表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/40

29話 もう一人のネクロマンサー

 俺は太一が外に出たと同時に死体を射出し近くにいた二人を倒す。


 太一は瞬間移動で敵を翻弄しつつ、手に持っている銃のようなもので敵を攻撃する。


「な、なんだお前! なぜここで瞬間移動が使える!?」


 敵の一人が何かよく分からないことを言っている。もしかしてここ瞬間移動できないはずなのか? まあ今はどうでもいい。とにかく潰す。


 俺は一気に敵に急接近し、死体産の剣で敵を斬りまくる。返り血が飛び、俺の服にかかるが気にしない。敵の銃弾が頬をかすめる。それも興味ない。急所に当たらなければどうでもいい。


 相手の水魔法が体に穴を空ける。風魔法が体を切り裂く。妨害魔法で動きを遅くさせられる。それを俺は詩織から貰った血を飲み傷を癒やし、妨害魔法を無理矢理解除する。


「優平君大丈夫?」


 太一は慎重に動き回っているからか、あまり傷はないが、それでも傷は確実に増えている。


 だが敵の数もだんだんと減ってきて、後はあのエセ霊媒師だけだ。


「大丈夫だ、さっさとアイツ倒すぞ」


 「アイツとは随分酷い言い方だな。俺にもちゃんと浅野涼介と言う名前があるんだ」


 エセ霊媒師こと浅野は、いきなり俺達の会話に入り込んできた。


「クソ野郎の名前なんて死ぬほどどうでもいいわ。さっさとくたばれ」


 俺はそう言いながら死体で大量に武器を作り、奴に向かって放つ。

 

 しかし、浅野は死体を出し防御してきた。


「あんたネクロマンサーかよ。霊媒師なんて大嘘こきやがって」


 こいつがネクロマンサーなら真神の友達の墓荒らしも多分こいつだな。


「似たようなもんだろ。死者使ってるんだから」


「全然違うわアホ」

 

 俺は今度は自ら接近し攻撃を仕掛けるが、浅野はするりと避け、俺の周りに大量の人間の死体を放つ。


「あんた人間の墓も荒らしてるのかよ。サイコパスが」


「最低な奴……」


 俺はハンマーを作り出すと、回転してまとめて死体をぶっ飛ばす。更に浅野が逃げた先に太一が発砲するが、やはりこれも防がれる。


「ふん、墓なんぞ所詮生者のエゴだ。それともなんだ、バチが当たるとでも言いたいのか?」 


「バチはともかく人として駄目だろ殺すぞ」


「さっきから随分怒ってるじゃないか。そんなにあのガキを拉致されたのが不快か?」


「逆になんで不快じゃないと思ってるのか理解ができないな」 


 俺はそう言いながら銃を作り発砲し、浅野の足に当てる。だが、浅野は冷静にこちらにライオン型の魔物の死体を放ち、俺の腕に傷をあたえる。 


 それから太一は相手を撃っては瞬間移動し、撃っては瞬間移動しを繰り返し、浅野に攻撃する。


 それを俺は何もせず……ではなく死体を合体させ大技の準備をする。下手に援護しても邪魔になるだけだ。


「ああー、いいなこれ。戦闘中にマッサージしてくれるとは思わなかった」



 浅野は太一を挑発するが、太一はそれを無視する。


 俺は合成死体で怪物を作り出すと、魔力を注ぎ込む。この一撃で決めなくてもいい。だが確実にダメージを与える。


 俺は発動する直前に太一に裏で合図を送り、浅野のそばから離れさせる。離れたのを確認すると、俺はおよそ千体もの魔物を凝縮して作った怪物の口から色々な魔法が混ざったエネルギーを放つ。


 浅野の体が一瞬にして吹っ飛び、壁に勢いよく激突する。だが、それでも奴は倒れない。防御に使った右手は吹き飛んでいるが、まだ左手も残っている。


「やるじゃん。でもこれでチェックメイトだ」


 浅野はニヤリと不敵な笑みを浮かべると、左手で指を鳴らした。


 すると、地面や空、木の中と至るところから死体が現れ、俺達に襲いかかった。


よろしければ応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