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第1話 はじまり

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それにあたり、再投稿しました

いつもと変わらない通学路、いつもと変わらない窓際の風景、いつもと変わらないけだるさ…

窓の外を眺めながら黒峰幸助(くろみねこうすけ)はため息をついた

「黒峰、窓の外を眺める余裕があるなら問13は解けているんだな?」

「x=5です 僕のことは気にせず授業を…」

キゥィィィィィ「ウボアッ!」

突然、激しい音と奇妙な声が聞こえた

「…授業、続けます?」

「俺は外の状況を見てくる 全員教室で待機しているように」

すぐさま先生が教室から出ていき、生徒の半数以上が窓際へと集まる 窓際の席に座っている黒峰は窓の外の状況を座ったまま眺める

音の原因はすぐに分かった 校門の近くに大型トラックが停止しており、道路にブレーキ痕が見えた そして、血だらけの男が道路に転がっていた

「あの人轢かれたのか!?」「血だらけじゃん! 大丈夫なの!?」「勘弁してくれよ…」

クラスメートの様々な声が聞こえてくる そんなことは気にも留めず、黒峰は窓の外を眺め続ける

校門のほうへ複数の教員が走っていき、すぐに何があったのかを理解する 携帯を取り出す、被害者に駆け寄る、何もできずオロオロする… ここまで教員にも差があるのかと黒峰が感じた直後、

血だらけの男が何事もなかったかのように立ち上がった そして教員たちにぺこぺこと頭を下げながら、何かを話している

(は…? 思いっきり轢かれてるんだろ? なんでピンピンしてんだ?)

通行人だと思っていた周りの人たちも教員に何か話している 距離があるせいで話している内容までは分からないが、血まみれの男の知り合いのように見える どうやら、今すぐにでもどこかに行きたいらしい、というのは男の知り合いらしい人たちがあからさまに逃げようとしているし、何なら本人も逃げようとしている

(なんだ、あの人たち… てかあの人なんで血まみれで普通に立ってんだ、マジで)

しかし勿論そんなことは許されない そうこうしているうちに遠くからサイレンが聞こえてきた 恐らく救急車とパトカーだろう もう大丈夫だろうと思った矢先、血まみれの男とその仲間たちが走り出した 教員たちが走って止めようとする 

すると、突然血まみれの男がスケボーを取り出した と同時に周りの仲間もキックボードや竹馬、ポゴ・スティックなどを取り出し、それらを使い逃げようとした

(…いや、スケボーとかキックボードはまだしも、なんだっけあれ…ホッピング?で逃げんのは無茶だろ…)

しかし、黒峰の予想とは裏腹に、教員との距離をどんどんと広げていき、乗用車ほどのスピードまで出しながら、彼らはどこかへと消えてしまった 息を切らした教員たちと男を轢いてしまった運転手、そして駆け付けた警察などがその場で何やら話し合っているが、被害者が突然スケボーで逃げ出したことが警察には理解できないようだ

「なんなんだ、あの人…」

そのまま授業終了のチャイムが鳴り、次の授業は自習となった


その日の夕方、黒峰はビニール袋を片手にアパートへと歩いていた 彼は、自宅から遠い高校へと通うために近くのアパートを借りて生活していた 一人暮らしのため家事と勉強に追われる日々を送っている

「見つけたぞ! 黒宮くんだな?」

後ろから声をかけられる 黒峰が振り返ると、大型トラックに轢かれて重傷のはずの男が何事もなかったかのように立っていた 後ろには先ほど一緒にいた人たちもおり、そのうち一人が「黒峰ですよ、隊長」と訂正していた

「僕は黒宮ではありません 人違いじゃありませんか?」

「いや、名前を間違えたことは訂正しよう 黒峰くん、君に話があるのだがいいかい?」

「いいえ、見て分かるように買い物帰りですぐにでも冷蔵庫に牛乳入れたいんで、失礼します」

黒峰は再び歩き出す 後ろからは隊長とやらを攻め立てる声や明らかに暴力が振るわれている音が聞こえてくるが、これ以上黒峰を止めようとする声が聞こえないので気にせず歩く

すぐ横を数人の小学生が通り過ぎる 楽しそうにしゃべりながら、猛スピードで近づいている軽トラックが、歩道にはみ出していることにも気づかず…

「! 危な-」

後ろから先ほどの男の声が聞こえるが、それに小学生が気づくころには、もうそこまで軽トラックが迫っていた 軽トラックはスピードを落とすことなく-


急に車道へ戻るためにハンドルを切ったかと思うと、猛スピードのまま左右に車体を振り続け、後方の交差点で乗用車と衝突事故を起こして止まった

小学生は、事の大きさが分かっていないらしく「びっくりしたー」などと言いながら再び歩き始めた 小学生たちは運よく事故にあわずに済んだ もしこの場に目撃者がいれば誰もがそういう風に考えるだろう


