6話
誤字などは優しく教えてくださいな
人間たちは大平原で一番大きな水場の近くに住み始めた。、
元々この水場は山の龍が魔物の群れと戦ったとき、目を塞がれ暴れたときに
できた窪みに、足を踏みならしてできた地割れからなぜか水が染み出てきて、
大きな水場になったところだ、人間はここを(神の湖)と名付けた。
人間は最初の頃は山の龍を、遠巻きに見ていたが、一人の人間が近づくと、神様と言って崇め始めた、
「わしは神ではないぞ」
山の龍がいくら神ではないと否定しても人間は神と崇めるのを辞めなかった
(崇められてもわしは何も出来んがのう、変に神様と期待されても困るのう)
(そもそも神様とはなんじゃ?龍神様のことかのう?)
山の龍は宗教など持って無かったが、死んだら魂は龍神様の所に、肉体は動物や魔物の餌になるぐらいの意識しかない、
(というこたはなんじゃ、わしを神様と崇めてるということは人間は死んだら魂がわしの所に来るのかのう?)
(辞めてほしいモノじゃ、妻や子の魂が来るなら解るが、顔の区別がつかない人間の魂がわしの所に来られても果てしなく困るだけじゃのう)
山の龍は人間の奇妙行動に大変戸惑った、
だが他の動物や魔物とは違う行動に大変興味をそそられた、なので少し離れた所で観察することにした。
人間は巣を作る、かなり不思議な巣だ、他の巣を作る生き物は大平原に穴を掘って穴の中で暮らす、ゴブリンなどがそれに相当する。
巣穴を掘るのはゴブリンより小さい生き物だ、ゴブリンより大きい生き物は穴を掘らない、雨風に体をさらして暮らす
だが人間はゴブリンの倍近い体を持ってながら巣を作る、
その巣は穴を掘らない、逆に土を上に積み上げる、上の部分は木を組み合わせて草を干したものを敷き蔦で草と木を結ぶ、人間は巣の上の部分を屋根と呼んでいた。
(ずいぶん器用なことをするもんじゃのう、でもなぜここまでめんどくさい方法で巣を作るのかのう?)
他にも狩りの方法も他の種族と違っている、鳥以外の二本脚で歩く種族は獲物を取り囲み手で石を投げ当てて動きが止まったら棒で叩く上手く当たればいいが当たらないと獲物は
素早く動いて囲いを突破してしまう。、
人間も、獲物を取り囲むそして先の曲がった木の棒に石を乗せてそれを振って石を投げてる、そるとどうだろう信じられないことに体の大きいオークより強く石を投げることが出来る、
これを人間は投石棒と呼んでいる、その投石棒を使い当たったら犬に咬みつかせ、槍でとどめを刺す、
外れても上手いこと犬を使い獲物が囲いから逃げないように追い詰めて狩りをする、犬を使うことで他の二本脚の動物より狩りの成功率が遥かに高い
その上なんと、空を飛ぶワイバーンも低い所を飛んでると狩ってしまう、石を両端に結んだ蔦をいくつもワイバーンに投げて絡めて地面に落としてしまうのだ、
他のワイバーンが助けようとしても一斉に槍を使って追い払う、それでも近づいてくるとまた石に蔦を結んだ道具を使い地面に落としてしまう、
飛んでないワイバーンなど人間にはもはや敵ではない、
その様子をみた翼竜も人間には近づかないようにしている、翼竜は本気を出せば龍のブレスを吐いて人間を黒焦げにすることもできるが体に大きな負担がかかるためブレスは滅多に吐かない。
(これはすごいのう、オークより小さいのにオークでも狩らない大きな魔物や動物を狩っとるのう
それに同種族だけではなく他の種族の犬とかいうのと一緒に狩りをするのはめずらしいのう、
うん?他の種族と一緒に行動とはあの魔物の群れと似てるのう、
もしかしたらゴブリンより大きく、オークより小さく、二本の足で立ち、頭に二本の角があり、背中にワイバーンのような羽があるあの生き物のことも知ってるかもしれん聞いてみるか)
山の龍が人間の方に話をしてみると神の巫女と名乗る人間が答えて来た、
神の巫女はどういうワケか何もせず常に山の龍の近くにいる、何の為にいるか解らない存在だ、
「お主よ、ゴブリンより大きく、オークより小さく、二本の足で立ち、頭に二本の角があり、背中にワイバーンのような羽がる生き物を知ってるか?」
「はい神様存知ております。我々がここ大平原に来る前に旅の途中で何度か会いました。」
なぜか神の巫女は話しかけると地面に体を押し付ける様に座って答える、これが山の龍と話す正しい姿勢らしい、なんでこのような体制で答えるかは分からないので気にせず聞く
「わしは神ではないぞ、けど、それはよかった、その生き物はなんという種族じゃ?」
「我々は魔人族と呼んでおります。」
「その魔人族のことを教えてくれんかのう」
「魔人族はほとんど我々人間と変わりない生活を送っております、ただ見た目が違うだけで言葉も普通に通じます」
「魔人族には翼があるじゃろ、空を飛べるなら人間とは違う生活になるんじゃないのか?」
「魔人族は空を飛べません、背中の羽は空を飛ぶには貧弱すぎます。」
(そういえばそうじゃったな、逃げるときも飛ばなかったと言っておったな)
「ではなんのため羽なのかのう?」
