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3-4 帷子ヶ辻

R2.10.4 加筆修正

というか全部済んでるんだけどupしんどい

「小夜鳴市のニュータウンで、身元不明の遺体が発見されました。現在この家に住んでいる小蛭居牧男氏と、妻の美恵子さんとの連絡が取れなくなっており、警察では身元の確認を急ぐと共に――」

テレビのニュースで取り上げられる、とある夫婦の死。背景にあった妻へのDV行為など世間は知る由も無く、ただの不審死として処理されてゆくのだろう。


 ――あの幽霊(ひと)の名前、そういえば聞いてなかったんだ。


 祟りと一体化したあの女性は、最後に情をみせてしまったのだろう、と紫苑さんは言っていた。

 どういうことかと尋ねてみたら、『帷子ヶ辻』を使えば、その相手は死体が土に返るまでの九相――死に、腐り、虫や犬に喰われ、風化してゆくさまを()()()()()()()体験しながら息絶えるのだという。

「じゃあ祟りは失敗――」

私がそう尋ねると、

「失敗ではありませんが、素直に成功とも言い難い――というところでしょうか。ですが、彼女が『これでいい』と判断したのです。私達が口出しできる筋合いではないのでしょうね。それが」

夫婦というものなのかも知れません。と紫苑さんは締めくくっていた。

 そういうものなのだろうか。私にはまだ、よく分からない。


 美恵子さんの魂は無事に冥府の川を渡れたのだろうか。


 客足の止まった『タタリアン』で、一人店番をしながらそんな事を考えていると、後ろから声をかけられた。振り向くと、私服姿の紫苑さんと相志さんが立っていた。

「若葉さん、これから出かけてまいりますので、お店をよろしくお願い致します」

スキニージーンズ姿の紫苑さんも新鮮だなぁと思っていると、私の隣でこんぺいさんが胸ビレで手を振っていた。

「おう、気をつけてな。こっちは任せておけ」

「お前は裏でしか役に立たないだろうが」

若葉さんに変な事するなよ、と相志さんがこんぺいさんに釘を刺した。美男美女やなぁ、と見蕩れながら二人を送り出すとこんぺいさんは、

「じゃあ若葉ちゃんよ。さっそくだが、たい焼きを頼むぜ」

と言い、器用に胸ビレでリモコンを操り、調理場のテレビでドラマの再放送を観始めた。

「この時間は客も来ねぇしよ。若葉ちゃんも一緒に食おうぜ」

というか、こんぺいさんのたい焼きはお店で手作りしていたという事を最近知りました。専用の鉄板もちゃんと用意してあるという本格仕様なのです。

「…作るのは私なんですけどね?」

最近はたい焼きを焼くのは専ら私の担当になっています。作り方を教えて貰い、皆に振舞った時にこんぺいさんが「若葉ちゃんのたい焼きには“愛”が詰まってるねぇお前のとは違ってよぉ」と不要に相志さんをディスった所為だ。