-黒峰と、後ろの男たち以外は

黒宮は、ビニール袋を持っていないほうの手を小学生たちのほうへと伸ばしていた まるで、魔法でも使うように手を広げながら ゆっくりと振り返りながら、黒峰は男たちに話しかける

「ここに僕がいたことは内密に…大丈夫ですか?」

軽トラックに積まれていたであろう木材が隊長と呼ばれていた男に当たったのだろう 男が横腹を抱えながらうずくまっていた

「隊長のことは気にしなくてもいいよ それより、やっぱり君は『能力(ちから)』を持っているんだね?」

「…何のことです? それよりも、僕がここにいたことは誰にも話さないでくれるとありがたいです」

数秒の沈黙の後、男の近くにいた女性が黒峰の顔を指さしながら答える

「君が私たちを君の家に入れてくれれば、君がここにいたことも…君のその『目』のこともしばらく誰にも言えなくなるね?」

「…分かりました ついてきてください」

黒峰は金色に輝く目を擦りながら、男たちをアパートへ案内する

「ほら隊長、説得ってのはこうするもんなんですよ ホラ早く立ってくださいよ」

「待って! 横腹蹴らないで! ゴフッ」

「…僕の家は汚さないでくださいね?」


「招かれざる客なのでお茶は出しませんよ?」

黒峰は部屋の真ん中にある机に男たちを誘導する

「構わないよ、軽いお菓子をこっちで準備するから 10枚ぐらいでいいかな?」

隊長が後ろの男からクッキーを受け取り、机の上にドサッと置く 黒峰はそれをかじりながら問いかける

「それで、あなたたちは一体何なんですか? 一応聞いておきますけど初対面ですよね?」

「初対面だよ でも、ここにいる君を含めた5人は全員共通点がある」

机をはさんで4対1の構図に圧迫面接みたいだなと思いつつ黒峰は会話を進める

「性別も年齢も違う人が混じってますが… 心当たりがないですね」

「単刀直入に言おう この場にいる全員が、もちろん君も含めて全員『超能力者』だ」

「…精神科医を紹介しましょうか?」

「隠さなくてもいい 君は…念能力か、それに準ずる能力じゃないかい? 黄色い目は使用時に勝手にそうなってしまうんじゃないか?」

「念能力なんて持ってませんよ 何言ってんですか?」

隊長の顔があからさまにゆがむと同時に、仲間たちがゲラゲラと笑い出す

「笑うんじゃねえよ! あの場面を見たらそう考えるだろ!」

「いや…そんなにかっこつけといてハズレって…ブフォ!」

「…なら空間に直接関与する能力だ! もしくは物理エネルギーの操作! どっちかだろ!」

「どちらもハズレです」

「また外した! ハッハッハ!」

どうやら隊長などと呼ばれてはいるが、尊敬とかそういうものはないらしい

「…なら一体どんな能力なんだ? まさかあいつみたいなチートじみた能力でもないだろうし…」

何やら考え出したので、黒峰から質問を投げかけてみる

「その前に、一つ質問です なぜ僕が能力者だと?」

「それを話すにはまず俺たちのことを説明しないとだな!」

突然大きな声を上げたかと思えば、ガタッと立ち上がった 黒峰はなんだこの人…と思ったが声には出さなかった

「俺たちは『超能力者集団 PP団』だ! メンバーはまだ少ないが、ゆくゆくは世界に名を知られるような大きな組織にしていくつもりだ!」

「…なら、そのエアガンで打ち出せそうなダサい名前を改名するところから始めたらいいと思いますよ」

黒峰の突っ込みにまたしても後ろの3人が笑い出す

「ちょ、やめて! ツボっちゃうから…ヒャッハッハ!」

「…まあ、あれだ 名前は仮のものだから あんまり気にしないでほしい」

さっきまでと打って変わってしょんぼりとしている隊長を見て、3人の笑い声は一層大きくなる

「静かにしてもらえます? お隣さんに迷惑なんで」

「ああ…すまないね しかしますます君が欲しくなったよ」

3人のうちの1人、20代後半と思われる女性は黒峰の手をガシッとつかむ

「ぜひ入団してくれ! 名前とかはともかく入って損はないぞ! この私が保証しよう!」

「活動内容も知らずに入団って… そもそも僕は超能力者じゃないんですって」

「いや、君はさっき隊長の予想を「ハズレ」だと言った なら「アタリ」の能力があるんじゃないか?」

「…ああ、めんどくさいな 分かりました 説明するんで一旦座ってください 準備してきます」

4人を座るように促すと黒峰はキッチンへと移動した

