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異世界外伝〜陰キャな僕の恋物語〜  作者: ミコガミヒデカズ
序章 入学初日 〜不思議な先輩は絶世の美女〜
1/21

#1 外伝 陰キャの僕は細々と中学生になりました

はじめまして。

御子神英和(みこがみひでかず)と申します。

初めての小説投稿です。

よろしくお願いします。


幼い頃から一人で過ごす事が多かったと思う。

共働きの両親と一人っ子の僕、三人暮らしの我が家。

小さな頃は走ることが好きでよく駈けまわっていたが、

ある時昼寝の偉大さに気付きよく寝るようになった。

寝る子は育つ、確かに。

人より背の高い、やや恵まれた体格になった。


関東地区S玉県S玉市…、東京から電車で一時間以内、

ベッドタウンとして発展し、政令指定都市として大規模な発展をしたこの街に僕は住んでいる。

昨年、S県を舞台にしたコメディー映画「翔んでS玉」のヒットも記憶に新しく、県民は新たな自虐心を胸に日々を過ごす。

2019年4月、僕は地元の中学に入学した。



入学初日、地域の小学校三校が通学エリアである我が中学は、新たに出会う違う小学校からの新入生同士の自己紹介が主な行事となる。

そりゃそうだ。今いる新入生の三分の二は知らない人達なんだから自己紹介は大事だ。しかし、新たな出会いとかロマンスのような物を期待しない訳ではないが、そんな物は犬にでもくれてやれ。

クラス中を見回しても目の覚める様な美少女なんかは皆無で、早くも同じ小学校から上がってきた女子達はグループというか派閥を形成しだしている。底意地の悪い楠田が何やら盛んに動いて一人でも多く引き込もうとするのは、派閥作りに熱心な政治の世界みたいだ。


僕は面倒事が嫌いなので特に何かする訳でもないが、登校初日を何事もなく終わり帰り支度をしていると、


外伝(がいでん)、部活どーすんの?」


小学校からの数少ない友人である清宮(きよみや)が声をかけてきた。


彼は小学一年で同じクラスになってからの付き合いで、漫画とゲームが趣味でとても気の合う友人だ。

彼の父親もかなりのゲーム好きでいわゆる昭和後期頃から爆発的に普及した家庭用ゲーム機を全て所持しており、清宮自身もそれらなゲームをプレイしてきているので、その造詣は深い。

僕も父がゲーマーなのでレトロゲームがいくらか家にあり、清宮とは生年月日が一緒だったりと何かと共通点もある事から仲良くなり今に至る。僕の小学校時代の夏休みの思い出は、彼とファミ◯ンとカップ麺が六割以上を占めるだろうか…。朝から晩まで、我ながらなかなかに不健康な思い出だ。

しかし、二人で夏休みのほぼ全てを費やした激ムズゲー「忍者龍◯伝」をクリアした時の一体感は、今でも胸を熱くする。


「決めてない、清宮は?」僕の返答に清宮は

「俺な、柔道部だな」意外な返答が返ってくる。

我が校では生徒は必ずどこかの部活に入部しなければならず、入学から一週間はその入部先を決める選択期間である。

新入生が試しに体験する仮入部の時期でもある。

清宮が言うには、なんでも柔道部は自前の練習場…、いわゆる柔道場が学校敷地内に無い為にほとんど帰宅部状態で、年に数回の大会に出れば良いだけなのでオススメだとの事。


「お前も来ないか?ガタイも良いんだし」

確かに僕は人並みよりは大きい、だからといってガチムチではない。それと痛いのはヤダしなあ…。


「いや、僕はゆっくり選んでみようかなと思ってるんだ」

ほぼ帰宅部状態と言えども、放課後の部活とは別に授業時間を使っての部活がある。必修クラブとか強制クラブとか言われる物だ。その時はやらなきゃいけないんだろうし。

柔道部じゃいかつい先輩とかも中にはいるんだろうし、そういうのと組みあったり寝技とかしたり…?

んんっ!?寝技?くんずほぐれつ?

あれ?なんだか頭が…。


【ううぅ〜、トイレ!トイレ!

このトイレに急ぐ男子…、僕は外伝、

今日入学したばかりの何処にでもいる

ごく一般的な中学一年生。

しいて違うトコロを上げるとすれば…、

オトコに興味があるってとこカナ?


思い出した、今は部活で寝技の練習中!

練習相手は…っと。

やらないか?

僕にそう声をかけてきたちょっと不良っぽい先輩のカレ、

名前を阿b…】


「お、おい、どうした?」

「アーーーーーーーッ!!…って、アレ?」

僕は違うトコロに気持ちがイッていたようだ…。


♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️♠️♦️♣️❤️


(遠い目をしてたぞ)

清宮はそう言って部活に向かっていった。


僕はといえば、出来る限り帰宅部をしようと

すぐに入部を決めないスタンスでいこうと思う。

でも、一つや二つは部活見学をするか…。

あからさまに部活に興味を示さないのは

あまり良くないかも知れない。

主に担任の先生からの視線が…。


自分のクラスを出た廊下の反対側、

目の前には英語実習室があった。

同じクラスになった他の小学校から来た女子が

入室して行くところだった、部活見学だろうか?

名前は覚えてないが眼鏡をかけた利発そうな顔立ち、

僕は新入生向け部活一覧表のプリントを見る。

この部屋は「英語部」の活動場所になっている、

そうか…、あの子は英語に興味があるのか…。


僕はと言えば、特に何かしたい事がある訳じゃない。

時々ミーハーだったり、厨二病独特の観点から

何かにハマる時はある。


会社員の僕の父は、祖父が空手をしていた事から、

子供の頃から二十歳過ぎくらいまで空手を習っていたそうで、当時の1990年代は格闘技イベントが盛んに行われ開催直後は道場には新規加入者がワッと増えたんだそうだ。

だけど、二ヶ月もしない内にミーハー組は辞めていく。道場に残された彼らのフルコン系のグローブなどのグッズは、クリーニングすれば十分に使える物が多く、中にはほとんど未使用状態の物もあり、道場に元々通っていた父達は買い替えをしなくてもいいやと内心ホクホクしていたとか…。


僕もミーハー厨二病ハートは少からず持ち合わせているけど、面倒に巻き込まれるのもイヤだから、目立たなくてラクな部活を見つけて入りたい物だ…。

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