 ともかく、一息入れるのには賛成だ。手際良くたい焼きを二人分焼き上げ、二人分のお茶を淹れてこんぺいさんの隣に腰を下ろす。

「そういえば、お二人はどこに出掛けられたんですか?」

たい焼きの尻尾にかぶり付きながら聞いてみた。

「墓参りだよ。紫苑の両親のな」

今日は命日なんだ。と、いつになく真面目な口調で答えてくれるこんぺいさん。

「お亡くなりに…事故か何かですか?」

するとこんぺいさんは少しの間を置いて、

「答えられるって事ぁ教えて構わないってのか…」

と小さく呟き、テレビからこちらへと向き直り、答えてくれた。


「――殺されたんだよ」

予想もしなかった言葉に何も言えない私を見ながら、こんぺいさんが続ける。

「相手は分からねぇ。ただ、裏の人間って事だけは確実だ」

「な――何が?」

これが、いま言える精一杯だった。

「紫苑だって一人で陰陽師になった訳じゃねぇ。その道には必ず師匠ってもんがいる。紫苑の場合、それは両親だった」

こんぺいさんは胸ビレからたい焼きを手離さずに話し始めた。

「紫苑の家はまぁ、葛葉っていう陰陽師集団の当主…つまりマフィアファミリーのドンみてぇなもんだったんだ」

はい、物騒ワード頂きました。と言うか私はそんな物凄いお方の下で修行して居たのか。頭の中をあの有名なテーマ曲が流れだしそうです。

「日本にゃあ他にも三つ、陰陽師ファミリーが存在しててな。この四つのファミリーは通称“四方院”と呼ばれている。んで、この四方院ってのは古来から日本の政と深ぁく関わりあっているんだ。んで、そんな四方院を束ねる総裁、“物部(もののべ)家”の仕事ってのは神への祈祷や託宣といった神事、吉凶の占い、重要人物の護衛なんていった、所謂“御国の為”って具合だ。真っ当な陰陽師の、キレイなお仕事なんだが、葛葉はそうじゃねぇ。若葉ちゃんも知っての通り、呪いに祟り、悪霊退治や禁足地の管理…裏側を仕切る、って言ゃあ聞こえは良いが、要するに掃除屋、汚れ仕事って奴だ」

 一気にそこまで語ると、こんぺいさんはこれまた器用に胸ビレで湯飲みを掴んでお茶を飲み、ちょっと昔の話だがな、と言い、再び語り始めた。


「こいつぁまだ紫苑がセーラー服を着てた頃の話だ」

紫苑さんのセーラー服姿というのが想像付かない。スカートの腰の所を捲くって短くするとか絶対にしていなさそうな気がする。帰りに友達とマックとか絵が全く思い浮かばない。

「あの頃から相志は紫苑の守り刀として付き従っていた」

「――守り刀?」

「要するにボディーガードさ。とはいっても、歳も近い二人だ。兄弟みたいなもんだったよ」

あぁ――それ他人から見たら近寄れないオーラ満載だわ。身内からは兄弟扱いでも、学校じゃ最強カップルとして見られていたのだろう。

 などと考えていたらこんぺいさんは、

「後はよくある話だ。ある日、家に帰ったら両親の死体が転がっていた」

と、後の話をあっさりとまとめ上げてしまった。両親が殺されるのを、よくある話で済ませるのもどうかと思うのですが。

「それから紫苑は親を殺した相手を探し続けているのさ」

そしてこんぺいは、残ったたい焼きの尻尾を口に放り込み、モグモグしながら、

「それから――もう7年が経っちまった」

と言った。

「犯人の目星は付いているんですか?」

「あちこちから()()()()()()()()からな。見当もつかねぇよ。後は」

当事者から直接聞くんだな、と相変わらずの軽い口調で答えるこんぺいさん。

「さ、お客さんが来るぜ。店に出な」

こんぺいさんがテレビを見ながらそう言うと、店のドアがカランコロンと鈴を鳴らし来客を知らせた。

 しかし、そんな凄い一族のゴッドファーザー的な存在の紫苑さんが、何故こんな小さなカフェの仕事をしているのだろうか。両親が殺された事に関係しているのだろうけれど、まだそれを聞いてはいけないような気もする。

