幕間 其の参
「巻き込むって――何があったんですか?」
「穏やかじゃないね…ならではのトラブル?」
突然、紫苑さんに『巻き込んでゴメンネ』と言われ驚く私と、変わらぬ様子でケーキを食べ続ける小鳥遊さん。そんな私達を見ながら紫苑さんは穏やかに話を続けた。
「今、この店は“地霊”の軍勢に取り囲まれています」
「地霊?初めて聞きますけど…」
「あの目玉の事?ヤバい奴だったんだ…」
私と小鳥遊さんの声に紫苑さんは、あくまで便宜上、そう呼んでいるだけです。と断りを入れた後、ほんの少しだけゴキゲンな様子で解説を始めてくれた。
「魑魅魍魎、と呼んだほうが分かり易いでしょうか…山川草木が生み出す気。その淀みから生ずる霊であり大地――」
「あーゴメン。その辺は後で教えて貰えるかな?」
雄弁に語る紫苑さんを、小鳥遊さんが手を挙げてそれを遮った。ほんの少しだけシュンとしているような印象を受けたので、私なりに理解できた事を言ってみた。
「えーっと…つまり、オーガニックなヘドラって感じですか?」
しかし、私の発言に紫苑さんはいつもの笑みを浮かべたまま、まるで何事も無かったかのように立っている。こういう反応をされた事は前にもある――それは
「時々こういう妙な喩えするよねぇこの子ってさ。アンタ本当は五十歳とかじゃないの?」
私の隣で小鳥遊さんが頭を抱えて溜息を吐いていた。
「えぇっ?!これ以上無いウマい喩えだと思ったのに…」
ショックを受けてしょんぼりする私に対し、温かい眼差しを向けて微笑んでいる紫苑さん。温かい眼差しを投げかけられるだけというのも辛いです…。
けれどもそんな私の心境を無視して小鳥遊さんが話を進めていた。
「…っと、でだ。その地霊が何だってこの店を?」
その問いに紫苑さんは、肌がピリっとするような気迫の込められた表情で答えた。
「敵が私達に目を付けたようです」
「敵?」
訳が分からず首を傾げる小鳥遊さん。
「狙いは私達――陰陽師」
そう言って紫苑さんは私を見つめた。小鳥遊さんの視線は紫苑さんと――私との間を右往左往と揺れている。
「陰陽師の…敵…」
思わずそう呟く私。
「敵は二千年もの長きに渡り朝廷――陰陽師の敵として歴史の闇に潜んできた存在――『長髄彦』です」
「長髄彦――って、神武天皇の東征に抵抗したっていう?でも…神話のお話ですよね?」
私の問いに、紫苑さんは「よくご存知ですね」と言い、話を続けた。
「東征に最後まで抵抗し、そして征服されてからも尚、地下で抵抗を続けている、かつて朝廷からは『土蜘蛛』と呼ばれていた集団です。『長髄彦』とは彼らが掲げる英雄の名前であり、組織の通称でもあります。彼らは『日ノ本の先住民族にして正当な統治者』を自称し、その血筋以外の、この地に住まう日本人全てを敵として、古来より大規模なテロ活動を続けているのです」
「大規模なテロって、そんな話、聞いた事――」
昔、ある宗教団体が地下鉄で毒ガスを撒いた事件があったというが、それ以外にも日本でテロなんて――と私が思っていると、紫苑さんが私達にヒントをくれた。
「それなら…大正十二年九月一日、平成七年一月十七日、平成二十三年三月十一日と聞いて、何か思い浮かぶ出来事はありませんか?」
その日付に、およそテロとは無縁に思える出来事を思い出し、私と小鳥遊さんは息を呑んだ。
「紫苑さん、それってまさか――」
言葉にならない私の問いかけに、紫苑さんは静かに頷いた。
