第3話『友達になる権利』
伊藤「あ、赤石くん神山さんわたしと、
その…私と友達になってくれませんか!?」
そう言って伊藤は2人に向かって頭を下げた、
その瞬間周囲にいた人は拓馬たちを見ながら
通り過ぎていく。
紗奈「え!あっちょっと伊藤さん頭あげて」
紗奈は慌てて伊藤に頭を上げるように言い
そして伊藤は頭を上げた。
紗奈の心の中は「通り過ぎていく人たち
私たちのことをみてるよね恥ずかしい」
と言う気持ちになっていた。
紗奈だけではない拓馬も恥ずかしい気持ちになっていた。
けれど紗奈も恥ずかしがってるのも気づいてるため拓馬は心を落ち着かせ
伊藤に話しかけた。
拓馬「急にどうしたの?理由を聞きたいな」
すると徐に伊藤は少し怯えつつ話し始めた。
伊藤「わ、私ずっと赤石くんたちと友達になりたかったんだけど、
喋りかける勇気がなかったんです」
それを聞いた拓馬思った。
拓馬「これは少し長くなりそうだし
カフェでも行って話した方がよさそうだな」
そう思った拓馬は紗奈たちに話しかけた。
拓馬「うーん?ここじゃあれだし!
近くにあるカフェでゆっくり話しようか」
紗奈「それもそうだね一旦カフェ行こうか」
伊藤「う、うん」
すると拓馬はスマホを手に持ち電源をつけた。
拓馬のスマホ画面はロック画面は好きなアニメキャラで、
待受画面は美味しそうなスイーツの写真にしてある。
スマホカバーは
これはシンプルな紺色の手帳型のケースだ!
そして近くの美味しいカフェを調べながら二人に話しかけた。
拓馬「うーんこの近くにある美味しいところで言うと5分ぐらい歩いたところにある
みたいだねそこでもいいかな?」
紗奈「うん私はいいよ」
伊藤「わ、私もどこでもいいです」
拓馬「じゃあそこ行ってみようか」
そして3人はカフェに向かって歩き出した。
その間一言も喋らず黙々と歩いた。
決して気まずいわけでもない、
ただ何を話していいかわからなかったのだ、
紗奈と伊藤は
なんか話さなくちゃと思いつつ
話す内容が思いつかないでいた。
ただしかしたった一人だけ違うことを考えていた人物がいる。
拓馬だ。
拓馬は二人のとこを心配しつつ、
カフェで食べるものをずっと考えていた
ケーキにしようかパフェにしようかパンケーキ
にしようかずっと考えていた。
互いが違うことを考えつつ
5分後目的のカフェに着いた。
カランカラン♪
拓馬が扉を開けると、
定員A「いらっしゃいませ何名様ですか?」
メガネをかけた20代前半の若いパートの
定員が拓馬たちに声をかけた。
拓馬「3人です」
定員A「ではこちらへどうぞ」
そして拓馬たちは窓側の席へ案内された。
拓馬たちは白色の椅子に座った。
ちなみに机も白い椅子だ。
片方に紗奈と拓馬、
その向かいに伊藤が座った。
四人が座ると定員が脇にメニュー表を挟んで、
お盆に透明のプラスチックコップを三つおき、
氷を入れた後水を入れ拓馬たちのテーブルへ運んだ。
定員A「こちらお冷になりますこちらが
メニューになってるのでお決まりになったら
お呼びください」
そして定員は水とメニュー表を置き
その場を去った。
定員が去ったのをみて拓馬が声を発した。
拓馬「伊藤さんはなんで僕達と友達になりたいと思ったの?」
紗奈「確かにほかにもいいこはいっぱい
クラスにいるよ」すると伊藤は答えた
伊藤「わ、私は神山さんたちと友達になりたいんです」
それに紗奈は質問した。
紗奈「どうして?」
すると伊藤は思い思いに話し始めた。
伊藤「二人は私が小学校の時から
同じ学校だったの知ってる?」
拓馬「うん確かに同じ学校だったね」
そう実は拓馬たちと同じ学校に
伊藤もいたのだ。
ちなみにI、2年の頃は四人と同じ、
3、4年の頃は優吾と桃香と、
5、6年生は一年の頃と同じ4人と一緒の教室になれたのだ。
中学校はずっと四人同じだった。
伊藤「実はずっと友達がいなくて
そんな時神山さんたちが仲良く話してるのを見て声をかけようと思ったんです
一緒に遊んだりご飯食べたりおしゃべりしたかったんです」
この時の伊藤は明るく話していた。
自分が友達と、
してみたいことを話しているのだから
それが当たり前だ。
この話を聞きながら、
