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蝉時雨  作者: 露草純恋
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プロローグ

初投稿です。露草(つゆくさ) 純恋(すみれ)といいます。



誤字脱字があれば、教えていただけると幸いです。




ミステリーに挑戦してみましたが、結末まで行けるかどうか…..。



文章を一つの形にしたい!と趣味で初めてみたものなので、つまらない部分も多々あると思いますが、もし良ければ、試しに読んでいただけると嬉しいです。



このページを見つけてくださった貴方に、心から全力で輝く「ありがとう!」を贈ります!!



それでは、素人の無謀な挑戦に、お付き合いください〜。



◯プロローグ



 眠眠と、眠りにつく間も惜しんで泣き喚く、蝉の群れ。青々と茂る並木でが、バーゲンセールの如く奴らが留まっている。日本の風刺画とも言えるこの光景は、別に居心地が悪いわけではない。だからといって、良いものでもないのだが。どろどろりと、生ぬるい風が私の思考をどんどんと溶かしていく。あぁ、暑苦しい。真夏の太陽が人間の身を焦がす灼熱の炎だとすれば、蝉のコーラスは、追い討ちをかける野次馬といったところだろう。寄ってたかって一人間をいじめるなんて、なんて惨い仕打ちなのかと、届きもしない声をあげてみる。きっと今、普段の生態系に対する不満が、ことごとく私に吐かれているのだ。あぁ、嫌だ。一刻も早く家に帰らなければならないという使命感と、偏頭痛が加速する。錆びたサンダルをぺち、ぺちと鳴らし、鉛のように重い足を一歩ずつ、前へと歩ませた。


 ——あぁ、もうどれくらい歩いたのかも分からない。思考はとっくに迎えたが、足を止めてはならない。でも、あと少しだ。なぜなら、ぼやけた視界の右端に見えるのは、確かに私の家の白いドアだからだ。あぁ、やっと、やっと解放だ。そう思うと、体の内側から、ほんの少しだけエネルギーが湧き出した気がして、目の前の楽園に向かって駆け出してみる。「はぁ、はぁ、。」やっと、我が家にたどり着いた。・・・途端、私の目が大きく見開き、息が詰まった。全身が一瞬にして震えあがる「なんで、なんでお前がっ、、!」ぐしゃり、と鈍った音がした。腰に激痛が走ったかと思えば、ぐらりと視界が反転した。微かに、コンクリートが赤く染まっている気がした。どんどんと視界が白く、瞼が重くなっていく。体の芯から、感じたことのない冷たさを感じたい。——あぁ、あっけない。

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