「分かり易い様にテロリズムと表現しましたが、彼らの行為は爆弾や毒ガスのようなテロ行為とは規模が違うのです。太古から受け継ぐまじないにより“地霊”を使役し、大規模な地震を起こす事で一般市民を殺しインフラを破壊し、国そのものに打撃を与える。そんな恐ろしい事を代々続けている集団なのです」
紫苑さんの声に私は眩暈を覚えた。あれらの震災は人が起こした災害だというのか。
「そんな…」
「同じ日本人のする事とは思えないね…」
警察官の顔に戻っていた小鳥遊さんの口から非難の声が漏れる。自然を――災害を引き起こし無辜の民を殺戮する。普通の警察官だったら笑い飛ばす話だが、裏の世界を知ってしまった小鳥遊さんにとって、脅威と理解するには何の問題も無かったようだ。
「彼らにしてみれば同じではないのです。むしろそう言われる事を極端に嫌うでしょう」
そして紫苑さんは私達に背を向け、店の外に広がる暗闇を見つめながら、話を続けた。
「そして彼らは、古来から日本の裏と表を守護し続け、自分達と敵対し続けてきた存在、陰陽師を葬るべく、この店を包囲しています」
「なんだか大変な時に来ちゃったね…って機動隊呼んだほうが良いんじゃないの?!」
と、今更ながらに自分の立場を思い出した様子の小鳥遊さん。
「裏の戦いに一般人を巻き込むわけには行きません。どのみち警察では歯が立たないでしょうし」
「アタシその一般人なんだけど…もしかしてノーカン?」
「地霊を認識する姿を見られているでしょうし?只のお得意様という認識はないでしょうね」
「ダメかあぁー」
大袈裟にテーブルに突っ伏す小鳥遊さん。だが紫苑さんはそこへ「大丈夫です」と言ってその顔を窓の外に向け、
「こんぺいに相手をして貰っていますので」
といって少しだけ微笑んだ。確かにそういえばこんぺいの姿が見えない。
だが――あのナリで何が出来るんだろう?どう考えても厨房でぐうたらしている姿しか思い浮かばないので首を捻っていると、
「窓から外をご覧になってください」
と、紫苑さんが窓を指し示した。
ウインドーに近寄って外の暗闇に目を凝らすと、夜の闇の中、煌く流れが縦横に宙を舞っているのが見えた。
龍だ――お祭りや昔話で見るような、長さ六、七メートルはあろうかという龍が、紅の鱗を月光に輝かせながら、スライムの様な地霊達を尾で薙ぎ払い、その爪で切り裂いている。しかし肝心なこんぺいの姿が見えない。不思議に思い首を捻っていると、紫苑さんが含み笑いをしながら教えてくれた。
「その龍がこんぺいですよ、若葉さん」
「うっそ…」
まさかと思いよく見ると確かに――この龍は一つ目だ。
「あれがこんぺいの真の姿、紅龍です」
踊るように宙を舞い、地霊を屠り続ける、赤い龍のこんぺい。
「凄いね…今まで金魚ねぶただと思っていてゴメンナサイって感じだね」
いつの間にか私の隣で窓にへばりついていた小鳥遊さんが率直な感想を漏らしていた。
「やっぱりそう思っちゃいますよね?」
私も思わず同意の言葉を返していた。二人で顔を見合わせて笑う。
「ねぇ、若葉ちゃんのサンちゃんも進化するの?」
急に小鳥遊さんが紫苑さんに尋ねた。私の式神であるサンもそのうちあれ程に成長するのだろうか。
「まだ生まれたばかりなので、やっと話せる程度ですが――いずれは」
狐だから龍にはならないと思うが、きっとカッコイイ子に育ってくれるのだと思いたい。ケモ耳尻尾のイケメン執事とかだったらやだもうどうしましょう。
私がそんな妄想を想い描こうとしていた矢先だった。
「若葉さん、小鳥遊さんとサンを連れて『夕闇の境』へ身を隠してください」