拓馬は「明るい子でいい子だな」
と思っていて、
紗奈は「学校でもこういうふうに話せばいいと思うんだけどそれが難しいんだよね」
と思っていた。
伊藤「でも中学校は同じだから、
ゆっくり話しかけようと思っていたらいつの間にか三年生になってて、
高校だと別だよねと思っていたら
同じ学校になれて安心しました。
しかも同じ教室になれた時は嬉しかったです。
今度こそ話して友達になりたい
と思ってました。
だけど声をかけられずにいたんです。」
この辺りから少しずつ伊藤は涙を流し始めた
涙を指で拭きながら話している。
その姿にびっくりしながらも二人は真剣に話を聞く。
伊藤「急に話しかけて変なこと思わないのかなとか
嫌な思いしないのかなとか
そんな妄想ばっかりしちゃって
そしたらいつのまにか高校生になっちゃって」
話をしながらそして伊藤は話を
中断して本格的に
泣き始めた。
メガネを取り指で涙の拭う。
この時紗奈は「泣くほど困っていたんだなんで
気づいてあげられなかったんだろう」
と思っていて、
拓馬は「言いたいこと全部言わせてあげたほうがよさそうだな」と思っていた。
そして少し泣いた
後伊藤は「ごめん私トイレに行ってきます」
紗奈「一人で行ける?」
伊藤「うん大丈夫です」
そして伊藤は眼鏡をかけトイレにいった
伊藤がトイレに入ったのをみて
拓馬と紗奈が話し始めた
紗奈「拓馬?今の話どう思う?」
拓馬「そうだね伊藤さんは
僕達と仲良くなりたいと思いながらも
誘う勇気がなかったから
それをずっと引きずってたと思ったとおまうと少しかわいそうなことをしたなと思ったな」
紗奈「私も拓馬と同じこと思ってた
話しかけてくれてもよかったのにとか
なんで気づいてあげられなかったんだろうとかそう思っちゃった」
拓馬「そうだなでもさ世の中伊藤さんみたいな子は結構いると思うよ」
紗奈「そうだよね
話しかけられない子って結構いるもんね」
紗奈がしんみりそうにしているのを見て、
拓馬「おいおい紗奈まで泣くなよ」
紗奈「私は大丈夫泣かないよ」
拓馬「ならよかった」
そういっていた拓馬だが心の中では
拓馬「紗奈ったら大丈夫か?」
っと紗奈を心配していた。
するとトイレから伊藤が戻ってきた
伊藤「ごめんねトイレに行っちゃって」
紗奈「大丈夫だよ少し落ち着いた?」
伊藤「うんでもまた泣くかも」
拓馬「大丈夫だよゆっくりでいいから
話してみて」
伊藤「うん」
すると落ち着かせるために水を一口飲んで
話し始めた。
伊藤「ずっと声をかけられなかったのは
いつも赤石くんと神山さんっていつも
科山くんと華原さんと一緒にいるのに
私な急に話しかけてもいいのかなて
勇気がなく声をかけられなかった子に
友達になる権利なんてあるのかなって
思っちゃってさそれで声を掛けたくても掛け
られなかったんだよね」
そういうとみずをのみ、
また心を落ち着かせ深呼吸していた。
伊藤の言うこともわかる。
四人は授業以外の休み時間はほとんど一緒にいるため
他の生徒は自然と話しかけづらいのだ
もちろん四人は全く話しかけてくるなよオーラは出してはいない
けれど自然とみんな話しかけちゃいけない
っと言う先入観があったのだ
伊藤が深呼吸をしていた時紗奈は
紗奈「伊藤さんだけではなくもっとみんなとコミュニケーション取ろうと
変なふうに思われたくないからね」
そして拓馬は「今の俺たちってみんなから見るとそう思っちゃうのかみんなと喋ろう」
深呼吸をし終えた伊藤がまた話し始めた
二人は優しい顔をして伊藤の話を聞いていた
伊藤「大体友達になれても喧嘩
とかしたらどうしよう泣かせたらどうしよう怒らせたらどうしようとか
いろんなことを考えちゃって」
すると拓馬は「友達になる権利か、
これは思ったより考えすぎてるな」と
心の中でおもっていると紗奈が伊藤に話しかけた
紗奈「そんなに思わなくても気軽に話しかけて良かったんだよ?」
伊藤「でも私はそれができなかったんです」
この時今までより大きい声で返答した伊藤は
しまったと思いまたみずをのみ落ち着かせた後
伊藤「ごめんなさい急に大声を出してしまいました」
紗奈「大丈夫だよ続けて」
伊藤「あっはい。
さっきも言ったんですけど
