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18話 再び動き出すろくでもない話

 …パーティーと呼んでいいのか分からない地獄は、なんと夜中の二時まで続いた。真神が眠気に耐えられず寝なければ多分もっと続いただろう。


 詩織は眠っている真神を空き部屋のベッドに寝かせると、俺の部屋に戻ってきた。眠いのか、目は半開きで、微妙にフラついている。にもかかわらず「さて二次会といこうか」などとほざいているのはさすがとしか言いようがない。


「寝ろ!」


俺はそう一蹴すると、詩織を無理矢理詩織の部屋に連れて行こうとする。


「嫌だ! まだ起きる!」


「頼むから静かにしてくれ、お前の家族が起きたらどうする」


「さあ、知らない。とにかく、今日はオールナイトするの! だから離して!」


 詩織はそう言って俺の手から離れると、

俺の部屋に引きこもる。 


「オールナイトするなら俺抜きでやれ!」 

「嫌だ! 君も巻き込む!」


 今度は詩織が俺を俺の部屋に引きずり込む。


「なんでだよ! こっちは真神と戦って疲れてるんだよ寝かせろ!」


「……ごめん、それはそうだよね。そえしゃほや……」


 詩織は呂律が回らなくなったかと思うと、床の上で寝てしまった。


 俺は深くため息をつくと、詩織を詩織の部屋まで運び、ベッドに寝かせる。そしてそのまま電気を消すと、自分の部屋に戻る。


 そうして俺は自分の部屋の電気を消して、床に寝っ転がった瞬間、激しい睡魔に襲われ意識が薄れていった。


 俺はどうやら寝てしまったらしい。気づくと太陽が東から登っていた。体が重い。昨日は魔力も頭も使いすぎた。


 今日は学校がある。早く起きなければ。

そう考えた俺は立ち上がると、ふと周りを見渡す。


すると、ベッドにどこか見覚えのあるキノコがいるのを見つけ、俺はそのキノコの胸ぐらをつかむ。


「今すぐ死ぬのと説明してから死ぬかどっちか決めろ」


「説明してから生きるルートで!」


 キノコ――太一はそう言って俺のベッドに座ると、話始める。


「えーとね、君に渡したい物があってきたんだけど、君寝てたからベッドに寝転びながら待とうと思ってたんだよ」


「それで?」


「気づいたら寝ちゃってた!」


「なるほど! 死刑!」


俺は太一を部屋から追い出そうとするが、太一は瞬間移動で部屋の中央に戻ってしまった。


「待って! せめてこれだけは受け取って!」


 太一は俺に鉄パイプを渡してくる。俺は受け取らず、太一に質問する。


「鉄パイプってお前……人にゴミ押し付けるなよ」


「違うって! これ武器だから!」


「武器ってお前、まさかヤクザか?」


俺は疑いの眼差しを太一に向ける。こんなもの使うのヤクザぐらいだぞ。


「いや、ないから。君、まともに武器持ってないでしょ。だから僕が作ってきたんだよ」


 作ってきた? ああ、魔法道具――物体に魔法をかけ、道具として使えるようにした物――なのか、これ。


 「そうか、気持ちはありがたいが俺には必要ない。俺は死体で武器が作れる。こんな風にな」 


 俺はそう言って死霊術で死体から拳銃を作り、太一に見せる。


「ヒエッ、死霊術ってそんなことまでできるんだ」

 

「死体を道具として使う魔法だからな。死体を加工すりゃ大体の物は作れる」


「まあでもせっかく作ったんだしもらってよ。それ大きさと重さいつでも自由に変更できるように魔法かけといたから」


「ああ、分かった。ありがたく頂戴させてもらう」


 俺は断るのも悪いと思い太一から鉄パイプを受け取ると、軽く振ってみる。なるほど、かなり軽く使いやすいな。


「それじゃ、僕帰るから」


「おう、どうせすぐ学校で会うだろうけどまたな」


 俺がそう言うと、太一は突然驚いた顔をし、「え、今日学校ないよ?」と言った。


 続けて太一は「だって今日創立記念日だよ」と言って、そのまま瞬間移動で帰っていた。俺はカレンダーを確認してみると、確かに今日は創立記念日だった。


 俺は「よし、これでまだ寝れるな」と呟くと、床に寝転がった。だが、その直後にドアが開き結局俺は寝れなくなるのだが、それはまた別の話である。



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