と、紫苑さんが厳しい声色で私達に避難を促した。
「次は『長髄彦』の暗殺部隊が直接来る筈です」
真剣な表情で窓の外を見つめながら話す紫苑さん。
「水臭いなぁ、捕り物ならアタシも役に立てると思うけど?」
小鳥遊さんの言葉に紫苑さんは静かに首を振り、そして小鳥遊さんを力強く見つめながら、
「小鳥遊さんは万が一の場合に備えて、若葉さんをお守りください」
と言った。
多分、嘘だ。
隠れ里である『夕闇の境』に逃げ込んでしまえば、巫力の無い人間は手出しが出来ない。紫苑さんはきっと――
「…分かったわ。ほれ若葉ちゃん、あの異世界に行くんでしょ?案内お願いね」
私は小鳥遊さんに肩を抱かれ、ほれほれと二階に促された。
「し、紫苑さん――」
お気をつけて。
どうにか、そう声をかけると紫苑さんは肩越しにこちらを見て
あぁ。
その表情は。
おそろしい。美しさとはおそろしさの裏表なのだろうかと思ってしまうほどにおそろしく――美しい笑みだった。
あなたはその細く小さな背中に、どれだけの重荷を背負っているのですか。
――紫苑さん。
紫苑と相志が『タタリアン』の外へ出ると、紅の龍が二人を囲んで守るように身をくねらせて降りてきた。
「姐さん、露払いは済ませたぜ。指示通り人間にゃ手を出してねぇ」
紫苑の隣に顔を並べ、人の言葉を話す独眼の龍。その口調は明らかにこんぺいのものだった。
「ご苦労様、こんぺい。もう大丈夫だから――ゆっくりお休みなさい」
愛おしげな眼差しを独眼龍に向け、やさしくその頬を撫でる紫苑。だがその掌は――朱に濡れた。
よく見ると独眼龍の身体はあちこちの鱗が剥がれ肉は裂かれており、左の後ろ足などは辛うじて皮一枚でぶら下がっていると言った、正に満身創痍の姿であった。軽々しい報告の裏には、熾烈な戦闘が行われたであろう事が予想できる。
「申し訳無ぇ…正直、このダイナマイトボディを維持すんのもギリギリなんだ…」
そう言うとこんぺいは普通の金魚の大きさにまで小さくなり、弱々しく宙を泳いで郵便受けから店内へと戻っていった。
そして、その様子を微動だにせず待つ――異形。
土色をした目の粗い布。それを頭の部分だけ穴を開けて被り、その腰の辺りを縄で括っただけの、貫頭衣と呼ばれる弥生式トラディショナルスタイルに、土偶を彷彿する奇怪な面。
その手には鎌、短槍、そして、小さなピッケルのような先端を具えた木の杖。
そんな者達が、ざっと八人。店先に出た紫苑と相志を取り囲んでいる。
これが――長髄彦。
「祇を打ち破るとはな――だが護衛たる式はもはや使い物にならぬぞ。摂理を弄ぶ陰陽師よ!覚悟せよ!」
『長髄彦』の一人が短い槍の穂先を紫苑に突きつけて叫んだ。祇とは紫苑が“地霊”と呼んだ物怪の事のようである。
だが紫苑は眼前に居並ぶ『長髄彦』の集団を前に、嘲るような笑みを見せながら声を上げた。
「釣れたはこちらが台詞よ。何も知らずにノコノコ現われるとは――『土蜘蛛』は何時の世も愚かなことよ」
手の甲で口元を隠し、ほほほと笑う紫苑。その美しさに、そう言われた男達は己の愚かさを悔いながら涙を流し跪くのが当然とも思える様子だが、相対する仮面の軍勢――『長髄彦』達は古来からの因縁と怒りにより、貫頭衣に包んだ身体を激しく震わせ激高していた。
「我らのみならず祖霊までも愚弄するかっ!母なる大地を汚す魂盗人がっ!」
夜の闇を纏い――怪しげな面がつぅ、と流れた。
鎌を持つ『長髄彦』の一人が紫苑めがけて流れるように襲い掛かったのだ。
