表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界外伝〜陰キャな僕の恋物語〜  作者: ミコガミヒデカズ
序章 入学初日 〜不思議な先輩は絶世の美女〜
2/21

#2 外伝、陰キャの僕は、ぼっち状態で部活探し

前話のあらすじ。


入学初日、僕は昼間から「やらないか?」。

寝技がある柔道部って…、ス、テ、キ!


ってワケでは無くてですね…。

急がないけど、部活どうするかな。

清宮(きよみや)は柔道部に仮入部をするようだ。

あの頭の良さそうな女の子は、英語部の門を叩いた。


僕はどうするか…。帰ってゲームしようかな。

それとも一つくらいは、部活を見ていくかな。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


僕達の通う中学校は、平和(ひらわ)中学校といい、

五階建てで一年生の教室は五階にある。

周りの学校からは平中(ひらちゅう)と呼ばれている。


市内の小学校や中学校は地震や洪水の時には、

避難所となる事になるのだが、何故かこの辺の

学校は低地にある事が多く、地震はともかく

大雨や洪水の時に大丈夫なんだろうかと思う。

周りの住宅地は少し高い所にあり、

下り坂の先に学校はある。

帰りは校門を出たらまず登り坂、面倒くさい。

これが三年続くのか…。


気を取り直して部活見学をしてみるか。

英語実習室の隣は…、図書室か。

ここを使う部活は図書部、

部活紹介のプリントによれば活動内容はズバリ読書で、

所属は5名。部活存続要件は5名以上だから

ギリギリの所だ。三年生が抜けたら大変だ。

僕自身はマンガ以外だと趣味に使える本くらいしか

興味が無い僕にはあまり縁のない部屋だな。


でも、教室から凄く近いのは良いな。

ハードな活動も無さそうだ。

とりあえず、中を覗いてみるか…、

僕は図書室の扉を開けた。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


「失礼しま…」退室の挨拶をしようとしたのであろう、

僕が開けた扉のすぐ前で一人の女子生徒が固まる。


「あっ…」思わず声が漏れた僕に視線が向く。

良く言えば整った顔立ちをした人形の様な、

悪く言えばほとんど感情の変化が浮かばない能面の様な

彼女の表情がわずかに驚きの色を浮かべる。


彼女は古木雅子(ふるきみやこ)

僕と同じ小学校からの新入生だ。


彼女の父は、県の職員で結構な役職にある人らしい。

小学校の時に偉そうに振る舞う嫌な担任がいたが、

彼女の親子さんや彼女自身には割と遠慮していたのを

覚えている。また母親も教育熱心な所もあり、彼女は

学業優秀、ピアノやバイオリンと言った習い事を

こなして小さな頃から忙しい毎日を過ごしていた。

しかし、体はあまり丈夫ではなく、運動が苦手、

人間には長所ばかりでなく、わずかながらでも

短所もあるものだ、僕が彼女を見て学んだ事である。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


「失礼します」

改めて古木は退室の挨拶をして

僕の横を通り過ぎ部屋を後にする。


「ん」

奥から男性教師の軽い返事を声が聞こえ、

彼は奥の司書室に戻っていく。

先生から見て扉の外にいた僕はちょうど死角に

なっていたのであろう。

僕に気付かず奥の部屋に入る。


古木と入れ替わりに僕が入った時には

無人の図書室となっていた。

あの人が顧問なのかな…、一覧表で顧問名を確認すると

クラス担任の小黒(おぐろ)先生だった。

そっか、担任の小黒先生なら急がなくても良いか…

まあ入部するとは限らないけどね。


プリントをたたんでポケットにしまって

何の気無しに周りを見渡す、平成どころか昭和からの

蔵書なのかな…、辞典のような大きさの小説もある。


あっ、奥の部屋の電気が消えた。

小黒先生が奥の司書室側から廊下へと出たのだろう、

扉が閉まった音がする。


僕も出ようかな、視線を手近な所に戻す。

そこに彼女はいた。

出入り口一番近くのテーブルに。

無人の図書室は無人ではなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