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16.騎士ルーク ~ 出会い~

ー ルーク視点 ー


外から中を意識し探る。

力が感じられない。なぜだ?

いるのは分かるが。

俺は念のため仲間に防御の膜をはり、次に備え扉脇で頭の中で攻撃魔法を練り上げていく。


「硬てぇっ!」


ザルグが思いっきり足を振り上げた。


「ちょっとまて!」


確か最上階は、一番部屋が小さい。

こいつの怪力でやると。


ドガッ


「「失礼致します!」」


「あっ!やべぇ…」


ザルグの悲壮な声。デカイ男共で見えんが、嫌な予感がする。小さい光の珠を室内に浮かせ全体を照らす。


そこには、黒髪の痩せた少女が倒れていた。…額から少し出血しているようだ。側には扉の破片。


──まずい。


警戒しながら近づいてみると息はしているようだ。膝下から素足が丸見えな黒い服を着ている。俺はマントを外しそれを少女に巻き付けながら慎重に抱き上げた。


軽い。

その時少女の手首に目がいった。銀の細工に金の石の腕輪。そこから先程と同じ力が微かに出ており、それが少女に流れ込んでいるようだ。


魔法石か?それにしては異質だ。少女の気も今まで感じた事がないものだった。普通の魔力とは違う質。ただ攻撃的な感じがまったくしない。


俺はやっと警戒をといた。


腕に抱きかかえながら、治癒を施す。

…治りが遅い。俺の力が落ちているわけでもなさそうだ。試しにいつもよりも多く力を注ぎ込むと、傷はなくなった。後ろを振り返り部下に指示をする。


「ひとまず撤退だ。先に医師に連絡しておいてくれ。できれば女性のがいいだろう。治癒はしたが念のため診せたほうがいい」


「「はっ」」


少女の額の傷が消えほっとした顔のザルグに声をかける。


「ザルグ、明日の鍛練は隊長につけてもらえ」


ウヒィとザルグは声を上げた。 うひぃは俺だ。

俺が責任をとるはめになる。とりあえず少女を運んだら、報告と始末書だ。


塔をあとにし皆を持ち場に戻らせ、俺は抱いた少女を医師に診せる為医務室へ向かう。下から視線を感じ少女を見てみれば。


微かに開いた目は黒…いや茶色か?


このような目に黒髪なんて見たことがない。内心驚いていると、少女が突然暴れ始めた。もう少し我慢してくれと伝えると、言葉は通じるのか大人しくなった。顔が赤い。熱か?


医師に少女を任せ俺は隊長にではなく、今日も徹夜しているであろう宰相へ密かに報告しに行った。

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