「ここは僕が」
相志はそう言って、常に腰に提げている、美しいヴィクトリアン調の細工が施されたパティシエナイフを取り出すと逆手に握り締めた。
長髄彦の流れを遮るように美貌のパティシエはゆらりと動き――
右腕をすぅとひと振りしたようにしか見えなかった。
だが、すれ違った黒い影は幾辺もの肉片となり、地面に散らばっていた。
「あるじを盗人呼ばわりとは――ひと口サイズにカットされても文句は言わせん」
背後に積みあがる肉片をちらりともせず、ナイフを構えたまま立ち上がる美しきパティシエ。白衣はおろか、握ったパティシエナイフにも血の一滴すら付けていない。
「貴様等『土蜘蛛』を屠るために受け継がれてきた方相氏の剣技、とくと味わってゆくがいい」
方相氏――その名を聞いた長髄彦達に僅かな動揺が広がった。だが怨敵を目の前にして退く事を知らぬ長髄彦の集団。
「これ以上の愚弄はさせぬ!!陰陽師さえ獲れればいい!押し囲め!」
木の杖を持った長髄彦の一人が指揮を飛ばすと、残りの長髄彦達六人は相志を無視して紫苑を囲む動きを見せた。
「紫苑様っ!」
長髄彦の集団と紫苑の間に割って入ろうとする相志。だが杖を持つ長髄彦がそれを止めた。
「貴様は私がお相手しよう!方相氏!」
杖の長髄彦が携えた杖で地面をトントンと突くと、アスファルトの路面から水が染み出してくるように何かが現れ、相志に向けて飛翔した。
その気配を察知し足を止める相志。
飛翔体は相志の頬を掠め、背後にべちゃりと音を立てて着地した。
祇――地霊と呼ばれる物怪がそこに居た。
杖を持つ長髄彦はさらに何度も地面を杖で突く。その度に、その足元からじわじわと何かが盛り上がり――そしてそれは、独眼龍がどうにか退けた“地霊”の姿となった。
そして複数の“地霊”は一箇所に集合し、ひとつの巨大な“地霊”の姿となった。
「はっはっはははぁっ!剣技だけで祇は屠れぬぞ!飼い主の死に様を眺めながら死ぬがいい!方相氏ぃ!」
紫苑を包囲する長髄彦達が一斉に襲い掛かった。地を駆け宙を舞い、その包囲は天地ともに死角なし。
だが迎え撃つ紫苑は――左手をつぅと掲げるのみ。だがその手には何かを握っている。
「喰らい尽くせ――『鬼一口』」
紫苑はそう口にすると、左手に握った――鬼面の口をぱかりと開いた。
それはもはや、『大きな口』としか言い様の無いモノだった。
綺麗に並んだ黄ばんだ歯。その中に際立って存在を示す四本の巨大な牙は人ひとり分の大きさはあるだろう。
だがそれしか見えない。
勿論口があるからには、その周りの部分もあるのだろう。頬や鼻、喉や目が。だがそれらは、縄の様に太く、黒々と茂る毛髪らしきものに覆い隠されている。
そしてその大きな口は、『がおん』という叫び声の様な音を残し。
紫苑を押し包もうとしていた『長髄彦』は一人残らず姿を消していた。
「な…何が――」
唖然として同胞の消えた宙を眺め続ける、杖の長髄彦。
「葛葉流護身呪――『鬼一口』」
左手に握る面の具合を確かめるように右手を添えながら呟く紫苑。
「なっ?!葛葉だと?!」
そしてその男は大いに動揺を見せた。
「――相志」
その声に相志は小さく頷き、眼の前を塞ぐ巨大な地霊――祇をひと振りで両断してみせた。
「剣技で地霊を葬れなかったのは仁和の頃までの話だ」
まだ若いが腕の立つ仲間を一度に奪い、自らの切り札もあっさりと下した宿敵、陰陽師と方相氏。その二人が自分の方へと歩み寄り、その前に立ったところで、残された長髄彦は目の前が暗くなっていった。