 それよりも今は目の前のお客様だ――仕事に戻らなきゃ。



 薄紫の花束を抱える紫苑が先を歩き、付き従う相志が水桶を持ち、立ち並ぶ墓石の間を歩いている。

 やがて、さほど大きくも無い普通の墓石の前で二人は立ち止まる。墓石には『葛葉家』と刻まれていた。墓前には最近供えられたばかりであろう白く大きな菊花が飾られている。

 白い菊花に添えて自らが携えた紫苑の花を供え、相志が線香に火を点けた。

 二人で静かに手を合わせる。

「――あの日から7年が経ちました…」

墓前で一人話す紫苑。当然、応える者は無く、そよ風に菊と紫苑の花が揺れるのみだ。

「待っていてね、お父さん、お母さん。必ず――」

ゆっくりと立ち上がる紫苑。そして歩きだそうとした時、相志がその腕を掴んで紫苑を引き止めた。

「隠れてないで、そろそろ出てきたらどうだ?」

相志が立ち並ぶ墓石の向こうに声を掛けると、それに応じる様に、一人の男が墓石の間から現れた。

「今日、ここでなら会えると思っていたよ」

 二人の目の前には、一人の男が立っていた。

 ひと言で表すならば、氷。満面の笑顔を浮かべてはいるが、ひと皮剥けばその中身は氷で出来ているのでは、という印象を与える青年だった。

「何の用だ…物部(もののべ)

ずい、と紫苑の前に出て、男を睨み付ける相志。

「何の用とは酷いね。命日にこうして花を持って来たと言うのにサ」

物部と呼ばれた青年は、笑顔を崩さずにおどけて肩を竦めた。 話通りならば墓前に菊花を供えたのはこの男なのだろう。

「貴様等からの花など!」

それに対し、手綱を放せば今にも飛び掛りそうな勢いで歯を剥く相志。

「掃除屋の飼い犬風情が威勢の良い…地べた這い蹲らせて、躾直してやろうかァ!?」

ポケットに手を突っ込みながら応じる氷の男。その表情は先程とうって変わった、怒気に満ちたものだった。

「おやめなさい、相志」

相志を静かに手で遮り、紫苑が男の前に出る。

「この度は、亡き父と母の為にご足労頂き、誠にありがとうございます。四方院総裁、物部勝比呼様」

そう言って丁寧に頭を下げる紫苑。しかしその丁寧な物言いが逆にトゲを感じられるような口調である。しかし物部勝比呼と呼ばれた男はそれを気にした様子も無く、頭を下げる紫苑の姿に笑顔を見せている。

「やはり『葛葉』の当主ですね。『物部』への態度をちゃんと弁えている」

物部の言葉に紫苑の眉がわずかにピクリと動く。

「失礼ですが、四方院、西の司『葛葉』はもはや存在しません。此処に居るのは野に下った一介の女に御座います」

そう言って深々と頭を下げる紫苑。それを見て更に怒気を纏う相志。

「紫苑様!その様な男に頭を下げる必要など…」

「…相志」

今にも喉笛に齧りつきそうな相志を一言で諌め、再び頭を下げる紫苑。

「お見苦しいものを見せてしまいました。この男、身の回りの世話には役立つのですが思慮の足らないところが御座いますれば、何卒御容赦の程を」

「さすがは紫苑様。ちゃんと心得ていらっしゃる。そんな駄犬は捨てていい加減お嫁においでなさい。紫苑様が『物部』の嫁となれば我等の足元も固まるというもの。貴女こそ宗主の嫁に相応しい能力と美しさを兼ね備えた人なのですから」