「あの羽は広げると頭の上に広がり日陰を作り暑くても快適に過ごすためにありあます」
「そうなのか、日陰を作る羽か、それは便利じゃのう」
山の龍は日差しがあまりに強い時は頭を地面に突き刺して涼んでいた、そんなことをしなくても
自分の羽で日陰を作る魔人族の体は便利そうだ、
「他にも雨の日にも役に立ってるようです」
「なかなかに便利な羽じゃのう、それでじゃな、魔人族は他に白い光を体から発することができるか?」
「聞いたことがありませんなぜそのようなことを尋ねるのですか?」
「じつわな、百年から二百年周期での魔物の群れがここに殺気をまき散らしながら迫って来るのじゃ」
「魔物の群れ?なんの魔物の群れですか、」
「なんの群れといってものう、、いろいろじゃ、狼型の魔物じゃたり、猪型じゃったり、オークもゴブリンも混じっとるよ」
「聞いたことがありません、いろいろな種族の魔物が一斉にせめて来るのですか?」
地面に体を押し付ける様に座っていた神の巫女は驚いて上半身を上に向ける、するとまた慌てて上半身を地面に押し付けるような体勢になった
「そうじゃよ、それに空には蜂型の魔物、ワイバーン、翼竜も空を飛びながらせめて来る」
「それらの魔物が一斉に来るのでしょうか?」
「そうじゃ前回せめて来たときは綺麗に種族ごとに並んでいてのう、蜂型魔物がわしの目を塞いでその隙に他の魔物が大平原に攻めて来たのじゃ」
「いろいろな種族が並んでいたのですか?食う者と、食われる者の、魔物も仲良く並んでいたのですか?とても考えられません」
「信じられないかもしれんが事実じゃ、それにここの魔物達も外から魔物がせめて来たときはのう一緒に戦うのじゃよ」
「我らは何世代も安住の地を探してあちこちをさまよいこの大平原にたどり着きました、その間いろいろなものを見て来ました、ですが
種族の違う魔物同士が集まり他の土地に攻めて行くなど聞いたことがありません、でも大平原の魔物は神様がいますので一つにまとまるのは理解できます。」
「何度か言ったが、わしは神ではないのじゃがのう、だが確かに大平原のまとめ役はわしじゃ、そしてのうここに攻めて来る魔物の群れの纏め役はどうも魔人族らしいのじゃが
その様子じゃと魔人族が他の魔物を従えたなど聞いたことないみたいじゃのう」
「はい聞いたことも見たこともありません魔人族は我々人間と同じく犬ぐらいしか従えません、その上、神様が仰ったように魔族が白い光を発するなど知りません」
「う~ん解らぬか、これ以上聞いてもしょうが無いようじゃのう」
「あの神様・・・・」
「出来ればわしを神と崇めるのはやめてもらえんか?わしは自分でもどのくらい生きたかわからないほど長く生きた亀龍じゃよ、決して神など大それたものじゃないんじゃ」
神の巫女は上半身を起こして訴えてきた、今度はすぐに体を地面に押し付けることは無かった
「それでは困ります神様は神様でいてもらわないと、、、」
「なぜじゃ?」
「私の一族は代々神の声を聞くのが仕事なのです、私は山の様に大きい貴方様を見たとき他の仲間にあれこそは我らの神と宣言したのです、なのでいまさら神様では無いとは言えないのです、勝手な話で申し訳ありませんが神様と呼ばせていただけませんか?」
(神の声を聞くのが仕事とは聞いたことが無いのう、本当に人間は解らないことをするのう、)
「解ったもうわしのことは、好きに呼んで構わんのじゃ」
(この一族は何代にも亘ってわしの声を聞いてたのかのう、その辺は聞くとめんどくさそうじゃのう)
山の龍はどうしてこの一族が神の声が聞こえるかは聞かないことにした、
「有難うございます、それで神様そのまとめ役の魔人族が白い光を発したら、どうなったのですか?」
「皆一斉に逃げたんじゃ、最もわしはそのとき目を塞がれていてのう白い光を直接見てないのじゃ、じゃがしかしわしの目を塞いでいた蜂の魔物は皆一斉に取りつくのを辞めて逃げたのじゃよ、なので魔族のことを知ってたら白い光もなんじゃか知ってるかと思ったのじゃ」
「先ほどから信じられない話ばかりです、長に聞いてみます、もしかしたら何か知ってるかもしれません」
「長というのは物知りなのかのう?」
「はい我々の中で一番の長生きで一番の物知りでございます」
「ほう何年生きとるのじゃ?」
「今年で85歳になります」
「・・・・・・・・・」
(ついこの間生まれたばかりではないか、、、でものう、わしは亀龍の森とこの大平原しか知らん、
85年という短い時間でもいろいろな場所を見て回った長ならなにか知ってるかもしれんのう)
「頼むかのう、出来れば長を連れてきて欲しいのう、直接話を訊きたいんじゃ」
「解りました、ですが一つお願いが有ります、」
「何じゃ?」
「長の前で自分は神様では無いと言わないでください、長がその言葉を信じたら、私の仕事が無くなっってしまいます。」
「解った解った」
山の龍は笑いながら承知した、
(人間はやっぱり面白いのう)
読んでいただいてありがとうです