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19話 魔女には逆らえない

 結局、あの後俺は詩織に連れられて買い物に来ていた。詩織はこの前買っていた水色のワンピースを着ていて、その表情はどこか嬉しそうに見える。


「お前、それよく真神に燃やされなかったな」

 

「私は別に陽子ちゃんに恨み買ってないからね。だから無視してくれたんでしょ」


「なるほど。ところでなんで真神は置いてきたんだ? 今こそ必要だろ」


「あー、なんかどんなに揺さぶっても起きなくてね。だから仕方なく置いてきたんだよ」


 詩織はそう言って肩をすくめる。それお前のせいだろと言おうか迷ったが、やめた。どうせ面倒くさいことになるし、それより俺には聞きたいことがある。


「突然だが詩織、一ついいか?」


「良いよ、なに?」


「お前、あの時真神が襲わないの分かってて家に連れてきただろ」


「あー、やっぱりバレてたか」


 詩織はそう言って頭をかき、目を閉じる。


「予想通りの反応ってとこで察したわ」


「ああ、あそこは失言だったね。それから、お察しの通り私は最初から陽子ちゃんを仲間にするために家に連れてきたんだよ」


 詩織は笑顔でそう言いながら店を歩いている。


「本当、お前って奴は……魔女だな」


「吸血鬼だけどね」


「うるせえ。……まさかとは思うが拐われたのもわざとじゃないだろうな?」


 もし駅ビル行くのも拐われるのも策略のうちだったら普通にキレるぞ。


「いやいや、それはさすがに私のこと疑いすぎだよ。あの時は普通に油断しててやられちゃっただけ。そもそも策略でも私拉致されるとかゴメンだし」


「そうか、ならいいんだが。それで、なんで真神を雇ったんだ?」


「あーそれはほら、私達部活も性別も違うじゃん。だからさ、どうしてもその辺のとこで隙が生まれるでしょ。現に陽子ちゃんに襲われた時そういうとこ狙われたし」

 

 一回目は部活終わりに、二回目はトイレだったか。確かにそこは確実に隙が生じてしまうな。


「あー、だから真神にその辺の隙を埋めてもらおうって魂胆か」

   

「そそ。部活も陽子ちゃんに変更してもらえば隙はかなり少なくなるでしょ。君は強いけどその辺はどうしようもないからね。だから前回のミスとかもあんま気にしなくていいよ」


 詩織は気を遣ってくれているのか、笑顔でそう言う。正直一回目はともかく二回目は防げたので、そこは否定したいところだが、やめておこう。それを言ってもいいことはない。


「ありがとう。それで霊媒師の件なんだが、進展はあったか?」


「あったよ。なんなら今から下見行くし」


「……また俺置いてきぼりで話が進んでないか?」


「ま、そこは護衛の宿命ってことで」


「そんな宿命あってたまるか!」


それから俺は詩織に連れられ、件の霊媒師の元に行くことになった。



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