そう言って値踏みするような視線で見つめる物部。

「物部の嫁に選ばれるなどこの上無い光栄に思いますが、私では役不足かと存じます。『菅原』など宜しいのでは?」

「確かに『菅原』には金がある。経営を考えるならそれがベストだろう。けど、ボクは『物部』に力を取り戻したいのですよ。貴女の血を入れる事で」

「…以前『金は力。力は金』と葛葉の祭壇に札束を積み上げた男の言葉とは思えませぬが?」

「そんな事もありましたねぇ」

紫苑の口撃にも怯む事無く笑顔を保つ物部。それに対し紫苑は丁寧な態度を崩し、ヤレヤレと言った様子で、

「それに勝比呼様ともあろうお方が、みすぼらしいカフェの店長風情を嫁に迎えるなど、大事な顧客達が黙っていないと思われますが?」

それではこれにて、と。物部に背中を向けて歩き出した。慌てて相志も後を追う。そのまましばらく歩き、黄色いMINIに二人で乗り込んだ。

「全く…墓参りだというのにあんな輩に出くわすとは…」

ハンドルを握りながら大きな溜め息を吐く相志。だが助手席の紫苑はというと、全く意に介さないといった表情である。そして運転席の相志を見ながら言った。

「本当に貴方も修行が足りないようね、相志」

「…どういう意味ですか?紫苑様」

意味が分からないと言った様子の相志に、紫苑はニコリと笑って言った。

「さっきのは偽者――式神よ」

「んなっ…!」

「相志はあの人が嫌いですものね、昔から。けど感情を優先して相手を見る事を怠るのは宜しくないわよ。あの男が私を()()()と呼ぶ筈がないでしょう?」

「失礼致しました…」

小さくだが、丁寧に頭を下げる相志。

「さっきのは各家の当主にしかわからない暗号を運んできたの。ほら」

お店に戻りましょう。という紫苑の促しに相志がエンジンを回す。

「暗号ですか…して、何と?」

すると紫苑は一変して険しい顔になり、ボソリと答えた。

長髄彦(ながすねひこ)の一党が動き出した」

「長髄彦…朝廷に弓引く者。そして陰陽師の敵である暗殺集団。ついに…!」


 その時紫苑は、冥府の鬼も尻尾を巻くような笑みを浮かべていた。

「えぇ――やっと引き摺り出せた」



「いやぁ、初めて食べたけど、美味しいケーキだね。君が作ってるの?」

 たった一人で店を訪れた、背広を着た温和そうな男の人はイートインコーナーでケーキを4つ頼むと、それをぺろりと平らげてしまっていました。

「いえ、店長が一人で作っています」

「そうだったの?!じゃ残りの四種類も、持ち帰りで頼むよ」

「かしこまりました」

紫苑さんの作ったケーキを褒められるのは素直に嬉しい。トングでケーキをトレイに乗せてゆく。

「いやぁ、あの紫苑ちゃんがケーキ屋をやっているなんて聞いたから来てみたけど、意外と上手に作れているもんだネ。そう思わないかい?――飯綱若葉さん」

フルネームを呼ばれた。名札もしていないのに。紫苑さんの名前も知っている。もしかして――

 箱詰めする手を止めて男性客の方へ向き直る。

「…店長のお知り合いの方ですか?」

努めて冷静に尋ねてみる。

「んー、ボクの方は将来のお嫁さん、と思ってるんだけどネ。紫苑ちゃんはきっと『興味がありませんので』って言っちゃうんだろうナ」

それは私もそう思うし、そう言ってる姿が容易に目に浮かぶ。

 目の前に居る男性は確かに格好いい。歳の頃は30前後だろうか。

 精悍な顔つきに浮かべる甘い笑み。余裕のある大人の魅力とでも言うのだろう。背広にネクタイという服装は一見普通のサラリーマンにもみえるけれど、そのスーツはまぎれもないイタリアの高級ブランドであり、その他靴や腕時計も超高級ブランドの逸品。しかもそれらを自然に着こなせている辺り、さぞかし良いトコロの人間なのだろう。

 しかもその服飾品全てに微力ではあるが巫力が感じられる。おそらくは着ている人物を守るために作用しているのだと思うのだけれど…正直その程度の守りで大丈夫なのだろうかと逆に不安になってしまう。

 それに、この妙に人を惹き付けようとしてくる引力の様な何か――さっきからそれが不快に思えて仕方がない。

「ボクは物部勝比呼(かつひこ)。紫苑とこんぺいの古い知り合いサ」

こんぺいさんの名前が出てくるという事は、同じ陰陽師なのだろう。けど、それにしては紫苑さんのような、内側から湧き出る気迫(オーラ)というか、そんなものが余り感じられないし、式神の姿も見えない。