喋るかける勇気がない私なんて友達になる
権利ってないのかなって思っちゃって
さっき泣いたのもそれを思ったのが
理由なんです
ネガティブな私って友達になる権利ない
ですよね
私友達になるの諦めて一人でいます」
紗奈「そんな私たちは大丈夫だよ
拓馬からも何か言ってよ」
紗奈がそう言うと黙って聞いていた
拓馬が優しい声で口を開いた
拓馬「ねぇ伊藤さん」
伊藤「あっはいなんでしょうか?」
拓馬「友達になるのに権利って必要なのかな」
伊藤「え?」
拓馬「これは僕の意見なんだけどね友達になるのに権利なんてないと思ってるんだ
だって友達って
いろんなことを一緒に分かち合えるものだと思ってるんだよね」
その言葉に伊藤の中で何かが変わった。
今まで考えてたことが間違いだったと気づいた伊藤は「赤石くんっ何かわかんないけどまた
すごい」っと心の中で思いながら聞いていた
紗奈も「拓馬って昔から私やみんな
困った時に毎回、助言してくれるから
その度にその言葉で助けてられたな」
っと昔のことを思っていた
拓馬「楽しいとき、笑いたい時、辛いとき
寂しい時、泣きたい時。
例えば、
楽しい時笑いたい時
友達がいればもっと
楽しくなるし面白くもなる。
逆に辛い時、悲しい時、泣きたい時は
友達がいれば、
悲しい気持ちが半分になるし
ともに一回りも二回りも成長できるでしょ。
逆にさ、
そう言う辛い時ほど友達って必要だと思うんだよね。
一人では乗り越得られなかったら誰かを頼ってもいいし、
誰が困ってたら助けてあげる。
そうやって互いに助け合うって言うのが友達
喧嘩したっていい怒らせたっていい、
大事なのはその先にあることなんだよ。
だから友達って伊藤さんが思うほど考えなくてもくてもいいんだよ。」
それを聞きながら静かに涙を流しその涙を、
人差し指で拭いているのがみてとれる。
それを見て紗奈は思った
紗奈「やっぱり拓馬はかっこいいな。
みんなに優しくできるたくまのこと好きになって改めて良かった」
伊藤「じゃ、じゃあ
改めてきいてもいいですか」
拓馬「うん」
紗奈「もちろんいいよ」
伊藤「私と友達になってください!」
それを聞き紗奈と拓馬は目を合わせあと
拓馬が口を開いた。
拓馬「僕たちで良ければ」
紗奈「友達になるよ」
伊藤「二人ともありがとうございます」
すると紗奈が少し考えたのち口を開いた
紗奈「うーんタメ口にしてくれると、嬉しい
それから友達だし私は下の名前で呼んで」
拓馬「それなら僕はどっちでもいいよ
呼びやすい方で」
そして伊藤は勇気を振り絞った!
この時の伊藤は嬉しさもありつつ少し不安もあった声をしていた。
伊藤「あ、ありがとう赤石くん、紗奈ちゃん」
すると伊藤の顔は自然と笑顔になった
紗奈「私たちは伊藤さんのこと牡丹ちゃんって呼んでもいいかな?」
伊藤「うんいいよ」
拓馬「じゃあ僕も牡丹ちゃんって呼ぼうかな」
伊藤「わかった」
拓馬たちにそう言われた牡丹は嬉しそうだ
それもそうだ、
ずっと友達になりたかった人と話できているのだから。
ぐぅー
すると拓馬の方から大きな
お腹のなる音がした。
それを聞き牡丹が口を開いた。
牡丹「赤石くんお腹すいた?」
拓馬「いや俺じゃないぞ」
拓馬がそういい隣を見ると、
恥ずかしそうにしてる赤面顔の紗奈の姿があった。
紗奈「ごめん今の私『恥』」
すると拓馬は紗奈の頭をポンポンと叩き
拓馬「恥ずかしがってる紗奈もかわいいなー」
すると紗奈は拓馬の肩を弱い力で
ポコスカ殴りながら、
紗奈は「もう!拓馬ったらバカにしないでよ」
っと紗奈と言われて
拓馬は「悪りぃ悪りぃ笑笑つい可愛いくて」
そして紗奈は殴るのをやめた。
恥ずかしそうにして少し怒ってる紗奈を
拓馬は「もうごめんな、
だからよもう拗ねるなよ」
紗奈「べつに?もぅ怒ってないし」
紗奈をなだめてすこし機嫌を直したのをみて。
拓馬は水を飲もうとした時
牡丹が拓馬に質問した。
牡丹「一つ聞いてもいい?」
拓馬「どうしたの?」
そして水を含んだ時。
牡丹「ずっと気になっていたんだけど
二人って付き合ってるの?」
突如、悪気のない牡丹からの質問に拓馬と紗奈はどう答える!?。
第3話end。