香『うん本当よ確かに中学の頃はさ
バスケが好きでさ頑張ったけど今はさ
バスケも好きだけどそれ以上にさ
紗奈たちと過ごすのがもっと好きなの』
紗奈『でも弟くんもバスケ部入ったんでしょ
お姉ちゃはなんで入らなかった
のってなんない?』
桃香『たく紗奈って本当に心配性だよね
そこは私に任せて
それにさ私完璧に辞めたわけじゃないよ』
紗奈『え!?』
桃香『先生に頼まれた時だけ手伝いにバスケ部に行くことにしてるのよいわゆる幽霊部員っていうやつ?』
紗奈『そうだったんだ』
桃香『だからさ今は私が一番やりたいこと
違う大切にしたいことがあるの』
紗奈『大切にしたいこと?』
桃香『うん私が大切にしたいことはね
もっと拓馬くんや優吾くんや昌也くん
紗奈に牡丹それに希実ともっと仲良くなること
それが今私が大切にしたいことなの』
紗奈はその言葉に涙が出てきた
桃香も話をしながら涙を流していた
そして紗奈は桃香に抱きついた
紗奈『桃香ごめん私桃香の気持ちに気づいてあげられなかった
桃香の気持ちを知らないで私の意見ばっかり
押し付けてた』
それに桃香もさっきより大粒な涙を流して
答えた
桃香『私こそ意地張って酷いこと言ってごめん
私こそ正直に言えばよかったあの時に
自分の気持ちを正直に言えてれば
こんな喧嘩しなくてよかったて言うかこれ喧嘩じゃないね』
紗奈『確かにただの意見の食い違いだったね』
仲直りしてるのを見て
四人も近寄ってきた女子の二人には
うっすら涙が見れた
拓馬『よしこれで一件落着かな』
優吾『よかったよかった仲直りできて』
二人はハグをやめ四人の方を向いた
桃香『みんなには迷惑かけちゃったわね』
紗奈『私たちのせいで本当ごめんね』
牡丹『気にすることはないよ仲直りできて
よかったし』
希実『そうよ私のいつ見ても可愛くて綺麗で
だーいすきな紗奈ちゃんにはいつまでも笑顔でいてほしいからね』
桃香『さりげなく怖い人いたわよ』
希実『誰のことよ!!』
最近はこう言うことが多々あるみたいで
その度に桃香がツッコミを入れるのが
恒例になっている
その後は久しぶりにみんなで話しながら帰った
過去に3日間ここまで話さなかったことは
なかった。
彼らにとってこの体験は今後の人生に
大きく役に立つだろう
幾多の困難もこの6人いや昌也も入れれば7人ならきっと乗り越えられる
そして次の日の朝
いつものメンバーそしていつもの道に
いつもの6人の背中が姿があった
仲睦まじい姿があった
決して壊れることがない固い絆また一つ
生まれたのであった
第6話end