「申し訳ありません、店長は今、外出中で――」

紫苑さんが居ない事を丁寧に謝る。だがこの物部勝比呼という人は、

「違うよ。そうじゃなくって、今日はキミに話があって来たのサ」

と人懐っこい笑顔を消して冷徹な表情になり、私を見つめた。

「私に――ですか?」

私は背中を向けてケーキの梱包を再開しながら答えました。

「でしたら、その不快なモノを止めて頂けませんか?」

私がそう答えると、物部さんは目を丸くしていたが、すぐに笑顔に戻り、

「そうだったね、強い術者と話すのは久しぶりだから“魅了”を解くのを忘れていたよ――花は散る、水は流れる、香りは失せる」

そう呟いて自分の型をポンと払う物部さん。するとこの人に対する不快感がするりと抜け落ちた。これでやっと普通にお話できそうだ。

 そんな私を見てまた人懐っこい笑顔を見せる物部さん。

「いやぁ申し訳ない。この術は巫力の高い人間にとっては不快に感じられるモノなんだ。でも一般人に対しては効果抜群なんだヨ?よかったら君にも教えてあげようか」

「そうなると紫苑さんに嫌われてしまいますので」

「そうかい?君が使えばイケメンばかりの逆ハーレムなんてすぐに作れるのに。何人もの男に囲まれて快楽を貪えるんだよ?最高だと思わない?」

笑顔を崩さぬままそう言ってくる物部さん。私の過去を知った上で敢えての発言なのだろう。

「そういった事はもうお腹いっぱいなので――というか私を怒らせて試そうとしているんですか?残念ですが術は覚えていないので平手打ちしかできませんよ?」

こんな人の思い通りになってたまるものか。怒らせて何かしようとしても無駄ですよ。

 私がそう答えると物部さんはその顔から笑みを消し、真剣な表情になり、言った。

「葛葉の道は君が思っている以上に血塗られた道だ――引き返すのなら早い方が良い」

私はそれに答えなかった。無言で物部さんの眼を見つめ返す。

「今からでも物部に来ないか?人殺しの手伝いなんかじゃなく、真っ当な仕事が出来る」

私を引き抜こうとしているのか。けれど私に向けられるその目は真剣そのものだ。

「それにもし能力も要らないと言うのなら、ボクが全て貰ってあげようじゃないか」

そう言うと、物部さんは再び人当たりの良い笑顔を見せてきた。

「さぁ――キミはどうする?」

 私は――




「お待たせ致しました。お持ち帰りのケーキ四つと合わせて三十二万五千円になります」

「ちょっえっ高くない?だってケーキ四つでも一六五〇円――」

「気に入らないお客様には吹っ掛けて構わないと店長より仰せつかっておりますので」

満面の笑みで答える私。勿論、吹っ掛けて構わない、と言うのは嘘なんですけどね。

 けど、そんな私の返答に物部さんは軽く笑うと、

「あー、紫苑ちゃんの指示なら仕方ないかぁ」

そう言って財布から普通に札束を取り出して受け皿に置いた。

「…あ、待って、五千円あります」

――意外に律儀な人のようだ。

 スーツの内側に財布を仕舞いながら、

「君がそう決めたのなら、ボクが出る幕は無さそうだね」

物部さんはそう言ってケーキの箱とレシートを手にドアへと向かった。そして振り返り、

「もし、何かあったらボクを頼ってくれても構わないからね?なんたって未来のお嫁さんのお弟子さんなんだから。力になるヨ。これは引っ掛けも無い本当の話だからネ」

そして人当たりの良い笑顔を見せて店を後にしていった。


 知人の陰陽師さんが来るなら教えてくれても良いのに、とこんぺいさんに文句の一つも言ってやろうと裏へ回ると、こんぺいさんはペーパータオルの束を枕に高いびきでした。

 ホント、おっさんなんだから…



次なるお話は幕間でございます。

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