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25話 戦闘?開始

 逃げ場はない。同じ手は二度通じない。人数差も絶望的。うん、まともに戦えば死ぬな。となると必然的に搦め手が必要なわけだ。


 一瞬怯ませるだけなら死体に光魔法を使わせれば十分。問題はその一瞬をいかにどう活用できるかが問題だな。


 俺がそう作戦を考えていたその時、太一が突然ポケットに手を入れた。


 その瞬間、辺りに衝撃波が発生し、俺達も敵もまとめて吹っ飛ばされる。


 そして俺はそのまま結界に衝突し、空中で一瞬静止する。間一髪で死体をクッションにできたのと、受け身も取ったので怪我はない。ないが手が物凄く痛い。


「何してんだお前!」


「どこでも衝撃波発生装置なるものを使ってみたんだけど……改良が必要だね、これ」

 

 太一は結界に当たる前になんとかしたらしい。怪我なく地面に立っていた。


「うん、色々言いたいことはあるけど、戦闘中に試作品試すのやめようか」


 詩織は衝撃を防ぎきれなかったらしい。腕が千切れていて、そこから新たな手が生えてきている。内臓の様子は知らないが、恐らく無事ではないのだろう。


 真神は……姿が見当たらない。俺達の中で一番前に立っていたから、敵と同じ方向に吹っ飛んだ可能性あるな。だとしたら相当まずいぞ。 


 だがまずは状況確認だ。このまま下手に動いても死ぬだけだからな。


 そこで俺は死体の山に二人を隠すと、質問を始める。


「太一、瞬間移動で結界の外に出れたりするか?」


「無理だね。結界内に瞬間移動はできるけど外は無理」


 太一は手でバツ印を作り、首を横に振る。


「まあそんなに甘くないよな。結界の強度どれぐらいか分かるか?」


「分かんないけど詩織さんが思い切りぶつかっても傷一つないし相当高いでしょ」


「そうか、ならやっぱり全員ぶっ倒してからゆっくり結界ぶっ壊すしかなさそうだな」

 

 俺は死体と体を融合させると、木に登り、辺りを見渡す。真神の姿も敵の姿も近くには見当たらない。そこで俺は二人を呼び、木の上に来させる。


「とりあえず木の上飛び回って真神探すぞ。死んでたら時間戻ってるはずだから生きてるのは間違いない」 


「ごめん、僕が試作品試したばっかりに……」


 太一は沈んだ顔で謝ってくる。


「すまん、あれ使うぐらいなら瞬間移動で俺達を逃して欲しかったわ」


「ごめん、言い忘れてたけど僕瞬間移動に他人巻き込めないんだ。だから無理なんだよ」


「そうだったのか。ならしゃーないな」


 俺は手を横にヒラヒラと振ると、別の木に飛び移る。


「さて、その装置とやらで敵が全滅してくれてるとありがたいんだが……」


 俺は二人についてくるよう指示を出すと、見落としがないようにしつつ次々に木に飛び移っていく。


 そしてしばらく探しまわっていると、敵の一人が気絶しているのが見えた。腕が取れたらしく右手がなくなっている。


「うん、想像はしてたけどやっぱり倒れてる人いるね」


 そこで詩織が木から降りて敵の様子を確認しようとしたので、俺は慌てて詩織を止めた。

 

「不用意に近づかない方がいい。危険だぞ」  


 俺はそう言って木の上から男を死体で拘束すると、そのまま放置する。


 それから更に俺達は木を飛び回り続けていると、突然右から発砲音が聞こえてきた。


 俺がその音の方向を向くと、遠くで真神と敵数人が交戦をしていた。


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