「さすが薬師寺だな、いい方向に話が進みそうだ」

「隊長が頭悪いんですよ それに、ああいう子は多少強引に行ったほうがいいんですよ」

薬師寺と呼ばれた女性はやれやれといった風に首を振った

「お待たせしました まずはこれを…」

机に戻ってきた黒峰は当たり付きのチョコレート菓子を2つ持っていた それを隊長と女性の前に置く

「まだ触らないでください お菓子を持ってきたのは能力を説明するにはこれが分かりやすいと思うからです」

「それで、一体どういった能力なんだ?」

黒峰は一呼吸おいて答える

「僕は、『運気を操作することが出来る能力』と『運気を見れる能力』を持っています」

「運… もう少し具体的に説明してくれないか?」

「僕も完全に理解しているわけじゃないんですよ あまり使わないようにしているので」

黒峰がため息をつきながら目をつぶると、目の色が金色に変わっていた

「運を見ようとすると、こんな風に目の色が変わるんですよ 猫みたいな目になっているでしょう? こうなっている間は、オーラというか…気迫?のような感じで運気が見えるんです 本当に運気なのかは分かりませんが」

「ずいぶん分かりやすく体に出てくるもんだな… 仲間の中にもここまで分かりやすく変化が起きるやつはいないぞ」

「他人に見られると厄介ですから、できるだけ使わないようにしてるんです そして、操作の方なんですが…」

黒峰は2人のほうへと左右の手を伸ばす そして数秒すると手を元に戻す

「同時にチョコレートの包みを開けて、当たりかどうか確かめてもらっていいですか?」

言われるままに2人は包みを開ける

「あっ、大当たりだ! やった! 隊長は?」

「…クジすら入ってないんだが、これは製造元に問い合わせなきゃならんな?」

「いいえ、あなたの運気を全てこちらの女性に移したんです 結果、大当たりと不良品になったわけですが…これで何となく分かりましたか?」

「ああ、なんとなくは… そして、ますます入団してほしくなったよ」

チョコを口に放り込みながら隊長はポケットからブレスレッドを取り出し机のうえに置いた 腕時計のようにも見えるそれにはいくつか小さなスイッチのようなものも付いている

「…何ですか、これ 何かの装置…?」

「能力の暴発を防ぐための…分かりやすく言えば制御装置だ これは試作品だがな」

「制御装置…? なんでこんなものを?」

「これが俺たちの活動目的の一つだからだ 能力のせいで苦しんでる奴を救うために色んな事をしている」

今までとは変わって真剣な顔になっている隊長は、他にも大小さまざまな装置を机に並べだした

「完全に助けられなくても、手助けになればそれでいい もし君がその目で困っているなら最大限力になれるように努力する …うちに入団しないか?」

「…分かりましたよ ただし条件があります 僕の予定をできる限り優先させること、一人暮らしの学生がこれ以上忙しくなったらそれこそ過労死しそうだ」

黒峰の答えにぱあっと明るい顔になった隊長は、上機嫌になりながら立ち上がる

「なら、明日から活動開始だ 部活動はしていないな? 朝8時頃に迎えに来るから自宅待機してろよ?」

「明日は運よく予定ないんで大丈夫です 今日が金曜日でよかったですね」

机に並べた装置を片付け、部屋から一人づつ退出していく 3人が様々な別れの挨拶をしながら出ていく中、隊長は最後に黒峰に注意を促す

「一応言っておくが、PP団のことは他言するなよ 世間に超能力なんてバレたら大変だからな」

「世界に知らしめるんだか他言無用なんだかわかんないな…」

隊長は勢いよく玄関のドアを開ける

すると、隊長と黒峰の横を黒い球状のものが通り過ぎた そのまま部屋の奥まで飛んで行った

「今の何ですか? ボール…?」

「…いや、多分パイナップルだと思う」

「パイナップル? にしては小さいし黒かったですよ?」

「いや、美味しく食べれるほうじゃなくて…爆発するほうのパイナップ」

言い切るより早く辺りが閃光に包まれる 黒峰はすぐさま自身の運気を最大限あげながら、足元に転がる手榴弾に気づかない隊長のことを少しだけ心配していた

前書きにある通り、再投稿しました

内容は全く変更されていないので間違い探しとかはしなくても大丈夫です

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