永遠に茜と濃紺が鬩ぎあう空。名も知らぬ草の茂る野を往く道。
首の欠けた地蔵の先は人と魔の交差する道――鬼哭の辻。
薄紫の狩衣を着た紫苑、パティシエ姿の相志、そして衣服を全て剥がされ手足を縛られて地面に転がされた長髄彦の男がいた。
「我らの情報は何処から?」
辻の真ん中に転がる男を見下ろして質問する紫苑。
「…素直に吐くと思っているのか?能天気な連中よ」
紫苑はその言葉を受け、飛び掛らんばかりの怒気を孕む相志を控えさせ、しゃがみ込むと長髄彦の男の顎を可憐な指で摘み上げた。
「思っているとでも?素直に吐かれても詰まらぬ。もっと私を悦ばせてみせろ、長髄彦」
紫苑は長髄彦である男の腕に、石の黒いナイフを押し当てて横に引いた。流れた血が地面に吸い込まれてゆく。
「血を糧に――集え辻神」
紫苑の言葉に合わせ、草むらの影から真っ黒な足首――辻神が数匹その姿を覗かせた。
「相志、『画図百鬼夜行、前篇、陰』を」
あるじの言葉に、脇に抱えたバッグから一冊の本を取り出し、恭しく差し出す相志。紫苑はその本、『画図百鬼夜行』を受け取ると、それを無造作に宙へ放り投げた。
「絵姿に寄りて我に従え――垢嘗」
地面に『画図百鬼夜行』が頁を開いて落ちた。
衝立に手桶、無造作に脱ぎ置かれた着物。
人気の消えかかった風呂場の影で、最後の客が去るのを待つ禿。
だがそのいでたちは人の様で人ではない。
そんな絵が現れた。その瞬間。
小学生位の小さな子供の姿がそこに居た。
おかっぱに刈り揃えられた頭髪は脂に汚れ、その肌は潤いが失せており、爪を立てて掻き毟れば白い粉が宙に舞った。
紫苑はその子供姿に微笑みながら、辻に転がる長髄彦を指差して言った。
「生きのいい垢です――召し上がれ」
紫苑の声に垢嘗の口がぐにゃりと横に広がる――笑ったのか。するとそこから鞭がしなるようにぶるんと長い舌が飛び出し、長髄彦の身体を舐めあげた。
「ぐああああああああっ!」
べろりとからだを舐め上げたその舌には。颪金のような突起がびっしりと並んでいる。
垢嘗という妖怪は、その舌で人間の皮膚、いや肉を削り落とし食べているのだった。
「田舎の垢はしつこいと聞きます。存分に削ぎ落とすと宜しいでしょう」
そしてどれだけの時が流れたのか。日も傾かぬ『夕闇の境』では計りようも無いが、拷問を受ける長髄彦の全身が朱に染まるには充分な時間だった。
全身を削がれ、筋肉がむき出しになった長髄彦の顎を掴み持ち上げる紫苑。掌が――その細い腕を鮮血が伝う。
「私が聞きたいのはただ一つ――七年前に葛葉の陰陽師を殺したのはお前達か?」
「そ…それ…は」
紫苑は懐から何かを取り出すと、血だるまになった長髄彦の眼前へ突き出した。
「これは貴様等『長髄彦』の短剣であろうがっ!本当にうぬらが父上の胸に突き立てたかと聞いているっ!!!」
石を磨き上げて作られた、黒く光る小型の石剣。
「今すぐ貴様を縊り殺し、その魂に直接問い質す事も出来るのだぞ!ただしそうならば汝が魂、地母の胎に戻れると思うなっ!」
その時、その場所からほんの少し離れた場所に。ぽつんと置かれていた折鶴がふわりと宙に浮かびあがり、飛び去った。
だが、そんな折鶴の後を追いかける様に、七色に光る蝶が飛び、折り鶴の背に停まると、蝶は自らを火の玉に変え、折鶴を焼き尽くした。
次なるお話は『影女』。
目の前で愛する主人を失った『付喪神』の悲しみと若葉の怒りが呼ぶ祟りとは?
ご期待下さい。




