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第六話 基礎

信広殿より提示された情報をもとに整理していみよう。



まず、現在の織田家の勢力は大まかに以下の通り。


通称”岩倉”と称される、尾張国上四郡守護代の伊勢守。

岩倉城主の織田信安

元はこっちが宗家筋とされている。



また”清州”と称される、同下四郡守護代の大和守。

清州城主の織田広信

こちらは分家筋とされる。



これらの家臣筋であるが、それぞれ勢力を持っているのが


那古屋城主・織田信長


犬山城主・織田信清


末森城主・織田信勝


楽田城主・織田寛貞


守山城主・織田信光


小田井城主・織田信張


などで、後は小規模な城持ちたちがツラツラと並ぶ。


あ、織田信張ってのは俺の義弟だ。年上だけど。

妹婿だから仕方ないね。



そんなことよりも!

実は俺!

守護代を除けば、勢力的には信長に次いで二番目なんだぜ!



しかも、俺と信長を合わせると”清州”を超える。

そこに寛貞と信光、信張を合わせると、”岩倉”も超える。


単純な勢力比較だと、話は簡単なんだけどねぇ。



そんなとこに、信秀叔父上の戦略展望を差し込んでいく。



直接の主君であった”清州”を滅ぼすのは外聞が悪い。

だから信長を守護代に並ぶ高さまで、一生懸命押し上げる。


”岩倉”とは縁戚を結び、犬山に一族(俺の親父、後に俺)を置いて楔を打ち込む。



そうして守護代と並び立つ勢力となった暁には、”清州”を引きずり降ろし、晴れて尾張の実質的な主とならしめん!



* * *



なんて、壮大な野望を御持ちであった様だが。


「死んでしまっては、大言壮語でしかないな。」


信長は辛辣だ。

信秀叔父上が、その野望を為せぬまま亡くなったのが悔しいのだろう。


でも、だったらさ?


「大言壮語でなくしてしまおうぜ!」


「なに?」




大言壮語ってのは、実力に見合わぬことを言った場合だ。

なら全部実行してしまえば、それはただの事実となる。


俺や信広殿が協力して、信長を”清州”を凌駕する存在にする。

そして、尾張の国主に押し上げるんだ。



英雄・織田信長の礎を築く。



うん、燃えるね!



「クックック。なるほど、面白い。」



よっしゃ、信広殿が乗ってくれた。

これで勝つるッ!


やってやるぜっ



「おい、勝手に決めるな。」



気にスンナ!



「だが、そうなると……。」


「ええ。家督争いなんかやってる場合じゃない。」


頷き合う。


「しかし、ならばどうする?」


「逆に考えましょう。良い機会だ、と。」


信広殿に興味深そうに促されるが、元より答えは決まっている。


「皆で話し合いましょう!」




「その前に、俺と話し合おう。な、信清しんゆう?」




あ、信長。そんな青筋立ててどったの。

会話に入れず寂しかったのか?


クックック。


いやいや待て待て、話し合いに脇差は要らない。

そこに置け、な?


いや、一旦落ち着こうぜ。

そうだ、話せば分る!


あ、信広殿。待って!?


いやいや信長、お前は今落ち着いていない!


いいから湯呑も置け!

ほら、座って!ちゃんと話し合おう!?


ちょ、まっ




* * *



さて、話し合うと簡単に言っても前準備がいる。

根回しとか、そういうやつ。


その辺りは俺に任せろバリバリバリーってことで、張り切って暗躍しちゃうよ!



皆様に置かれましては、拙作に対し過分な評価をありがとうございます。

増長する事無く、分を弁えて三十話前後を目指して進めて参ります。

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