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其れは、そもそも死んでいる
「そうですねぇ。そもそも死んでいますから...。」
御子神光と名乗った少女はー。
そう呟きー。
「そう表現するのも、少し違うのかも知れませんね。つまりは生命から切り離された残骸...。そう表現するのが適切なのかも知れませんね。」
と続けた。
「死んでいる…。残骸…。」
御子神の言葉を聞いた飯島梗子はー。
少し困惑した表情で言葉を並べる。
飯島が、そんな表情になるのも当然の事だった。
そもそもがー。
近々、流星群が見られる。そんな話をしていた筈なのだ。
そう。
流星群の話をしていたのだ。
飯島は少し前の過去を思い返す。
眼前に座っている少女との会話をー。
記憶から引きずり出してみるのだった。