4.夢?
あぁ風かな。ずいぶん強い。台風くるんだっけ?明日は面接なのに濡れるの嫌だなぁ。
ああ、なんか体が痛い。
目を開けるんだ私。
「あれ?ここどこ…?」
無理やり目を開けてみれば真っ暗で床が冷たい。
手の感触は石かな?全体がよく見えないな。
「あっ」
窓、といってもガラスもない四角い隙間があるようだ。
「見てみるか」
しかし夢にしてはリアルというか体が痛すぎる。手探りで窓迄たどり着き覗きこめば、かなり地面が遠そう。
上も…あれ?
「月が青くて星が金色?」
金色といえば、金髪金目美少女。
「夢じゃない?」
突如、空を眺め固まっていた私の耳に何か近づいてくる音がし、徐々にその音は大きくなっていく。
ついに背後から大きな音がし振り向くと。
「「失礼致します!!」」
ドアらしき物がふっとんで突然の光と何人もの人の気配。眩しくて何も見えない。
「ツッ」
それより何か当たった!
ドアの破片?
なんかまた意識が。
あぁ。
今度こそ起きてお風呂入ろう。
***
夢の続きかな。ゆらゆら揺れている身体。ふと僅かに開いた目で見れば深い蒼の目が見下ろしている。
「!!」
姫抱っこ!?
「「ツッ」」
痛いっ!頭がっ。急に体を、実際は頭だけ勢いよく動かしたせいで私の頭とお兄さんの顎が当たったらしい。
私も痛かったけど、お兄さんのアゴも痛かろう。
それよりも抱っこって! 小学生の体育で転んで先生に運んでもらった以来だよ。
「もうすぐ着きますのでこのままでお願い致します。神の使者殿、先程部下がお怪我を負わさせてしまい申し訳ございません。治癒をかけたのですが念のため医師を呼んでおりますので」
興奮していたら上から声が降ってきた。いや、いい声してる。って神の使者? ふとよぎる美少女さん。
「やっぱり夢じゃない?」
あれから医師に診てもらい、とりあえず今は真夜中らしいので朝になったら話しましょうとなり。
「おはようございます」
「お、おはようございます」
可愛い声のピンクの髪色のメイドさんに起こされました。ピンクだよ?いや、似合っているんだけどね。月の色といい、もうこれ見て思うよね。
あぁ、日本じゃない。
「これから朝食後に陛下への謁見、本日は夜会がございますが、その際、使者様も御出席と伺っておりますのでドレスなどのご用意や打ち合わせがございます」
王様に夜会? ぼーっとしてたらなんだって?
「ドレスなどは本来何ヵ月も前から準備するものですのにありえません。頑張りましょう!」
グッと握りこぶしのピンクのメイドさん。あっ後ろの緑の髪のメイドさんも握りこぶし。
私、スーツがいいです。
何がなんだかわからないけど戦いに行く感じ?
戦闘服は、スーツだよ!
それより1番重要な事が。
今日の面接、受ける前から終わった?そして誰かちゃんと説明して下さい!